新PCR検査キットに保険適用
厚生労働省は7月22日、PCR検査キットに公的医療保険を適用する方針を決めました。対象となるPCR検査は、東京都港区の会社が販売する検査キットで、公的医療保険が適用されるのは今回がはじめてです。ここでは、PCR検査への公的医療保険の適用について中島先生に詳しくお伺いしました。
監修医師:
中島 由美 医師
対象となったPCR検査キットとは?
今回、公的医療保険の対象になったPCR検査キットについて、詳しくお教えください。
中島先生
今回、公的医療保険の対象になったのは、東京都港区に本社を置く「ビオメリュー・ジャパン」が販売するPCR検査キットです。新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど、21のウイルスや細菌を同時に測定でき、約50分で検査結果がわかります。
「ビオメリュー・ジャパン」は、微生物、遺伝子、免疫検査などにおける体外診断用医薬品や医療機器などを製造販売している会社です。
PCR検査キットへの公的医療保険の適用のメリットは?
「ビオメリュー・ジャパン」が販売するPCR検査キットに公的医療保険が適用されることで期待できるメリットを詳しく教えください。
中島先生
今回、公的医療保険の対象になったPCR検査キットは、一度に21ものウイルスや細菌を同時に測定できるため、どの病原体による感染症に罹患しているか1回の検査でわかる可能性があります。
患者、医療従事者双方の負担が軽減されるでしょう。また、検査結果が判明するまでにかかる時間が約50分と短いため、早期発見・早期治療に繋がります。
PCR検査キットが役立つシーンは?
今回、公的医療保険が適用されることになったPCR検査キットは、どのようなシーンで役立つのでしょうか。
中島先生
新型コロナウイルス感染症と同じく、人から人へ移ることで爆発的に感染が拡大するインフルエンザの流行期に活用できると推測できます。複数の検査を受けることなく、罹患している感染症を特定できる可能性があるため、医療従事者と患者の双方の負担を軽減できるでしょう。
まとめ
今回、公的医療保険が適用になったPCR検査キットは、新型コロナウイルスやインフルエンザをはじめとしたさまざまなウイルスや細菌の感染症を早期に発見できます。1回の検査で確定診断が可能になることで、医療従事者と患者の双方の負担が軽減されるでしょう。新PCR検査キットのメリットを活かすためにも、発熱や咳、鼻水、頭痛などの不調が起きたときは早めに受診したいところです。