河口先生
おなかの調子が悪くなり始めたのは、いつ頃ですか?
昴生さん
2019年頃だったと思います。
河口先生
最初に感じた症状は何でしたか?
昴生さん
寝る前や朝起きた時の腹痛です。
河口先生
下痢や便秘、嘔吐などの症状はありましたか?
昴生さん
もともとおなかを下しやすかったので、気づかなかったかもしれませんが、その時はなかったと思います。
河口先生
すぐに受診はされましたか?
昴生さん
仕事をしていると痛みも忘れられたので、受診しませんでした。
河口先生
我慢できないほどの痛みではなかったということですか?
昴生さん
そうですね。ある日またおなかが痛くなり、その日の漫才中はずっと痛くて耐えられなかったので仕事が終わった後、病院に行きました。
河口先生
その時何か診断は受けましたか?
昴生さん
腸炎と診断されて入院を勧められたのですが、ちょうどゴールデンウィークの時期で仕事が忙しかったので入院は断り、治療は食事制限のみでした。
河口先生
その後の経過はどうでしたか?
昴生さん
定期的に病院に通っていたのですが、1回目受診の2年後、朝起きた直後に激しい腹痛を感じて、40度の熱も出ていたので病院に行きました。その時はそのまま1週間ほど入院になりました。
河口先生
詳しい検査はしましたか?
昴生さん
MRIと血液検査、内視鏡検査をしました。
河口先生
内視鏡検査の結果はどうでしたか?
昴生さん
炎症を繰り返している所が無数にあると言われました。
河口先生
なるほど。腸炎には昴生さんのように慢性的に炎症を繰り返すものと、急性腸炎があります。急性腸炎の原因は感染症であることが多く、食中毒も急性腸炎にあたりますが、急性腸炎で炎症を繰り返すということはあまりありません。
昴生さん
そうなんですね。実は今年のはじめに食中毒になり、元旦の番組生放送中にひな壇で漏らしてしまったんです(笑)。腸が弱くなっていたということでしょうか?
河口先生
腸内環境が乱れていた可能性はあります。
昴生さん
腸内環境には食生活の影響が大きいのでしょうか?
河口先生
食生活の影響は大きいです。慢性腸炎の原因は腸の免疫の乱れにあると考えられています。不健康な食生活によって腸内の善玉菌が減って悪玉菌が増えてしまうと、腸の免疫機能が乱れてしまい、炎症がおきてしまうのです。
昴生さん
どのようなことに注意すればいいですか?
河口先生
刺激になるものを避ける必要があります。お酒やたばこ、辛いもの、脂っこいものの摂り過ぎには注意をしてください。
昴生さん
お酒は飲まないし、たばこも吸わないですが、辛いものと脂っこいものは好きです。
河口先生
食べ過ぎには注意してください。逆に食物繊維や発酵食品は摂取すると腸に良いと言われています。
昴生さん
納豆は苦手ですね。でもヨーグルトは寝る前に飲んでいます。
河口先生
大切なのでぜひ続けてください。
昴生さん
続けていきます。食べ物やお酒、たばこ以外で気をつけることは何かありますか?
河口先生
ストレスの蓄積にも注意してください。
昴生さん
20代半ばの頃、尿管結石で病院に行った時も、ストレスに弱い体だと言われました。当時は忙しくてあまり寝られていなかったので、自分では気づいていなかったのですが、ストレスがたまっていたようです。
河口先生
腸の活動は自律神経の中でも副交感神経の働きが重要で、寝ている間に副交感神経がしっかり働くことで腸が正常に働いてくれています。しかし昴生さんのように、ストレスで副交感神経の機能が落ちたり睡眠時間が不足したりすると、寝ている間に腸の仕事が終わらないため、翌朝になっても腸の仕事が残ってしまう可能性がありますね。
昴生さん
なるほど。僕はずっと腸に残業をさせていたということですか?
河口先生
はい。その負担が蓄積していくと体調を崩してしまうので、睡眠をしっかり取ることとストレスを発散することが重要です。
昴生さん
最近は定期的に休息を取り、なるべく睡眠を取るよう心がけているので、体調が良い気がします。その成果もあって10年以上ゆるかった便がここ最近固くなってきました。これは良くなってきている証拠ですか?
河口先生
良くなっている証拠だと思います。便は腸からの「お便り」ですので、腸の状態が良くなっていることを知らせてくれているのだと思います。
昴生さん
腸を良い状態で維持するには、食事や睡眠など普段の生活習慣が大切ですね。