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chapter03 井上康生の成功体験を伝授!「練習は1ミリも楽しくないがその先に…」 chapter03 井上康生の成功体験を伝授!「練習は1ミリも楽しくないがその先に…」

福田さん福田秀人さん

今回は心・技・体の「技」についてお話を聞かせてください。井上さんといえば、シドニーオリンピック決勝での勝利を収めた「内股」が得意技だと思います。内股を習得したきっかけについて教えてください。

井上康生さん井上さん

内股との出会いは父がきっかけです。柔道家だった父の影響で私も5歳から柔道を始めました。その時に父の得意技である内股を伝授されたことがきっかけです。

福田さん福田秀人さん

お父様の影響があったのですね。選手としての成長とともに技に変化はありましたか?

井上康生さん井上さん

経験や工夫を重ねて世界で通用する内股に変化していきましたが、土台は変わらなかったと思います。指導者の立場として子どもたちに内股を指導することもありますが、足や手の長さと体型にも個人差があり、それぞれの個性が出て面白いと感じますね。

福田さん福田秀人さん

それぞれの個性に合わせた技術の習得が大切なのかもしれませんね。

井上康生さん井上さん

はい。土台をしっかりと身につけた上で、自分のオリジナルを作っていくことが重要だと思います。

福田さん福田秀人さん

土台を作るためにも基本練習が大切ですね。

井上康生さん井上さん

打ち込みや投げ込みといった基本的な練習の重要性は実感しますね。

福田さん福田秀人さん

基本的な練習以外に大切なことはありますか?

井上康生さん井上さん

技を習得した際の喜びや楽しさを感じることです。指導する立場としては、選手が成長する楽しさを実感できるようにするために、何ができるかを考えていくことが大事なポイントだと思います。

福田さん福田秀人さん

実際の練習は楽しかったですか?

井上康生さん井上さん

練習を楽しいと思ったことは1ミリもありませんが、自分が強くなっていく過程や技術を習得した瞬間の喜びは大きかったですね。誤解しないでほしいのは、練習やトレーニングが楽しいわけではなくて、つらい練習を乗り越えた先に喜びや楽しさが待っていることです。それはスポーツだけではなく、さまざまな分野でも言えることだと思います。

福田さん福田秀人さん

私たちのような治療家にも言えることですが、途中で諦めてしまう人には、技術の習得で得られる成功を体験する前に諦めている人が多いと感じます。指導する立場としては、成功体験を交えながら楽しく技術の習得ができる環境を作っていくことも大切ですね。

井上康生さん井上さん

その通りだと思います。笑顔道のサポートで生まれる選手の変化や効果についても教えてください。

福田さん福田秀人さん

選手の技術の習得には「スキル」「パフォーマンス」「ムーブメント」の3つの視点が重要だと考えています。この中で笑顔道がアプローチできるものは「パフォーマンス」と「ムーブメント」です。

井上康生さん井上さん

なるほど。「パフォーマンス」について詳しく聞かせてください。

福田さん福田秀人さん

パフォーマンスとは、その人がもともと持っているパワーや瞬発力、持久力といった身体能力のことです。

井上康生さん井上さん

「ムーブメント」についても教えてください。

福田さん福田秀人さん

地面を強く蹴る、高くジャンプするといった動作の獲得にはパワーや瞬発力、持久力を動作に連動させる必要があります。その連動に対するアプローチがムーブメントです。

井上康生さん井上さん

「スキル」については、いかがですか。

福田さん福田秀人さん

スキルとは、例えば柔道では投げ方、球技ではボールの打ち方といった競技特有の動作のことです。私たちは、選手の状態やケガをしない体の動かし方などをコーチや指導者と情報交換していますが、スキルに関しては競技の経験者やコーチに任せたほうがいいと感じています。

井上康生さん井上さん

スキルについては、経験者でないと分からないこともありますからね。人それぞれ体の特徴も異なるので、それを知った上で動作に結びつけていくことが大切だと思います。

井上康生「シドニー五輪も心技体は万全でなかった」今できる最大限能力の発揮方法 井上康生「シドニー五輪も心技体は万全でなかった」今できる最大限能力の発揮方法

この記事の監修柔道整復師