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「年末年始の感染拡大防止に向けて年内にワクチン接種を」政府が事前対策を呼びかけ

 更新日:2024/03/08
コロナ分科会がワクチン年内接種を呼びかけ

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は12月9日に開かれた会合で、オミクロン株対応ワクチンの年内接種を呼びかけました。このニュースについて甲斐沼医師に伺いました。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

新型コロナウイルス感染症対策分科会が呼びかけた内容とは?

新型コロナウイルス感染症対策分科会が呼びかけた内容について教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

12月9日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、帰省などの移動が増える年末年始に向けて、事前に対応しておくべきことなどを呼びかけました。具体的には、オミクロン株対応ワクチンの早期接種や医療ひっ迫防止への協力、十分な換気、帰省前にPCR検査を受けることなどを呼びかけています。特にオミクロン株対応ワクチンについては、新型コロナウイルスの新規感染者数が全国的に増加が継続すると見込まれていることから、「社会経済活動を維持するために接種は重要だ」と訴え、年内に接種をするように呼びかけました。さらに、重症化リスクが低い人は、発熱などの症状が出た際に抗原検査キットを用いた自身での検査を検討することや、自分の住む地域の医療機関の年末年始の診療体制を事前に確認して検査キットや解熱薬を事前に購入して対応するように求めています。

呼びかけへの受け止めは?

新型コロナウイルス感染症対策分科会が呼びかけた内容について受け止めを教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、年末年始など国民の行動範囲が増加して感染再拡大が懸念される時期に備えるために、新型コロナウイルスのオミクロン変異株に対応した新たなワクチンを早期接種するように提唱し、厚生労働省は年内に全ての希望者への接種完了を目標とすることを明示しました。

接種を呼びかけているワクチンは、オミクロン株の初期に流行した系統「BA.1」、および従来株に対応した成分を組み合わせた2価ワクチンであり、現在主流の系統「BA.5」タイプにも一定の効果が期待されています。特に60歳以上の高齢者や基礎疾患を有する18歳以上の人を中心に国民全体でワクチン接種を前向きに進めて、新型コロナウイルスの再流行をできる限り抑えたい考えが見受けられます。

年末年始を迎える前に準備した方がいいことは?

呼びかけの中にも、自分の住む地域の医療機関をあらかじめ確認してほしいという項目がありましたが、年末年始を迎える前に準備した方がいいことはありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

2022年12月現在、新型コロナウイルスの感染者数が全国的にも増加傾向であり、いわゆる「第8波」の入り口に差し掛かっている状況であるとの指摘も出ています。さらなる感染拡大を予防するためにも、常日頃からマスクの適切な着用、換気の徹底などの感染防止対策を講じることが重要です。万が一、発熱や喉の痛み、せきなどの症状が出た場合や体調が悪化した際には、可能な限り出勤、登校、外出などの行動を控えましょう。

ワクチン接種については、自分自身だけでなく家族、あるいは高齢者など重症化リスクの高い人々を守ることにもつながります。また、有症状時の受診に関しては、高齢者や基礎疾患がある人、妊婦などは専門医療機関やかかりつけ医に相談しましょう。小学生以下の子どもや乳幼児は、かかりつけ医や小児科医を受診するように心がけましょう。

自身で市販の検査キットなどを活用して、発熱外来などの診療体制のひっ迫をできるだけ起こさないような努力をするとともに、症状が悪化したときなど医療従事者の助けが必要な場合にはかかりつけ医や最寄りの地域支援病院、あるいは救急告示病院に電話相談するなどの対策を講じましょう。

まとめ

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は12月9日に開かれた会合で、オミクロン株対応ワクチンの年内接種などの新型コロナウイルス感染拡大防止の呼びかけをおこなったことが今回のニュースでわかりました。年末年始の帰省シーズンの前に、国民一人ひとりができることをあらかじめやっておく必要がありそうです。

この記事の監修医師