小倉先生
現在使っている薬はありますか?
陣内さん
尿酸値を下げる薬を1年間飲み続けたのですが、効果がなかったこともあり今は飲んでいません。
小倉先生
尿酸値を下げる薬は2種類あります。体内での尿酸の生成を抑える薬と尿酸の排出力を高める薬です。陣内さんのように尿酸の排出力が低下している人には後者が効果的な可能性もあります。
陣内さん
なるほど。尿酸の生成を抑える薬はどのような人が使うと効果的なのですか?
小倉先生
そうですね。食べ過ぎてしまう人やプリン体を多く摂取する人は、尿酸の生成を抑える薬が効果的だと思います。
陣内さん
痛風を発症した際の治療において大切なことを教えてください。
小倉先生
尿酸値を低く保つだけでなく、心臓や腎臓の問題、肥満、糖尿病などの病気が隠れていないか一通り確認することが重要だと思います。
陣内さん
まずは受診して検査することが大切ですね。食習慣では野菜や肉類、魚類をバランスよく摂取することが大切だと思うのですが、ほかにできることはありますか?
小倉先生
痛風発作を予防する効果がある乳製品もおすすめです。
陣内さん
気をつけたほうがいい食べ物はありますか?
小倉先生
魚卵やウニ、エビの食べ過ぎは痛風のリスクが高くなります。特に魚の干物はプリン体の量が多くなると考えられています。
陣内さん
お刺身のほうが多いと思っていました。干物のプリン体が多くなるのはなぜですか?
小倉先生
干物は水分が蒸発して成分も濃縮されているためです。
陣内さん
なるほど。健診結果でチェックすべき項目について教えてください。
小倉先生
まずは尿酸値の数値が7.0mg/dlを超えている場合には注意が必要です。
陣内さん
私も先日測ったときは8.3mg/dlでした。私は尿酸値以外にも中性脂肪や悪玉コレステロールも高いのですが、原因は何だと思われますか?
小倉先生
悪玉コレステロールにも遺伝が関係している可能性もあります。
陣内さん
初めて聞きました。コレステロールも遺伝の可能性があるのですね。
小倉先生
体質が遺伝することで尿酸や悪玉コレステロールの値が高くなることもあります。
陣内さん
コレステロールを抑えるサプリメントを1年間飲み続けたこともあるのですが、全く変わりませんでした。遺伝でコレステロールが高くなる場合はどうしたらいいのでしょうか?
小倉先生
遺伝が関係する場合は自力で数値を下げることが難しいので、医師と相談しコレステロールを下げる薬を使用することをおすすめします。
陣内さん
まずは主治医に相談したほうがいいですね。
小倉先生
はい。健康診断の項目ではほかにも、血糖値や体重、BMI、腎臓の機能を確認するようにしてください。
陣内さん
腎臓の機能を改善させるにはどうすればいいのでしょうか?
小倉先生
1日2Lを目安に水分をとることは腎臓の働きを高めることにつながると思います。
陣内さん
水分は大切ですね。
小倉先生
はい。今回「痛風危険度チェックリスト」を作りました。陣内さんにもあらかじめ回答いただいたので少し確認してみましょう。
陣内さん
はい。私の場合はどうでしょうか?
小倉先生
食生活においては、お酒や外食、水分不足以外は問題なさそうですね。外食ではどのようなものを食べることが多いですか?
陣内さん
楽屋で食べるお弁当も外食に含んでいるので、肉類が多いと思います。
小倉先生
陣内さんは8番以降の影響が大きいようです。
陣内さん
私のように遺伝が原因の場合はどう対処すればいいですか?
小倉先生
お酒をなるべく控えていただき、水分をしっかりとってください。適度な運動も大切です。
陣内さん
今まで水をたくさん飲むことはやっていなかったので頑張っていきます。お酒の量はどのくらい飲んでいいのでしょうか?
小倉先生
お酒は一合までと言われています。ビールだと500ml、ウイスキーの場合はダブルで一杯が目安です。
陣内さん
お酒の中でも蒸留酒は問題ないと聞いたことがあり、ウイスキーやハイボール、焼酎を飲むようにしているのですが、本当ですか?
小倉先生
ゼロではないのですが、プリン体や糖質が少なく生活習慣病の予防にいいと考えられています。
陣内さん
適度な運動には何をどのくらいすればいいですか?
小倉先生
激しすぎる運動は尿酸値の急上昇につながるため、有酸素運動を無理のない範囲ではじめてください。
陣内さん
チェックリストで7点以上の人はどのように生活していけばいいですか?
小倉先生
痛風の発症や再発を事前に予防するという点で、まずは自分の尿酸値を知っていただくことが大切です。
陣内さん
痛風予備群や痛風を発症した人は何科を受診したらいいのでしょうか?
小倉先生
一般的に痛風発作が疑われた場合は内科や整形外科を受診していただければと思います。
陣内さん
整形外科でもいいのですか?
小倉先生
はい。内科でも診断は可能ですが、痛みの原因が痛風以外の可能性もあるため、整形外科で詳しく調べることが重要です。
陣内さん
痛風を放置すると最悪の場合どうなりますか?
小倉先生
関節に炎症を起こし関節がうまく動かなくなってしまう場合があります。また、腎機能が低下し透析となる可能性もあるので注意が必要ですね。
陣内さん
まずは受診が大切ですね。痛風は完治する可能性もあるのでしょうか?
小倉先生
はい。尿酸値が6.0mg/dlを下回っている人は極めて発症確率が低くなるので、6.0mg/dl以下をキープすることが重要です。
陣内さん
遺伝で尿酸値が高い人も正常値まで下げることは可能ですか?
小倉先生
薬を使用すれば可能です。尿酸値をコントロールすることで発症せず過ごせる人も実際にいらっしゃいますね。
陣内さん
少し安心しました。
小倉先生
痛風を起こして後悔していることや、今後の対策で考えていることがあれば教えてください。
陣内さん
発症を抑えるタイミングもあったと思うのですが、痛風は私には縁のないものだと誤解して予防できなかったことには後悔を感じますね。遺伝の要素もあるので、水分には気をつけながら、これからしっかり付き合っていこうと思っています。