5月31日は世界禁煙デー、WHOが掲げる非喫煙のニューノーマル
5月31日は「世界禁煙デー」。世界保健機関(WHO)は、たばこの使用とCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の関係に触れ、例年にも増したニコチンフリー化を呼びかけている。喫煙による死者は毎年800万人以上と推定されるなか、今年の推移に注目が集まる。
喫煙は呼吸器感染症の危険因子
世界保健機関はこの5月、「喫煙は肺機能を損ない、体がコロナウイルスや他の病気と闘うのを難しくする」との声明を出した。専門家の研究により、「喫煙者は非喫煙者と比較してCOVID-19で重症になる可能性が高い」と示唆されたからだ。この夏、より「たばこの煙がない環境」を目指す試みが、世界各国で行われるだろう。たばこの箱のデザインを規制する「プレーン・パッケージ化」など、すでに運用されている法制度も少なくない。
日本は禁煙発展途上国なのか
そうしたなか、日本における成人喫煙率は、全世界平均よりも10%以上高い(WHO 「Tobacco Atlas」2002)。近年では減少傾向にあるものの、2018年の国立がん研究センターの調べによると、男性29.0%、女性8.1%、男女計17.8%となっている。その一方、厚生労働省は今年、「3密回避」の観点から「世界禁煙デー記念イベント」の中止を発表した。新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の中にも、禁煙の二文字はない。
子どもを前面に出したキャンペーン
世界禁煙デーとは、1988年に定められた喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指した「国際デー」の1つ。5月31日に固定されたのは翌年からで、毎年テーマが異なり、2020年のテーマは、「受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」。世界保健機関は、子どもがたばこを手にするショッキングなビジュアルで、キャンペーンの啓発に務めている。
WHO 世界禁煙デー
https://www.who.int/news-room/campaigns/world-no-tobacco-day/world-no-tobacco-day-2020