小倉先生
痛風を発症したときのことを詳しく教えてください。
陣内さん
2016年のある夜、急に足に激痛が走って立てなくなりました。
小倉先生
足はどのような状態でしたか?
陣内さん
右足の付け根が紫色になって、パンパンに腫れていました。
小倉先生
どのくらい痛かったですか?
陣内さん
小さいワニに噛まれている感じでした。
小倉先生
痛いですよね。症状はどれくらい続きましたか?
陣内さん
1〜2週間くらい続きましたね。
小倉先生
すぐに受診はされましたか?
陣内さん
当時は仕事も休めなかったので病院には行っていません。痛み止めで痛みをおさえながら仕事をしていたと思います。
小倉先生
痛風を発症する心当たりなどはありましたか?
陣内さん
尿酸値の上がるようなビールや魚卵、エビなどが好きではなかったので心当たりがありませんでした。ただ、父親の尿酸値が高かったようで遺伝の可能性はあると思っています。
小倉先生
可能性はありますね。発症当時の尿酸値はどのぐらいでしたか?
陣内さん
当時は9.0mg/dl以上でした。
小倉先生
尿酸値が7.0mg/dl以上となると痛風のリスクは上がります。発症したときの心境はいかがでしたか?
陣内さん
痛風を経験したほかの芸人はビールや魚卵、エビが好きな人も多かったので、ショックというか「なんで俺なんやろう?」とは感じましたね。
小倉先生
最初はそういう心境だったのですね。
陣内さん
私も当時は痛風の人を見て笑っていたので自分も痛風だということは言いづらいのですが、めちゃくちゃ痛いことは経験がない人にも分かってもらいたいですね。最も症状が起きやすい部位はどこですか?
小倉先生
最も症状が起きやすい場所は右足の親指の付け根です。
陣内さん
肘に発作の予兆を感じたこともあるのですが、肘にも痛風はありますか?
小倉先生
最初に出る症状は足に多いと思いますが、足の付け根以外にも膝や手首、肘にも生じることがあります。
陣内さん
痛風の発症率はどれくらいですか?
小倉先生
発症率は1%程度で、そこまで多くはありません。
陣内さん
男性に多いですか?
小倉先生
はい。女性ホルモンには尿酸値を抑える作用があり、男性のほうが高くなりやすいと考えられています。
陣内さん
年齢についてはいかがですか?
小倉先生
30代から多くなり、最も多いのが60歳以上です。高齢になり腎臓の働きが少し落ちてきているときに発症しやすいと考えられています。
陣内さん
私も腎機能の数値がよくないみたいです。腎臓の機能と痛風の関係はあるのですか?
小倉先生
腎臓は体の老廃物を尿として排出する場所です。腎機能が低下することで尿酸を含めた老廃物が排出できず、痛風を引き起こしやすくなると考えられています。
陣内さん
腎臓と関係しているのですね。私はもともとお酒が体に合わず全く飲めなかったタイプなのですが、20代後半くらいから毎日飲むようになりました。1回目の発作も水を飲まずに毎日晩酒していたことが原因だと思っています。
小倉先生
そうかもしれません。尿酸値がふだんは高くなかったとしても、運動やお酒を飲んだ後に脱水状態となり尿酸値が急激に上昇することもあります。
陣内さん
筋トレも当時していたのですが運動についてはいかがですか?
小倉先生
運動の直後に尿酸値が急激に上がることもあるので注意が必要です。
陣内さん
私の場合は、悪い状況が重なり発症したということでしょうか?
小倉先生
そう思います。ほかにも陣内さんの場合は仕事の忙しさもあってストレスや過労などの影響もあったかもしれません。1回目の発症後の経過はいかがでしたか?
陣内さん
1回目の発症から数ヵ月後にまた発作がありました。痛みは初回に比べると軽かったのですが、それも尿酸値が高かったからでしょうか?
小倉先生
そうですね。お父様も尿酸値が高かったということなので、遺伝的に尿酸を排出する力が弱い可能性もあります。
陣内さん
痛風とは付き合っていかないといけないということですね。
小倉先生
そうですね。今までに発作が起きた回数はどれくらいですか?
陣内さん
過去に発症したのは3回です。
小倉先生
予兆も含めて発作の頻度はどのぐらいですか?
陣内さん
2年に1回です。発作が起きるとその2〜3週間後にまた発作が起きるのですが、発作を短い期間で繰り返すことはありますか?
小倉先生
はい。痛風発作の後、体内は発作が起きやすい状態になり、尿酸値が下がったとしてもその後の数ヵ月間は発作が起こりやすいと考えられています。
陣内さん
なるほど。痛みがおさまったとしても、油断してはいけませんね。