水タバコで一酸化炭素中毒に? 屋外・短時間でも油断できないリスクを専門家が解説
公開日:2026/04/03

筑波大学の研究員らは、世界中の学術データベースから水タバコに関連するCO(一酸化炭素)中毒の症例報告を収集・分析した結果、68例の急性CO中毒を確認しました。短時間・屋外での使用や周囲にいるだけでも中毒が起こりうることが明らかになりました。 詳細について松本先生に伺いました。
※2026年4月取材。

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)
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兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。
研究グループが発表した内容とは?
編集部
筑波大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
松本先生
水タバコ(シーシャ・フーカーとも呼ばれる)は、日本でも近年、若者を中心に関心が急速に高まっています。本研究では、六つの学術データベースを対象に世界中の水タバコ関連CO中毒の症例報告を収集・分析しました。その結果68例が確認され、内訳は単独発生が41例、複数人による同時発生が23例(最大12例が屋内で同時発生)、非使用者および店舗従業員での発生がそれぞれ2例でした。症状としては失神(53%)が最も多く、頭痛(50%)、倦怠感(44%)、吐き気・嘔吐(38%)、脱力(15%)が続き、ふるえや視覚障害、けいれんなども報告されています。
注目すべき点として、症例の4分の1は 水タバコの使用場所を離れた後にCO中毒を発症しており、5分の1は使用時間が1時間未満、また5分の1は屋外での使用でした。さらに、慢性CO中毒にあたる多血症の症例も13例確認され、そのうち12例は水タバコを毎日使用していました。
これらの結果から、短時間の使用や屋外での使用、あるいは周囲にいるだけでもCO中毒が起こりうることが明らかになりました。水タバコを提供する事業者と使用者の双方がそのリスクを正しく理解することが重要であり、特に屋内での使用に際しては、COモニタの設置や定期的な換気など、十分な安全対策を講じることが求められます。
注目すべき点として、症例の4分の1は 水タバコの使用場所を離れた後にCO中毒を発症しており、5分の1は使用時間が1時間未満、また5分の1は屋外での使用でした。さらに、慢性CO中毒にあたる多血症の症例も13例確認され、そのうち12例は水タバコを毎日使用していました。
これらの結果から、短時間の使用や屋外での使用、あるいは周囲にいるだけでもCO中毒が起こりうることが明らかになりました。水タバコを提供する事業者と使用者の双方がそのリスクを正しく理解することが重要であり、特に屋内での使用に際しては、COモニタの設置や定期的な換気など、十分な安全対策を講じることが求められます。
研究テーマになった疾患とは?
編集部
今回の筑波大学の研究テーマに関連する急性CO中毒について教えてください。
松本先生
CO中毒は、炭化水素の不完全燃焼によって発生する無色無臭の気体を吸い込むことで起こる、一般的な致死性中毒のひとつです。
症状は血中CO濃度によって異なります。濃度が低い段階では頭痛や吐き気が現れ、濃度が上がるにつれてめまいや筋力低下、判断力の低下、呼吸困難などが生じます。さらに 血中CO濃度が高くなると失神やけいれん、意識障害をきたし、最重症例では昏睡や死に至ることもあります。
治療の基本は、CO源から速やかに離れ、酸素を投与することです。重症例では高圧酸素治療が検討されます。
予防には、室内の燃焼機器の適切な設置と換気の確認、そしてCO探知機の設置が有効です。身近な器具がCOを発生させる可能性があることを意識し、日頃から換気とCO探知機の活用で身を守りましょう。
症状は血中CO濃度によって異なります。濃度が低い段階では頭痛や吐き気が現れ、濃度が上がるにつれてめまいや筋力低下、判断力の低下、呼吸困難などが生じます。さらに 血中CO濃度が高くなると失神やけいれん、意識障害をきたし、最重症例では昏睡や死に至ることもあります。
治療の基本は、CO源から速やかに離れ、酸素を投与することです。重症例では高圧酸素治療が検討されます。
予防には、室内の燃焼機器の適切な設置と換気の確認、そしてCO探知機の設置が有効です。身近な器具がCOを発生させる可能性があることを意識し、日頃から換気とCO探知機の活用で身を守りましょう。
研究内容への受け止めは?
編集部
筑波大学の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。
松本先生
臨床医の立場から見ると、CO中毒は非特異的な症状で発症することが多く、見逃されやすい疾患です。今回の研究で、水タバコがその原因となり得ることが明確に示されたことは非常に意義があります。特に若年層での使用が増えている現状を踏まえると、頭痛や倦怠感などの症状を訴える患者さんに対する水タバコの使用歴や環境曝露の確認が、より重要になると感じます。
編集部まとめ
水タバコは「煙が水でろ過されるから安全」というイメージを持っている方が多いかもしれません。しかし、今回の研究はそのイメージを大きく覆すものでした。屋外での使用や1時間未満の短時間利用でもCO中毒が起こりうること、さらには使用していない周囲の人や店舗従業員にも被害が及んだ事例があることは、私たちが改めて認識すべき重要な事実です。水タバコを楽しむ際は、十分な換気の確保とCOモニタの活用を徹底し、少しでも体調の異変を感じたらすぐにその場を離れることを日々の習慣として心がけましょう。



