「レトルト」「砂糖入りシリアル」など“超加工食品”の多量摂取で心臓病リスクが最大67%増
公開日:2026/05/17

テキサス大学ヒューストン健康科学センターの研究員らは、工業的に多くの加工が加えられている「超加工食品」を多く摂取する人ほど、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスクが高まると、約6800人を長期間追跡した研究から明らかにしたと報告しました。内容は「JACC Advances」に3月17日掲載されました。詳細を井筒先生に伺いました。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
研究グループが発表した内容とは?
編集部
テキサス大学ヒューストン健康科学センターの研究員らが発表した内容を教えてください。
井筒先生
米国の研究により、超加工食品(例:個別包装の菓子、砂糖入りシリアル、そのまままたは温めるだけのレトルト食品、加工肉)を多く摂取する人ほど動脈硬化性心血管疾患(ASCVD:動脈硬化によって起こる病気)のリスクが高まる可能性が示されました。研究では、45~84歳の約6800人を長期間追跡し、食事内容と健康状態の関係を調査しました。その結果、超加工食品を1日に1食分多く摂取するごとに、ASCVDの発症リスクは約5%上昇することが確認されました。
また、超加工食品を最も多く食べていたグループでは、最も少ないグループと比べてリスクが約67%高いことも分かりました。特にアフリカ系アメリカ人では関連性がより強くみられ、人種や生活背景による影響の可能性も示唆されています。
研究グループは、超加工食品の摂取を減らすことが、心血管疾患予防につながる可能性があるとしています。
また、超加工食品を最も多く食べていたグループでは、最も少ないグループと比べてリスクが約67%高いことも分かりました。特にアフリカ系アメリカ人では関連性がより強くみられ、人種や生活背景による影響の可能性も示唆されています。
研究グループは、超加工食品の摂取を減らすことが、心血管疾患予防につながる可能性があるとしています。
研究テーマになった動脈硬化性心血管疾患とは?
編集部
今回の研究テーマに関連する動脈硬化性心血管疾患について教えてください。
井筒先生
動脈硬化性心血管疾患とは、血管の内側にコレステロールなどが蓄積し、血管が狭くなったり詰まることで起こる病気の総称です。代表的なものには、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患、大動脈瘤などがあります。
動脈硬化は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病や、喫煙、肥満などの影響によって進行すると考えられています。症状は胸の痛み、手足の動かしにくさ、しびれ、歩行時の痛みなどさまざまで、重症化すると命に関わることもあります。日頃からバランスのよい食事や運動、禁煙を意識し、定期的に健診を受けることで動脈硬化の予防・早期発見につなげていきましょう。
動脈硬化は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの生活習慣病や、喫煙、肥満などの影響によって進行すると考えられています。症状は胸の痛み、手足の動かしにくさ、しびれ、歩行時の痛みなどさまざまで、重症化すると命に関わることもあります。日頃からバランスのよい食事や運動、禁煙を意識し、定期的に健診を受けることで動脈硬化の予防・早期発見につなげていきましょう。
研究内容への受け止めは?
編集部
テキサス大学ヒューストン健康科学センターの研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。
井筒先生
今回の研究は、超加工食品の摂取量と心血管疾患リスクの関連を示した点で興味深い報告です。超加工食品は手軽で便利な一方、塩分や糖分が多く、食物繊維が少ないものも多いため、高血圧、糖尿病、肥満など動脈硬化のリスク因子に影響する可能性があります。ただし、今回の研究は因果関係を証明したものではなく、食事以外の生活習慣も含めて解釈する必要があります。「超加工食品を完全に避ける」というより、加工度の低い食品を少し増やし、全体の食事バランスを整える視点が現実的ではないでしょうか。
まとめ
今回の研究では、超加工食品を多く摂取する人ほど、動脈硬化性心血管疾患のリスクが高まる可能性が示されました。忙しい日々の中では超加工食品に頼る場面もあるかもしれません。完全に避ける必要はありませんが、毎日の食事で野菜やたんぱく質を意識して取り入れることが健康維持につながります。無理なく食生活を見直しながら、将来の病気予防に役立てていきましょう。

