新型コロナワクチン2回目接種から約70日後に抗体量が約4分の1に
この度、愛知県にある藤田医科大学は新型コロナワクチンの2回目接種から70日後の抗体量が大幅に減少したことを発表しました。抗体の量は新型コロナウイルスの感染に大きく影響しています。今回は、新型コロナワクチン接種後の抗体の減少について、中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
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今回の発表の詳細は?
今回の発表について、詳しく教えてください。
中島先生
今回の調査の対象者と検査方法は次のとおりです。
対象者…20~70代の教職員209人
検査のタイミング…1回目接種の約14日後、2回目接種の約14日後、約70日後
藤田医科大学は25日、アメリカのファイザー製ワクチンを接種した人の2回目接種から「約14日後」と「約70日後」の抗体量を比べました。その結果、約70日後の抗体量が4分の1程度にまで減少していたことを発表しました。同時に、1回目の接種よりも2回目の接種の方が、抗体量が多くなることも確認しています。
ワクチン接種によって、感染防止や重症化の予防に繋がることは間違いないため、引き続きワクチン接種を進めていくことが重要です。また、同様の調査結果は国内外で出ており、2回目の接種後は時間経過によってデルタ株に対する予防効果が低下すると考えられています。
予防効果はどれぐらい下がる?
2回目の接種から約70日後には約14日後と比べて抗体の量が約4分の1になるとのことですが、予防効果はほとんどなくなるのでしょうか。
中島先生
具体的に、どれだけの抗体量があれば新型コロナウイルスの感染や重症化を防げるのかは不明です。また、抗体量の減少度合については体質や持病、年齢など、さまざまな要因が関連しています。少なくとも、ワクチンを打たない場合よりも接種後の方が抗体の量が増えており、予防効果があることは認められています。このような理由から、2回目の接種は引き続き推奨されることはもちろん、3回目の接種の必要性についても現在議論が進められています。新たな調査結果や政府の方針などの発表を待ちましょう。
まとめ
今回の調査結果からファイザー製ワクチンの2回目接種から約70日後には、抗体の量が大きく低下する可能性があることがわかりました。ただし、抗体の量が少なくなったからといって、効果が著しく低下するとは限りません。新型コロナワクチンの効果の持続期間についてはデータが集まり始めており、今後さらに信ぴょう性が高い調査結果が発表されるでしょう。3回目の接種の必要性も含め、政府や信頼できる研究機関、大学などの発表を待ちたいところです。