「屋外でのマスク着用は原則不要」厚生労働省や日本医師会が呼び掛け強化
厚生労働省や日本医師会などは、全国的な気温上昇で熱中症リスクが高まっていることを受けて、「屋外でのマスク着用は原則不要」と呼び掛けています。このニュースについて中路先生にお話を伺います。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
厚生労働省などが呼び掛けている内容とは?
厚生労働省などが呼び掛けている、「屋外でのマスク着用は原則不要」という内容について教えてください。
中路先生
日本各地で猛暑日を記録しており、熱中症リスクが高まっています。こうした状況を受けて厚生労働省は夏場のマスク着用について、「屋外では原則不要」と呼び掛けを強化しています。
政府は、「屋内で周りの人との距離がとれていて、会話をほとんどおこなわない場合」「屋外で周りの人と距離がとれる場合」「屋外で距離がとれなくても会話をほとんどおこなわない場合」には、熱中症予防の観点からマスクの着用の必要はないという考えを示しています。後藤厚生労働大臣も会見で「熱中症などの危険があることは十分申し上げてきた。屋外では、近い距離ではないか、または話をしないというのであれば、マスクをとり、熱中症などに十分注意してもらうよう広報している」と、必ずしも着用の必要がないことを強調しています。また、政府のみならず日本医師会からも、屋外ではマスク着用が原則不要であるとの呼び掛けがおこなわれています。
熱中症の現状は?
これまでの熱中症の状況を教えてください。
中路先生
消防庁のまとめによると2022年6月20日から26日までの1週間に熱中症で搬送された人は、全国で4551人となり、前週の3.4倍となっています。なお、搬送された人のうち4人が死亡しています。症状の内訳は入院が必要な重症、中等症が1507人、軽症が2982人でした。また、65歳以上の高齢者が2458人と半数以上となっており、18歳以上65歳未満は1493人、7歳以上18歳未満は568人、0歳から7歳未満が32人でした。熱中症の発生場所は住居が1698人、道路が823人、競技場や駐車場などが634人、仕事場が419人、残りがその他となっています。
熱中症を防ぐために大事なことは?
熱中症を防ぐために大事なことを教えてください。
中路先生
今年は梅雨明けが早く、連日暑い日が続いています。熱中症には十分注意が必要です。熱中症の予防には以下の点が挙げられます。
・運動などの活動をする際のこまめな休息
・こまめな水分補給(水やスポーツドリンクなど)
・運動などの活動は午前中の涼しい間におこなう
・ルーズ、ライト・ウェアの服装の着用
・重ね着を避ける
・暑い屋外でのマスク着用を避ける(周囲の状況を考慮したうえで)
・暑い車内を避ける
なお、水分補給はこまめにとるのが大切です。短時間に無理して水分を摂取することは、かえって体に悪影響です。いずれにしても、これからの暑い季節はあまりアクティブになりすぎないよう注意が必要と考えられます。
まとめ
厚生労働省や日本医師会などは、全国的な気温上昇で熱中症リスクが高まっていることを受けて、「屋外でのマスク着用は原則不要」と呼び掛けていることが今回のニュースでわかりました。危険な暑さが連日続いているだけに、屋外でマスクを外すことをはじめとする、しっかりとした熱中症対策が必要になります。