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「麻疹(はしか)」患者が福岡市のイベント・商業施設に 感染リスク・注意点を医師が解説

 公開日:2026/03/24
麻疹(はしか)に注意福岡市内の施設で接触か

福岡市は、鹿児島市で確認された麻疹(はしか)患者が市内の商業施設などを利用していたことを発表しました。麻疹は空気感染により極めて強い感染力を持ち、免疫がない場合は同じ空間にいるだけで感染する恐れがあります。今回、福岡市が公表した行動歴への対応や、麻疹特有の感染リスクについて、小幡先生に詳しく解説していただきました。対象施設を利用した心当たりのある方は、今後の体調変化に十分ご注意ください。

※2026年3月取材。

小幡 史明

監修医師
小幡 史明(医師)

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自治医科大学医学部卒業 / 現在は医療法人静可会三加茂田中病院、医療法人在宅会 みんなのクリニック勤務 / 専門は総合診療科、腎臓内科、感染症科

福岡市が発表した内容とは?

編集部

福岡市が発表した内容を教えてください。

小幡 史明先生小幡先生

3月16日、鹿児島市内において麻疹(はしか)の患者さんが発生しました。当該患者さんの行動歴を調査したところ、福岡市への来訪があったことが確認されており、感染可能期間中に市内の複数施設において不特定多数の方と接触した可能性があることが明らかになりました。なお、現時点では当該施設を利用しても感染の恐れはないとのことです。

対象期間中に該当施設を利用された方は、引き続き体調の変化に注意していただく必要があります。万が一、発熱や発疹など麻疹を疑う症状が現れた場合は、すぐに医療機関へ向かうのではなく、必ず事前に電話などで連絡し、麻疹の疑いがあることを伝えたうえで受診するよう呼びかけられています。また、受診の際には周囲への感染拡大を防ぐため、電車やバスなどの公共交通機関の利用を控え、医療機関の指示に従うことが求められています。

なぜ「同じ空間にいるだけ」でうつるのか? 知っておきたい麻疹の正体

編集部

麻疹について教えてください。

小幡 史明先生小幡先生

麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、その感染力は非常に強く、新型コロナウイルスをはるかにしのぐほどです。感染経路は「接触感染」「飛沫感染」に加え、「空気感染」も主な経路となっており、同じ空間にいるだけで免疫のない方への感染リスクが非常に高くなります。患者さん1人から12〜18人の免疫のない方に感染させる可能性があるとされています。

ウイルスは空気中を浮遊している間や物の表面でも最大2時間にわたって感染力を持ち続けます。また、発疹が出る4日前からすでに感染力があり、発疹出現後4日後まで他者へうつす可能性があります。症状が出る前から周囲に広げてしまう点も、感染拡大が起きやすい大きな要因です。

麻疹予防で最も重要なのはワクチン接種です。感染から自分自身と周囲の方を守るためにも、接種がお済でない方は早めにワクチンを接種しましょう。

発表内容への受け止めは?

編集部

福岡市が発表した内容への受け止めを教えてください。

小幡 史明先生小幡先生

今回の福岡市の発表は、麻疹が現在も人の移動に伴って都市部へ持ち込まれうる感染症であることを改めて示しています。麻疹は空気感染し、発症前から周囲へ広がるため、ライブ会場や商業施設のように不特定多数が集まる場所では、短時間の接触でも注意が必要です。

一方で、行政が速やかに行動歴を公表し、対象日時を明確に示している点は、感染拡大防止の観点から非常に重要です。

市民としては過度に不安になるのではなく、まず自分や家族のワクチン接種歴を確認し、該当日時に施設を利用していた場合は体調変化に注意し、症状が出た際には事前に医療機関へ連絡することが大切です。

編集部まとめ

今回の発表は、人の移動に伴いどこで感染に遭遇するか分からない麻疹の脅威を改めて浮き彫りにしました。発症前から感染力を持ち、公共の場での拡大リスクが高いからこそ、個々人がワクチン接種歴を確認するなどの備えが不可欠です。万が一、疑わしい症状が出た際は、感染を広げないよう公共交通機関を避け、必ず事前に医療機関へ連絡した上で受診してください。冷静かつ迅速な行動が、自分と周囲の身を守ることにつながります。

この記事の監修医師