【厚生労働省特例容認】新型コロナウイルス検査キットの薬局販売
医療現場で使われている新型コロナウイルスの抗原検査キットを薬局で販売することを特例で認める事務連絡を、厚生労働省が都道府県などに出しました。このニュースについて工藤先生に伺います。
監修医師:
工藤 孝文 医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
抗原検査キットとは?
抗原検査キットについて、詳しく教えてください。
工藤先生
鼻に綿棒を入れて検体を採取し、検体と試薬を混ぜたものを検査キットに反応させると、15~30分程度で結果が分かります。結果が陽性となった場合は、医療機関を受診する必要があります。これまでもインターネットなどで販売されていましたが、これらは「研究用」と呼ばれる製品でした。今回、厚生労働省が承認した15の抗原検査キットはこれまで一般の人が購入することができなかった「医療用」になります。
薬局での販売を容認した狙いは?
今回の特例容認の狙いについて、詳しく教えてください。
工藤先生
今後も新型コロナウイルスの感染が再び拡がり得る状況下、より簡便に家庭内等において、体調に不安がある場合等にセルフチェックとして自ら積極的に検査を行えるようにするためです。セルフチェックの結果を受けて、より確実に医療機関への受診につなげ、感染再拡大を未然に防ぐことが狙いであると考えられます。
検査キットの使用で注意すべきことは?
購入した検査キットの使用で注意すべきことがあれば教えてください。
工藤先生
ウイルスの量が少ない場合は、感染しているにもかかわらず、陰性の結果が出る「偽陰性」のリスクが考えられます。したがって、結果が陰性だった場合でもマスクの着用といった感染対策を続ける必要があります。実際は感染しているのに検査で陰性となった場合、数日たつとウイルスの量が増加し、他人に感染させる可能性もあるからです。また、症状が出てから薬局に購入しに行くことは感染拡大防止の観点から避ける必要がありますので、健康なときにあらかじめ購入しておく必要があると考えます。
まとめ
検査を行うと、15~30分程度で結果が分かるお手軽で便利な検査キットですが、ウイルスの量が少ないと感染していても「偽陰性」になるという側面もあるようです。検査方法や取り扱い説明を正しく理解してから使用することが重要です。