【新型コロナワクチン】3回目だけモデルナで接種すると発熱の割合増
厚生労働省の専門部会は2月18日、新型コロナワクチン接種で3回目だけモデルナにした場合は、3回全てファイザーだった場合より発熱などの割合が高かったと明らかにしました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師：
中路 幸之助（医師）
厚生労働省が発表した副反応のデータとは？
厚生労働省が発表した副反応のデータについて教えてください。
中路先生
2月18日、厚生労働省の専門家部会で公表されたのは、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で2回目までと異なるメーカーのワクチンを打つ交互接種についての副反応のデータになります。分析の対象になったのは先月28日までに3回目の接種もファイザーで受けた2826人と、3回目だけモデルナで受けた437人です。3回目の接種後に38度以上の発熱があった人は、3回ともファイザーの場合が21.4％、それに対して3回目だけモデルナだと49.2％という結果が出ました。
全身の倦怠感は3回ともファイザーだと69.1％、3回目だけモデルナだと78％とのこと。頭痛は3回ともファイザーが55％、3回目だけモデルナが69.6％の割合で起きたということです。いずれも症状が出るのは接種の翌日がピークで、2～3日後にはほとんどおさまったそうです。また、3回ともファイザーを打った場合は心筋炎が疑われるケースが2例報告されましたが、重篤な症状ではなかったということです。一方の3回目だけモデルナを打った場合は、心筋炎を含めて重篤な症状は確認されていなかったということです。
3回目接種の現状は？
今回の調査対象になった3回目のワクチン接種について現状を教えてください。
中路先生
2月18日に首相官邸が公表した情報によると、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受けた人は1600万9146人で、全人口の12.6％にあたります。3回目の接種を受けた人のうちファイザーのワクチンは1150万6498人で、3回目接種全体の71.9％でした。モデルナのワクチンは450万2648人で、28.1％となっています。
今回発表されたデータの受け止めは？
今回、明らかにされた副反応のデータをどのように受け止めればいいのでしょうか？
中路先生
新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、ファイザーを2回打った後にモデルナを交互接種した人は約7割が発熱し、3回ともファイザーの人の約4割より高かったと報告されています。そのほか、3回目がモデルナの場合は 頭痛、倦怠感に関しても3回ともファイザーの場合の割合よりやや高い傾向にありました。その反面、3回目の接種で得られた抗体の量が、モデルナの方がファイザーより多く、効果が高いとの報告があります。また、3回目だけモデルナを打った場合は心筋炎を含めて重篤な副反応は報告されていません。今後、3回目にどちらのワクチンを打つかはこれらの効果や副反応のエビデンスを考慮して判断すべきと考えます。
まとめ
新型コロナワクチン接種で3回目だけモデルナにした場合は、3回全てファイザーだった場合より発熱などの割合が高かったと今回のニュースで明らかになりました。今後もこうした副反応の情報には注目が集まりそうです。
