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 公開日:2026/03/31

クイズ王・伊沢拓司がICL治療で手に入れた「新しい当たり前」|眼科医と語る「見ること」の本質 クイズ王・伊沢拓司がICL治療で手に入れた「新しい当たり前」|眼科医と語る「見ること」の本質

クイズプレーヤーとして多方面で活躍する伊沢 拓司さん。膨大な知識を操る伊沢さんにとって、知ることは活動の根幹です。そして、その「知る」という行為は、「見ること」と密接に結びついています。
かつては強度近視に悩み、小学2年生からメガネ、大学からはコンタクトレンズが手放せない生活を送っていた伊沢さん。そんな彼が、視力矯正手術であるICL治療(眼内コンタクトレンズ)を受けるに至ったのは、テレビのクイズ番組がきっかけでした。
今回は、ICL治療のスペシャリストであるアイクリニック東京グループ総院長 北澤 世志博先生をお招きし、人間の「見ること」の本質から、伊沢さんがICL治療を決断した理由、そしてICL治療を経て得られた新たな日常について、深く語り合っていただきました。
視力に悩みを抱える方、ICL治療を検討している方にとって必見の対談です。

伊沢 拓司さん
インタビュー伊沢 拓司(クイズプレーヤー)
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1994年5月16日生まれ、埼玉県出身。
知的エンタメ集団・QuizKnockの発起人。クイズプレーヤー。
開成中学校・高等学校、東京大学経済学部卒業。
中学1年生よりクイズ研究部に所属し、高校時代には「全国高等学校クイズ選手権」で史上初の個人2連覇を達成。林修は予備校時代の恩師にあたり、現在は多数の番組で共演。
2016年、「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、Webメディア「QuizKnock」を立ち上げ、編集長を務める。YouTubeチャンネルは登録者数250万人超。
2019年には株式会社QuizKnockを設立し、CEOに就任。メディア運営、メディア出演、講演会、原稿執筆などマルチに活動中。
北澤 世志博先生
監修医師: 北澤 世志博(アイクリニック東京グループ 総院長)
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福井大学医学部医学科卒業後、東京医科歯科大学医学部眼科に入局。
その後、医療法人ひかり会パーク病院眼科部長や東京医科大学医学部眼科客員講師を歴任後、2019年にサピアタワーアイクリニック東京の執刀責任者に就任。
これまで5万件以上のレーシックなどのレーザー屈折矯正手術、8千件以上のICLなどの有水晶体眼内レンズ挿入術をおこなう。
日本眼科手術学会の理事を務め、日本眼科学会認定専門医、ICLエキスパートインストラクターなどの資格を有する。

「見る」と「観る」、二つの漢字に込められた意味

「見る」と「観る」、二つの漢字に込められた意味

北澤先生北澤 世志博先生

本日はよろしくお願いします。対談ということで、最初に私からクイズを出させていただきます。
今日のテーマは「見る」ことなので、「みる」という漢字をいくつか書いていただきたいと思います。まずは一番簡単な、誰もが書く「みる」はどんな字でしょうか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

これはもう小学1年生で習う字ですからね。こちらの「見る」です。

北澤先生北澤 世志博先生

そうですね。もう一つ、こちらの「観る」という字もあると思います。

伊沢 拓司さん伊沢さん

観戦や観劇などに使う「観る」という字ですね。

北澤先生北澤 世志博先生

伊沢さん、この「見る」と「観る」の違いは、どういうところにあると思われますか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

どう表現するのがいいんでしょうね。
こちらの「見る」は物理的に見えている感じがして、「観る」の方は主体的に自分から関わりにいって「みる」というか。何かが行われている様子を「ウォッチするぞ」という感じで、みようとしている感じがします。

北澤先生北澤 世志博先生

はい。「見る」は、自分から積極的に見るのではなく、いわゆる受動的に「見える」というニュアンスが含まれています。
一方で、「観る」は伊沢さんがおっしゃったように、自分からみる、主体的に積極的にみる。そこが一番大きな違いなんです。

伊沢 拓司さん伊沢さん

確かに。「見える」という時は「見る」を使いますけど、「観る」の方の字を使って「観える」とは言わないですね。

高校生の2人に1人が近視。視力矯正の悩みと変遷

高校生の2人に1人が近視。視力矯正の悩みと変遷

伊沢 拓司さん伊沢さん

「見ること」によって人生や生活そのものが変化するということを、先生も感じられることはありますか?

