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糖尿病や関節リウマチなどの既往歴がある新型コロナウイルス感染者、入院時のウイルス量が多いという研究結果

 更新日:2023/03/27

東京医科歯科大学の研究チームは、糖尿病や関節リウマチなどの既往歴がある新型コロナウイルス感染者は、入院時のウイルス量が多いという研究成果を発表しました。このニュースについて上医師に伺いました。

上昌広 医師

監修医師
上 昌広(医師)

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東京大学医学部卒業。東京大学大学院修了。その後、虎の門病院や国立がん研究センターにて臨床・研究に従事。2010年より東京大学医科学研究所特任教授、2016年より特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長を務める。著書は「復興は現場から動き出す(東洋経済新報社)」「日本の医療格差は9倍 医療不足の真実(光文社新書)」「病院は東京から破綻する(朝日新聞出版)」「ヤバい医学部(日本評論社)」「日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか(毎日新聞出版)」。

今回発表された内容とは?

今回発表された研究内容について教えてください。

上昌広 医師上先生

今回の発表は東京医科歯科大学の藤原武男教授らの研究チームが今年1月におこなったものです。研究チームは2020年3月から2021年6月までに、中等症から重症の新型コロナウイルス感染症で東京医科歯科大学病院に入院し、少なくとも1回以上RT-PCR検査がおこなわれた患者379名を対象として、スーパースプレッダーを特定する要因について検討を実施しました。

入院患者の電子カルテの情報から、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・関節リウマチ・がん・慢性腎不全・脳梗塞・心疾患・呼吸器疾患・アレルギーといった既往歴について調査・分析した結果、既往歴がある人はウイルス量が多かったということが判明しました。また、3つ以上の既往歴をもつ患者は、少なくとも既往歴のない患者の約5倍のウイルス量だったとのことです。全体の9割以上の患者では1、2回目の検査でウイルス量が最も多く、入院初期に特に注意深く感染対策をすることが重要だとしています。加えて、検査を複数回おこなった患者の中には、初回より2回目のウイルス量の方が多かったケースもあったそうです。

スーパースプレッダーとは?

今回の研究の重要なテーマとなっているスーパースプレッダーについて教えてください。

上昌広 医師上先生

スーパースプレッダーとは、高いウイルスコピー数をもつ特定の患者のことを指します。2003年のSARSや2012年のMERS流行時から、すべての患者が等しく感染を広げるのではなく、スーパースプレッダーが特に感染を広げていくことが知られており、新型コロナでもスーパースプレッダーが高い感染力と死亡率をもつことが知られています。スーパースプレッダーの早期同定は、治療や感染拡大防止と意味で重要であるものの、これまでスーパースプレッダーの決定要因については解明されていませんでした。

今回の研究結果の意義は?

今回発表された研究内容が新型コロナ対策の現場にとって、どのような意義があるのか教えてください。

上昌広 医師上先生

糖尿病患者でコロナウイルスの量が多いことは、十分に予想されていたことです。そのことを現実に証明した点で、この研究は意味があります。ただし、スーパースプレッダーになり得るかどうかは、実際に周囲に感染させるリスクが高いかどうかを、臨床的に検証する必要があります。今後の研究の成果が待たれます。

まとめ

糖尿病や関節リウマチなどの既往歴がある新型コロナウイルス感染者が、入院時のウイルス量が多いという研究成果が今回のニュースで明らかになりました。研究ではデルタ株などの患者が対象でしたが、オミクロン株でも同様な結果になる可能性が高いと研究チームは話しています。

この記事の監修医師