歯周病治療でとても重要な「歯科衛生士」さんの役割とは?歯科助手との違いは? 2020/01/28

こんにちは。稲毛デンタルクリニック勤務で日本歯周病学会認定医の飯島佑斗と申します。歯科医院へ受診すると歯科医師の他に必ず女性のスタッフさんがいらっしゃると思います。実はスタッフの中でも歯科衛生士、歯科助手といくつか役職に違いがあります。その中でも歯科衛生士という役職には国家資格が必要となります。今回は歯科衛生士という役職がどのようなものなのかお話させていただければと思います。

飯島 佑斗

執筆歯科医師
飯島 佑斗(日本歯周病学会認定医)
プロフィールをもっと見る
東京歯科大学卒業。日本歯周病学会認定医。慶応義塾大学病院歯科口腔外科所属。日本口腔インプラント学会会員。

 歯科衛生士と歯科助手って何が違うの?

歯科衛生士とは厚生労働省によって指定されている施設にて教育を受けた上で卒業し国家試験に合格し初めて得ることができる資格です。どちらも歯科医療を行なっていく上で重要な仕事ですが行える仕事の範囲が違います。基本的に歯科助手は歯科医療行為ができないことになっていますので、お口の中を触ってはいけません。お口の中をクリーニングしている方は歯科衛生士さんだけということになります。

 歯科衛生士は何をするの?

歯科衛生士の定められている3大業務としては①歯科診療補助、②歯科予防処置、③歯科保険指導、となっています。

 1 歯科診療補助

歯科医師の治療の補助をする事になります。歯科医師の隣でお口の中の唾を吸ったりするようなことですね。またその他にも治療で使う器具を消毒、滅菌、準備などをすることになります。

 2 歯科予防処置

お口の中の病気を予防することになります。つまり虫歯や歯周病を予防するために原因となるお口の中の汚れや細菌をクリーニングなどで取り除いたりすることです。

 3 歯科保険指導

お口の中の汚れをご自身のブラッシングでしっかり取り除けるようにブラッシングの専門的な指導をさせていただいたりすることです。

 歯周病治療をしていく上での歯科衛生士の役割

上記で説明させていただいたのが歯科衛生士さんの主な仕事ですが歯周病の治療をする上では具体的にどのようなことを行うのでしょうか?

 1 歯周病の検査

歯周病における検査には歯周ポケットの測定、レントゲン、お口の中の写真撮影、お口の型取りなどがあります。レントゲンの検査に関しては歯科医師が行うことになっていますのでそれ以外の検査に関しては歯科衛生士が行うことができます。この検査結果をもとに歯科医師と歯科衛生士でディスカッションを行い治療の計画を立てていきます。 

 2 ブラッシングの指導

歯周病治療を行う上でベースとなるのはご自身での日々のブラッシングになります。これが疎かになってしまうと以降の治療がいかに上手くいっても全て台無しです。そのため歯科衛生士さんはこのブラッシング指導を徹底的に行い、患者さんにブラッシングの技術を改善してもらい初めて次のステップに移行します。

 3 歯肉より上の歯垢や歯石の除去

歯肉より上に残ってしまった汚れである歯垢や歯石をきれいに取り除きます。これを行うことである程度の歯肉の炎症が取り除かれ歯肉からの出血や腫れ、痛みが改善されます。そうなることで奥深くに潜んでいる歯石がしっかりと確認できるようになるため次のステップに移行することができます。

 4 歯肉より下の歯石の除去

歯肉より上の汚れが取れたら次に歯肉より下の歯石を除去していきます。歯周ポケットの中の歯石は歯肉が覆いかぶさっているため全てを確認できるわけではありません。そのためとても技術のいる治療となり、この治療を行う歯科衛生士の技量が問われます。上手な歯科衛生士さんでなら中等度の歯周病であればこの処置でほとんどの場合が改善しますが重度以上の歯周病の場合はこの治療のみでは改善しないことが多く次の段階の歯周外科手術という治療を行う場合もあります。

 5 定期検診におけるクリーニングやモチベーションの維持

歯周病に一度なってしまうと元々の重症度によっては完全に治ることはありません。そのため一通りの歯周病治療の終了後は常に歯周病の再発との戦いとなります。歯周病の状態が改善してきたら3ヶ月に1回程度のメインテナンス(定期検診)をおこなっていく必要があります。治療中は患者さんも治療に対する意欲がありますが定期検診になると段々と日々のブラッシングなどに対するモチベーションが下がっていくことがあります。衛生士はそんなモチベーションを常に維持していただくために努力しています。

 まとめ

今回は歯周病の治療をしていく上での歯科衛生士さんの役割についてお話させていただきました。歯周病の治療をしていく中での歯科衛生士さんの役割がとても重要であるということがご理解いただけたかと思います。歯科医師は歯科衛生士さんと協力し歯周病の治療をおこなっていきます。その中で歯科医師が治療を行うのは虫歯の治療、根管治療、咬み合わせの治療、矯正治療、歯周外科治療などです。実はその他のほとんどを歯科衛生士さんがおこなうことが多く、特に歯周病治療においては歯科衛生士さんは無くてはなりません。特に一番重要とされているメインテナンス(定期検診)という治療の段階において歯科衛生士さんが役割の大半を占めます。今回のお話では歯周病のお話の中でも歯科衛生士さんの役割という部分に限定させてお話いたしました。もしかして自分も歯周病ではと不安になられている場合は歯周病専門医のいる歯科医院へぜひ受診してみて下さい。その際歯科医師に聞きにくいようなことも歯科衛生士であれば聞きやすいかもしれません。ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。