北澤先生北澤 世志博先生

そうですね。「見る」というのは、生まれた時から成人、中年、そして老年と、すべての年代において関わってくることで、できれば裸眼で見たいという方はすごく多いです。
今、日本では近視の人口が増加しています。高校生の2人に1人は近視といわれていて、昔よりも近視人口が増えています。
近視の方の選択肢として、まずは矯正器具があります。

伊沢 拓司さん伊沢さん

僕も小学2年生からメガネでした。当時から電車通学だったんですけど、本を読んでいて。「あれ、黒板が見えづらい」となってからメガネをかけるまでは早かったですね。

北澤先生北澤 世志博先生

近視の人は見る距離が近いですからね。特に近視が強い人ほど、携帯もパソコンも顔に寄せて見る癖がつきます。伊沢さんは、メガネからコンタクトレンズ(以下、コンタクト)に変えたのはいつ頃ですか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

大学1年生の4月です。クラスメイトの女の子に「外した方がかっこいいね」って言われた日にコンタクトにしました。

北澤先生北澤 世志博先生

やはり見た目は気になりますよね。近視の方はどうしてもレンズが厚くて、見た目を気にする方が多いですよね。

伊沢 拓司さん伊沢さん

高校生の頃にクイズ番組に出たんですけど、テレビ越しに見た自分の目が、思っていたより小さいなと思って。“自分から見た世界”と“世界から見た自分”の境目にあるのがメガネだったなという感覚はありますね。

北澤先生北澤 世志博先生

メガネはかけるとすぐに見えるのがベネフィットですが、特に近視が強い人はレンズが厚いので、実際よりも目が小さく見えてしまいますね。
それがないのがコンタクトですが、コンタクトは毎日の手入れがどうしても必要です。

伊沢 拓司さん伊沢さん

そうなんです。ズボラなのでだいぶ苦労して、コンタクトを付けたまま寝た日もありました。

クイズ番組がきっかけで見つめ直した「見ること」の重要性

伊沢 拓司さん伊沢さん

僕がICL治療を受けようと思ったきっかけが、クイズ番組の収録中だったんですよ。
結構な辛さのドライアイで、収録のときにコンタクトをしているときは、問題と問題の合間にこそこそ目薬をさすこともしていました。そうすると、テレビを見ている人から「伊沢さんが泣いてる」とか言われることもあって。目薬さしたばっかりなんだよな、みたいな(笑)。

北澤先生北澤 世志博先生

スタジオは結構乾燥しますよね。照明も強いですし。

伊沢 拓司さん伊沢さん

そうなんです。そのなかで、最近のクイズ番組ってもう全部「見る」クイズだなと思ったんですよね。

北澤先生北澤 世志博先生

耳よりは目、ということですか。

伊沢 拓司さん伊沢さん

そうなんです。僕が趣味でやっているようなクイズは音声が多いんですけど、ここ40年のテレビのクイズって、かなり目で「見る」クイズになってきています。映像技術が発展するほどに、テレビのクイズは映像を使ったものメインになっているんです。
「見る」クイズが増えたことで、人間の「知る」とか「考える」ことは「見る」ことと不可分(分けることができない)なんだなと思いました。

北澤先生北澤 世志博先生

人間は情報の80%を目から得ているといわれていますからね。視覚情報というのはすごく重要です。

伊沢 拓司さん伊沢さん

テレビ業界でも「画変わり(画面に変化)がないからダメだ」とか言われますし、面白さを感じてもらうためには、ある程度の動きがないとダメなんだなと。そう思った時に、じゃあ僕が今後テレビでクイズをやっていくなら、「見る」ことも能力のうちになるよな、というのがICL治療に踏み出すきっかけだったんです。
「知る」ことに関して「見る」ことが欠かせないと感じ、知り方そのものの改善につながったような気がしていますね。

周囲の勧めと災害への備え。ICL治療への最後のひと押し

周囲の勧めと災害への備え。ICL治療への最後のひと押し

北澤先生北澤 世志博先生

伊沢さんはICL治療を受けられましたが、ICL治療についてどのように知りましたか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

最初はクイズの仲間が受けていたんです。今から5年ほど前で、まだ今よりは少しマイナーだった時期にその人がICL治療の体験記を書いていて、「こういうものがあるんだ」と。
その時は自分が受けようとは思っていなかったんですけど、そこから続々と周りがICL治療を受けるようになって。
ついには番組の共演者さんに「おすすめだよ、なんならクリニックを紹介するから」と言われて、「ちょっと待ってください、考えてみます」と。

