新型コロナウイルスの後遺症、女性の方が出やすい傾向
新型コロナウイルス感染者のうち、「女性の方が倦怠感や味覚障害などの後遺症が出やすい傾向にある」ことが、国立国際医療研究センターの調査で分かりました。特に倦怠感は約2倍、脱毛は約3倍とのことでした。このニュースについて、中路医師が解説します。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
目次 -INDEX-
今回の調査の内容とは?
今回発表された、国立国際医療研究センターの調査の内容について教えてください。
中路先生
今回の調査は、去年2月以降に新型コロナに罹ってから回復した人のうち、20代から70代の457人について、その後の症状を聞き取って分析したものです。
半年後でも26.3%の人に何らかの症状があり、嗅覚の異常が7.7%、次に倦怠感6.6%、続いて息切れ3.9%でした。発症から1年が経過した人で症状があったのは8.8%と減少し、最も多いのが倦怠感で3.1%。次に息切れ1.5%、そして嗅覚異常は1.1%と続いています。
男女別では、女性は味覚異常が男性のおよそ1.6倍、嗅覚の異常がおよそ1.9倍、倦怠感がおよそ2倍、脱毛がおよそ3倍、出やすかったという結果でした。
なぜ、女性は後遺症が出やすいのか?
男性に比べて女性の方が後遺症が出やすい理由は分かっているのでしょうか?
中路先生
自己免疫疾患は女性に多くみられるため、女性に後遺症が多い理由の1つに「女性の方が免疫反応が強いためではないか」との報告があります。
後遺症の予防策は?
後遺症を起こさないための予防策はあるのでしょうか?
中路先生
ワクチン接種を受けた人は、症状が残りにくいという報告があります。そのため、ワクチン接種を推奨します。
まとめ
新型コロナウイルスの恐ろしさの1つでもある後遺症。今回の調査では、女性の方が倦怠感や味覚障害などの後遺症が出やすく、特に倦怠感は約2倍、脱毛は約3倍となったことがわかりました。後遺症に悩まされないためにも、基本的な感染症対策がますます重要になりそうです。