目次 -INDEX-

chapter02 彦摩呂、切開手術の裏側を明かす。放置で悪化する「粉瘤」の恐怖とは chapter02 彦摩呂、切開手術の裏側を明かす。放置で悪化する「粉瘤」の恐怖とは

上田先生上田有希子先生

彦摩呂さんが実際に受けた治療について、うかがってもよろしいですか?

彦摩呂さん彦摩呂さん

私はメスで切開して手術しました。その後食レポの仕事があったのですが、大きな絆創膏を貼っていてさすがに無視できなかったので、ミニマロ(粉瘤)ができて切除したことをYouTubeで公表しました。粉瘤は再発する可能性がありますか?

上田先生上田有希子先生

あります。

彦摩呂さん彦摩呂さん

再発を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?

上田先生上田有希子先生

粉瘤は皮下にできる袋状の構造物なので、その袋をきれいに取り除くことが再発を防ぐうえで大切なポイントになります。

彦摩呂さん彦摩呂さん

代表的な治療方法について教えてください。

上田先生上田有希子先生

治療方法は大きく分けて2つあります。一つは切開法で古くからおこなわれている方法です。しこりの上を切開し袋ごと取り出すため、再発のリスクが低い一方で、傷痕が数㎝と大きくなりやすいことがデメリットになります。もう一つはくり抜き法で、粉瘤の表面を小さく切開して老廃物を出し、袋を剥がし取る方法です。傷痕が小さいメリットはありますが、大きな粉瘤や炎症を繰り返した場合は袋の壁が取り切れず、再発の可能性もあります。

彦摩呂さん彦摩呂さん

大きく2種類の手術方法があるのですね。手術の費用と治療期間はどれくらいですか?

上田先生上田有希子先生

手術は一般的に保険診療でおこなわれ、粉瘤の大きさと場所によって手術点数が変わりますが、病理検査や処方料などとあわせても自己負担3割で約1〜2万円ほどです。

彦摩呂さん彦摩呂さん

完治まではどれくらいの期間がかかりますか?

上田先生上田有希子先生

手術は日帰りでおこなわれることがほとんどですが、その後に傷痕のフォローや抜糸のために概ね1~2週間ほどかかります。

彦摩呂さん彦摩呂さん

傷痕が残る人と残らない人は、粉瘤の大きさによって変わるのでしょうか?

上田先生上田有希子先生

そうですね。小さければ傷痕も目立ちにくいと思いますが、大きいものを取った場合には目立つ可能性があります。彦摩呂さんは傷痕が目立たなくなるまでどれくらいかかりましたか?

彦摩呂さん彦摩呂さん

術後1〜2週間でスッキリした感じになっていたと思います。

上田先生上田有希子先生

仕事への支障はありましたか?

彦摩呂さん彦摩呂さん

最初だけ目立ちましたが、それ以降は全然目立たず支障はありませんでした。傷痕がなくなるまでは、どれくらいかかるものなのでしょうか?

上田先生上田有希子先生

顔周りは血流も良く傷痕が治りやすい一方、背中や脇などは絆創膏の交換が難しいことや汗・摩擦の影響を受けやすいことで、治るまでに時間がかかることがあります。傷痕をきれいに治すためには塗り薬などを使って傷を乾燥させないこともポイントですね。

彦摩呂さん彦摩呂さん

自分の手が届き、見えるところにできればいいのですが、背中などは大変ですね。

上田先生上田有希子先生

手が届かない場所の場合、傷痕の処置で通院回数が増える場合もあります。

彦摩呂さん彦摩呂さん

粉瘤は早期治療が大切なのでしょうか?

上田先生上田有希子先生

そうですね。粉瘤は自然に治ることが通常はないので、時間とともに大きくなります。感染や炎症を繰り返すと腫れや色素沈着、皮膚の硬化を引き起こし、手術で完全に取り除くことが難しくなる場合があります。稀に粉瘤から皮膚がんを発症することも報告されているため、病理検査で良性か悪性かを診断し、早めに治療することが推奨されています。

彦摩呂さん彦摩呂さん

しっかりと受診することが大切ですね。粉瘤のセルフチェック方法について教えてください。

上田先生上田有希子先生

皮膚は触れたり目で見たりして確認しやすい部位なので、入浴の際に確認することが重要だと思います。

彦摩呂さん彦摩呂さん

痛みがない場合は、気づきにくいですし、受診もしなさそうですよね。

上田先生上田有希子先生

はい。ただ皮膚にふくらみがあるだけで痛みがないと受診の必要性を感じにくいと思いますが、粉瘤は小さく痛みがない段階で手術することに多くのメリットがあります。何か異変を感じたらできるだけ早く受診していただきたいですね。

彦摩呂さん彦摩呂さん

早めの受診が大切ですね。

編集部より

粉瘤は痛みがないことも多く、つい放置してしまいがちですが、自然に治ることはほとんどありません。放置すると炎症のリスクが高まるだけでなく、稀にがんに進行する場合もあります。また、ニキビや脂肪腫など似た症状の疾患も多く、自己判断せずに正確な診断を受けることが重要です。彦摩呂さんのように少しでも異変を感じたら、例え忙しくても早めに専門医のもとを受診することの大切さを知っていただけたと思います。この記事が読者の皆さんにとって自分の体を見つめ直すきっかけになれば幸いです。


YouTube「彦飯-HIKOMESHI-」配信中。
https://www.youtube.com/@hikomaro_ch

この記事の監修医師