北澤先生北澤 世志博先生

目の治療ですからね。

伊沢 拓司さん伊沢さん

はい、やっぱりちょっと怖いじゃないですか。そうしたら、別の先輩から「災害の時にメガネを探して逃げられない可能性や、家族のことも考えて治療を受けることを決めた」という話を聞いたんです。
それを聞いた時に、確かにやっておくだけで命に関わったり、周りの人を助けられたりするかもしれないなと思いました。
それで、クイズ番組のこと、災害時のこと、そして先輩のおすすめを放置し続けていること、この3つの理由から受けることに決めました。

北澤先生北澤 世志博先生

それまではICL治療についてまったく知りませんでしたか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

知らなかったですね、クイズの情報としてくらいしか知りませんでした。

北澤先生北澤 世志博先生

ICL治療はこの数年で、皆さんにとって馴染みのあるものになりました。私がICL治療を始めて20年弱になりますが、日本でもそれくらい前から行われていたものなんです。

伊沢 拓司さん伊沢さん

歴史がある治療法なんですね。

強度近視でも可能なICL治療。レーシックとの違い

北澤先生北澤 世志博先生

ICL治療は2004年に臨床試験が行われ、2010年には厚生労働省の承認も取れていました。
ただ当時は、レーザーで角膜を削って視力を矯正するレーシックがポピュラーで、ICL治療はあまり馴染みがありませんでした。でも、伊沢さんと同じように周りの方が受けるようになって、どんどん浸透してきたという状況です。
ちなみに、レーシックは検討されなかったんですか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

視力は相当悪かったので、高校生ぐらいからメガネ以外の手段を検討していました。ただ、レーシックは術後にうまくいかないケースを知っていたので、あまり考えなかったですね。僕はかなり近視が強くて、-8.0D(※)くらいだったというのも理由の一つです。

※D:ディオプター(屈折度数)を表す指標で、0から数字が離れるほど近視が強い

北澤先生北澤 世志博先生

そうですね。伊沢さんのような強度近視の方ですと、角膜に厚みがあればレーシックの治療をできなくはないですが、やはりたくさん削ることには無理があります。ですから、強度近視で悩む多くの方がICL治療を選択肢として検討されています。

術後の「ハロー・グレア」と脳の順応

術後の「ハロー・グレア」と脳の順応

北澤先生北澤 世志博先生

ICL治療もリスクはゼロではありません。例えば、夜間に光がにじんで見える「ハロー・グレア」という現象が出ることがあります。伊沢さんはいかがでしたか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

スタジオには照明がいっぱいあるので、最初の頃は「お、輪っかがいっぱいあるな」と思っていたんですが、いつからかなくなりました。手術の時に「最初は感じることがありますが、頭が慣れるのでいつかなくなります」と説明を受けていたんです。
最初の2ヶ月ぐらいは症状があるなと思っていたんですけど、そこからの記憶がなくて、気づいたらなくなっていました。
人間って、あるものには気づくけど、あったものがなくなると意外と気づかないんだなと。

北澤先生北澤 世志博先生

我々は“ニューロアダプテーション”と呼びます。いわゆる脳の順応ですね。最初は新しい現象が出てくると気になるんですけど、脳が順応していくとほとんどの方が気にならなくなります。
もしかすると、よく探すとあるのかもしれません。

伊沢 拓司さん伊沢さん

お話をしながら上の照明とか見てみましたが、ないですね。自分のなかではもう感じなくなっちゃったんだな、と。

「感動しなかった」治療直後。じわじわ訪れた「当たり前が変わる」喜び

北澤先生北澤 世志博先生

ICL治療を受けられる前と受けた後で、どのような変化がありましたか?

伊沢 拓司さん伊沢さん

語弊があるかもしれませんが、感動しなかったんですよ。

北澤先生北澤 世志博先生

感動しない?

伊沢 拓司さん伊沢さん

はい。結構気合入れて、怖いなと思いながら手術に行ったんです。手術は10〜15分で終わって、目薬のぼやけが取れた時に「あれ?なんか普通だな」と思いました。
翌朝起きた時に「あ、コンタクト付けなくていいんだ」という喜びはありましたが、「よっしゃ、行くぞ!」と思って手術を受けたにしては感動がないな、と最初は思っていました。
でも、1週間、1ヶ月と経った時に、コンタクトの付け外しという作業がなくなっていて、当たり前に見えるしドライアイもなくなったと気づいたんです。その時に、「そっか、当たり前が変わるってこういうことなんだ」と思いました。
人間の臓器って、正常な時は何も気づかないじゃないですか。悪くなって初めて健康のよさを感じる。僕はコンタクトを付けるのが当たり前だったので、悪い状態が当たり前になっていたんです。それが、よい生活が当たり前になった時に、劇的な感動ではなくて、じわじわとそのありがたみに気づきました。

