【NEWS】流行のシーズンを迎えた「手足口病」 例年のペースを上回る勢い(医師コメント3件) 更新日:2023/03/27 国立感染研究所は6月18日、「手足口病」の患者数が同月3日からの1週間で8823人に上ったことを発表した。過去15年間の同時期としてはもっとも多い数値で、今後の流行が懸念されている。 発症患者数が顕著な都道府県は、最多の鹿児島県を中心とした九州地方に多く、ほか大阪府や岡山県などが「流行の警報を出す基準」を超えた。「手足口病」は未就学児に多くみられる疾患で、口腔粘膜や手、足などに水疱性の発疹を伴うのが特徴。その原因はウイルスによる感染症で、夏季に流行のピークを迎えるとされている。通常は数日間で治るものの、急性脳炎や肺水腫などの合併症を起こすケースがまれにあり、国内での死亡例も確認されている。 手洗いやうがいといった感染症対策を、より一層心がけたい。 医師のコメント 田嶋 美裕(内科医) 手足口病などの流行性感染症は、保育園や学校などで感染予防をすること、また疑わしい場合には早めに病院を受診して、早期発見に努めることが大切です。 武井 智昭(内科・小児科医) 手足口病は一般的には小児に多く流行します。発熱の期間としては数日以内に改善して、手足の発疹も1週間程度でほぼ改善していく夏季のウイルス感染症であります。その一方で、ウイルス性髄膜炎など重症化する症例も報告があること、また1か月後に爪がはがれるという症例も頻度は低いですがありますので注意が必要です。 山口 征大(総合診療科医) 手足口病に有効なワクチン等が日本にはありません。また、手足口病の原因といわれているエンテロウイルスは、小児~成人まで幅広い世代で感染するうえに、感染していても症状として現れないことがあります。そのため感染していることに気づいていない人から他の人へ感染が拡がってしまうリスクが高いのです。感染を防ぐために有効な手段である「手洗い」をしっかりと行い、予防を徹底することが重要です。 この記事をシェアする