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「舌がん」を発症するとどんな「痛み」がでるの?初期症状や原因についても解説!

 更新日:2024/05/30
「舌がん」を発症するとどんな「痛み」がでるの?初期症状や原因についても解説!

舌がんとはどのような病気なのでしょうか?
本記事では、舌がんの痛みのある症状や進行後の症状、原因や治療法などについて、以下の点を中心に紹介します。

  • ・舌がんで痛みが出る症状
  • ・舌がんの原因
  • ・舌がんの治療法

舌がんの痛みについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

熊谷 靖司

監修歯科医師
熊谷 靖司(歯科医師)

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熊谷歯科医院 院長

舌がんとは

舌がんは、口腔癌の一種であり、舌の組織に発生する悪性腫瘍です。主に、舌の表面を覆う扁平上皮細胞から発生します。舌の違和感や痛みなどさまざまな症状が現れますが、進行すると味覚障害のほか、食事や会話が困難になる可能性があります。好発部位は、舌の両側部が約9割を占め、残りは舌の表面、舌の裏面、舌の先端に発生する傾向があります。

舌がんの症状

舌がんには、どのような症状があるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

舌がんで痛みが出る症状

初期段階では、舌の特定の部分に痛みが出ることは少なく、病状が進行すると徐々に痛みが出始め、特定の部分が痛み出したり、食べ物がしみたりすることがあります。
腫瘍部分が広がることで耳が痛くなることや、話しづらくなり食べ物を飲み込むのに時間がかかるようになることがあります。

舌がんの初期症状

舌がんの初期症状は、前述した舌の痛みのほかに、舌の表面がザラザラしたり、白い斑点のようなものができたりすることがあります。
舌がんの初期症状は、口内炎と似ているため、口内炎と思っていたら実は舌がんだったというケースが少なくありません。
そのため、口内炎が2週間以上治らない場合や、舌の変化に気づいた場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

舌がんが進行したときの症状

舌がんが進行すると、舌の潰瘍がザクロのような外見を呈し、周辺にしこりができるようになります。これらのしこりは、触ると痛みを感じることがあります。さらに癌が進行すると、舌のしこりから出血や口臭を伴うこともあります。

舌がんの原因

舌がんの原因は、完全には明らかになっていませんが、いくつかの危険因子が関連しているとされています。以下でそれぞれ解説します。

  • ・箇喫煙:タバコに含まれる化学物質が口腔内で慢性的な刺激を与えることで、舌がんのリスクが増加する
  • ・飲酒:アルコールが口腔内の粘膜に直接作用し、慢性的な刺激を与えることで癌化を促進する
  • ・慢性的な物理的刺激:乱れた歯並びやむし歯、サイズの合わない入れ歯などによる物理的な刺激が、舌がんのリスクを高める
  • ・口腔衛生の不良:歯周病など、口の中が不衛生な状態が長期間にわたって続くと、口腔内の炎症や感染が慢性的な刺激となり、癌化を促進する
  • ・粘膜病変の癌化:口の中にできる粘膜病変が、経年により癌化することもあり、潜在的悪性疾患として注意が必要

舌がんの診断・検査

舌がんの診断と検査について、以下で詳しく解説します。
視診・触診:視診では、癌が疑われる部分の大きさや形、粘膜に白い斑点ができるなどの異常の有無を確認します。触診では、口の中に指を入れ、癌があると疑われる部分に直接触れて、癌の大きさや硬さ、広がりなどを調べます。さらに、首を触ってリンパ節の腫れがあるかも確認します。
細胞診・組織診:細胞診は、舌の表面から細胞を採取し、癌細胞の有無や特徴を調べます。また、組織診は細胞診よりも詳細な情報が得られ、癌の種類や進行度をより正確に判断することが可能とされており、癌の診断だけでなく、治療方針の決定にも重要な役割を果たします。
画像検査(CT・MRI・PET):CTは、X線を用いて体内の断面画像を撮影する検査で、癌の大きさや周囲の組織への浸潤の程度、リンパ節への転移の有無などを詳細に調べられます。局所的な広がりを評価するのに特に有効とされています。
MRIは、磁場とラジオ波を用いて体内の断面画像を撮影する検査で、CTよりも詳細な画像を提供し、癌の浸潤の程度や、周囲の組織への影響を評価するのに役立ちます。
PETは、放射性薬剤を用いて体内の代謝活動を画像化する検査で、癌細胞が正常細胞よりも活発に代謝する特性を利用して、癌の存在や転移の有無を調べます。リンパ節や遠隔臓器への転移を評価するのに有効とされています。

舌がんの痛みを緩和する治療法

舌がんの治療法には、どのようなものがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

外科治療(手術)