北澤先生北澤 世志博先生

伊沢さんの感じ方はちょっと独特ですね。
一般的には、手術を受けた翌朝にメガネやコンタクトをしなくてもよいということに感動します。その感動が少しずつ薄れていくんですが(笑)。

伊沢 拓司さん伊沢さん

僕は「今までなんて不便だったんだろう」とじわじわ感じて、いま喜びのなかにいます。

これからICL治療を受ける方へ。納得できる選択をするために

これからICL治療を受ける方へ。納得できる選択をするために

北澤先生北澤 世志博先生

伊沢さんがICL治療を受けられてから1年くらい経ちますが、受けてよかったと思うことや、これから治療を受けようと悩んでいる方にアドバイスがあればお願いします。

伊沢 拓司さん伊沢さん

見えることのありがたみに、気づいていなかったんだと思います。コンタクトを付ける時間が生活に織り込み済みになっていたけれど、それがなくなったことによって、いろんなことから解放されました。
今、検討されている方は自分の生活を一度俯瞰で見てみると、「あ、この時間が減るな」と考えられるかもしれません。もちろん長期的なリスクなど、まだわからないところもあるとは思うので、そういったことに関しては自分のなかでちゃんと納得して受けたらいいと思います。
僕はいっぱい調べて受けたので、予習した内容に実感が伴った時に「これが新しい幸せなんだな」という気づきがありました。

北澤先生北澤 世志博先生

手術ですから、皆さんが不安に思うのは当然です。
まずICL治療のベネフィットとしては、伊沢さんのような強度近視の方や、乱視が強い方も受けられる点です。また、近視が進まなければ視力が落ちることは基本的にないので、視力の安定性やドライアイが少ないこと、ハロー・グレアが少ないことも挙げられますね。
ただ、やはり手術ですから、充血や炎症の可能性はありますし、感染予防の目薬が必要です。伊沢さんも最初の1〜2ヶ月くらいは目薬が大変だったのではないでしょうか。

伊沢 拓司さん伊沢さん

1日何回も目薬をさすのはありましたが、その1週間の間にじわじわ感動していたので、目薬をさすことで「俺は手術を受けたんだ」みたいな感覚を味わっていました。

北澤先生北澤 世志博先生

それが大事なんです。術後は抗生物質や炎症を抑える目薬などのケアが大切ですが、ケアをすることで手術をしたんだという自覚を持っていただくことは重要です。
ICL治療は世界ですでに30年近い歴史があり、日本でもこの15年で約15万人が受けている治療です。今後ますます普及していくと思います。

伊沢 拓司さん伊沢さん

僕はICL治療についてよい意見も悪い意見もいっぱい調べて検討して、今の視力を手に入れたからこそ、満足感がすごくあるんですよね。選択肢がたくさんあるこの時代に生まれてよかったなと思いますし、納得して今があるということに意味があったんだなと、先生のお話を聞いて改めて感じました。

北澤先生北澤 世志博先生

ICL治療は満足度の高い治療ですが、不安もあると思います。ICL治療の情報はすごく多く、眼科医も学会などで勉強していますので、検討されている方は何でも眼科医に質問していただければと思います。

伊沢 拓司さん伊沢さん

僕は、たくさん調べてたくさん学んで新しい価値観を得られたなと感じているので、ぜひ皆さんもまずはたくさん調べてみる、自分の納得のいくまで考えてみる、というところからかなと思います。
本日は、貴重なお話をありがとうございました。

編集部より

漢字の意味の違いから始まった今回の対談は、視力矯正という枠を超え、人間にとって「見る」ことがどれほど本質的な行為なのかを問いかける内容となりました。 伊沢さんが感じたように、ICL治療は劇的な感動をもたらすというよりも、日常のなかに溶け込み、これまで不便だったことを静かに手放していく体験なのかもしれません。
強度近視に悩みながらも、慎重に情報を集め、自ら納得したうえで選択をした伊沢さん。その姿勢は、視力矯正を検討するすべての方にとって一つのヒントになるでしょう。 「見える」のが当たり前になることで、世界の見え方も、自分自身の在り方も少し変わる。ICL治療は、その“新しい当たり前”を手に入れる選択肢の一つといえるのではないでしょうか。

衣装:JIGGYS SHOP

この記事の監修医師