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致死率最大30%の恐怖 マダニ媒介の感染症「SFTS」から命を守るための知識を医師に聞く

 公開日:2026/01/20

国立健康危機管理研究機構の公表資料によると、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の2025年52週(12月22〜28日)時点の都道府県別累積報告数は総数191人で、過去最多となりました。近年は報告数が右肩上がりに増加しており、全国的な広がりを見せています。また、致死率が10〜30%と極めて高いことから、あらためてその脅威が浮き彫りとなっています。今回の発表を受け、最新の流行状況や日常生活で徹底すべき防衛策について、増田先生に見解を伺いました。

※2026年1月取材。

増田 道明

監修医師
増田 道明(医師)

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東京大学医学部を卒業後、同大学大学院医学博士課程を修了。東京大学医学部細菌学教室および東京大学医科学研究所での助手勤務を経て、アメリカ国立衛生研究所(NIH)へ客員研究員として留学。帰国後は東京大学医学部微生物学教室の助教授として研鑽を積まれ、その後は獨協医科大学医学部微生物学講座の教授を歴任。現在は獨協医科大学名誉教授を務める。長年にわたり微生物学・細菌学の教育および研究に尽力している。

SFTSの勢いが止まらない現状 過去最多の191人を記録

編集部

国立健康危機管理研究機構が発表した内容を教えてください。

増田 道明先生増田先生

国立健康危機管理研究機構が公表した資料によると、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の2025年52週(12月22〜28日)時点の都道府県別累積報告数は、過去最多の総数191人でした。累積が多いのは高知県の15人で、静岡県と大分県が各13人、長崎県12人、佐賀県・熊本県が各11人、兵庫県10人、三重県・鹿児島県が各9人となっています。

SFTSは、2013年1月に国内で初めて患者が確認されて以降、2020年までは毎年60〜100人程度の患者が報告されてきました。近年は報告数が増加し、2021年以降は毎年100人を超える患者が報告されています。

致死率は最大30%? マダニが媒介する「SFTS」の正体と防衛術

編集部

SFTSはどんな感染症なのか教えてください。

増田 道明先生増田先生

SFTSとは、主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する「ダニ媒介感染症」です。感染症法では四類感染症に位置付けられています。潜伏期は6日〜2週間程度で、発熱に加えて、嘔気・嘔吐、腹痛、下痢、下血などの消化器症状がみられることがあります。血液検査では血小板や白血球の減少、AST・ALT・LDHなど血清酵素の上昇が認められ、致命率は10〜30%程度とされています。

診断は血液や血清、咽頭拭い液、尿などから病原体(遺伝子)を検出する方法や、抗体検査でおこないます。治療は対症療法が基本で、国内では抗ウイルス薬ファビピラビルの使用が承認されています。

草むらなどに入る際は肌の露出を避け、マダニに刺されない工夫を徹底しましょう。もし、マダニが肌に付着しているのに気がついたら、あわてて無理に取ろうとせず、すぐに医療機関を受診して除去してもらってください。無理に取ると、感染のリスクが高まります。

感染拡大の背景は? 今後の流行予測と私たちが今すべきこと

編集部

国立健康危機管理研究機構が発表した内容への受け止めを教えてください。

増田 道明先生増田先生

SFTSの累積患者数は西日本に多い傾向がみられますが、千葉県、神奈川県、茨城県など、関東でも報告されるようになり、感染地域が拡大している可能性があります。特に、3月から11月頃はマダニの活動が活発になるので、注意が必要です。

編集部まとめ

国立健康危機管理研究機構の公表では、2025年末時点のSFTS累積報告数は過去最多の191人を記録しました。これまでは西日本に集中していた報告が、現在では関東地方など広いエリアで見られるようになっており、決して他人事ではありません。SFTSはマダニに刺されて感染し、発熱や吐き気、下痢などが出ることがあります。異変があれば早めに受診しましょう。

この記事の監修医師