舌がんの治療において、外科治療は根本的な治療法の一つで、癌のある部位とその周辺を切除することを中心としています。早期癌であれば、切除の範囲が小さく、術後の機能障害も少なくて済みます。
しかし、進行癌になると切除の範囲が大きくなり、欠損部に対して皮弁(腕や大腿や腹部の筋肉)の移植が必要になる場合があります。手術後は、飲み込みや構音などにも影響を及ぼし、日常生活に大きな支障をきたす可能性があり、手術の後は言語聴覚士が介入し、嚥下や発音のリハビリテーションが行われます。

放射線治療

放射線治療は、放射線を用いて癌細胞を破壊する方法で、手術が困難な場合や、手術後の再発予防、または癌の痛み軽減を目的とする場合などに実施されます。
早期の舌がんでリンパ節への転移がない場合、放射線治療だけで回復することが可能とされています。

化学療法

化学療法は、抗癌剤を用いて癌細胞を攻撃し、成長を抑制または破壊する治療法です。
舌がんにおける化学療法は、進行した癌や再発した癌、手術が困難な癌に適用されることがあります。また、進行した口腔癌では、手術後に化学療法と放射線治療を併用した治療(化学放射線治療)を実施することで、再発の危険性を低減させる治療が検討されます。
癌の再発や遠隔転移を認め根治が目指せない場合、癌を縮小させる、あるいは進行を遅らせることによって延命を図る、緩和的化学療法を検討します。

緩和ケア・支持療法

緩和ケアは、身体的、精神的苦痛を軽減し、自分らしく過ごせるように支援を行います。また、支持療法は、がんや治療による症状や副作用、合併症の症状を予防する療法です。患者さんが自身の苦痛を医療チームに伝えることができ、個別のケアを受けることによって、希望を持って前向きに生活するための支えとなる医療の提供を目指しています。

舌がんの予後

舌がんの予後は、癌の進行度に大きく依存します。転移がある場合、生存率は転移がない場合に比べて大幅に低下します。
全癌協加盟施設の生存率共同調査における舌がんの5年生存率は、ステージIで94.5%、ステージIIで78.7%、ステージIIIで58.8%、ステージIVで45.1%とされています。
また舌がんの予後は、癌の早期発見と早期治療にも大きく依存しており、早期に発見された舌がんは、治療の成功率が高く、予後も良好です。さらに、治療後の定期的なフォローアップにより、再発や転移を早期発見でき、適切な治療をすることで生存率は向上します。

「舌がん」についてよくある質問

ここまで舌がんの痛みを紹介しました。ここでは「舌がんの痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

舌がんの初期症状は痛みがありますか?

熊谷 靖司医師熊谷 靖司(医師)

舌がんの初期症状は、多くの場合、痛みを伴わないとされています。初期の舌がんは、舌の側脇の縁の部分に硬いしこりとしてあらわれ、肉眼で確認できることが多く、痛みや出血を伴うことは少ないようです。

舌がんの痛みと口内炎の痛みは違いが分かりますか?

熊谷 靖司医師熊谷 靖司(医師)

舌がんの痛みと口内炎の痛みには、いくつかの違いがあります。舌がんによる痛みは、進行するにつれて強くなる傾向がありますが、口内炎の痛みは急性で、食事や会話時に痛みを感じます。また、口内炎による痛みは、数日から1週間程度で自然に治癒しますが、舌がんによる痛みは持続的であり、時間の経過とともに悪化するといわれています。そして、舌がんは、痛み以外にも硬いしこりや潰瘍、出血、口臭の増加などの症状を伴うことがあります。舌がんは、早期に発見されれば治療の成功率が高くなるため、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ

ここまで、舌がんの痛みについてお伝えしてきました。
舌がんの痛みについて要点をまとめると、以下の通りです。

⚫︎まとめ

  • ・舌がんで痛みが出る症状は、癌の進行に伴って徐々に発生し、部分的に痛みを感じるという特徴がある
  • ・舌がんの原因には、喫煙や飲酒、口腔衛生の不良などがある
  • ・舌がんの治療法には、外科治療、放射線治療、化学療法、緩和ケア・支持療法などがある

「舌がん」と関連する病気

「舌がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科の病気

  • 口唇癌
  • 歯肉癌
  • 頬粘膜癌
  • 硬口蓋癌
  • 口腔底癌

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

「舌がん」と関連する症状

「舌がん」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • しこり
  • 舌の粘膜の変化
  • 舌粘膜のただれや口内炎が2週間以上続く
  • しびれや麻痺
  • 少しの刺激で痛む
  • 舌を動かしにくい

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

この記事の監修歯科医師