介護認定を受けるとどうなる?申請の流れと利用できる支援内容も併せて解説します

介護が必要になったとき、介護認定を受けるとどうなるのか、どのような手続きが必要なのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、介護認定を受けるとどうなるのかについて、以下の点を中心にご紹介します。
- 介護認定はどのような制度なのか
- 介護認定を受けた後に利用できるサービスと負担額
- 申請から結果通知までの流れ
介護認定を受けるとどうなるのか理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
目次 -INDEX-
介護認定について

介護認定とはどのような制度ですか?
判定は全国共通の基準に基づいて行われ、自立(非該当)、要支援1・2、要介護1~5の8段階に区分されます。
申請を行っても必ずしも要支援や要介護に認定されるとは限らず、その場合は自立(非該当)に区分されます。
要支援は、今後介護が必要な状態になるのを防ぐための支援が必要な段階を指し、要介護はすでに一定の介護を要する状態を意味します。
介護認定を受けると、公的な介護保険サービスを利用できます。自宅で生活援助や身体介護を受けられるほか、通所施設や短期入所なども利用が可能とされています。
介護保険サービスは介護保険の対象となるため、自己負担は原則1〜3割に抑えられます。
自立(非該当)に区分された場合は、市区町村が実施している地域支援事業などの利用を検討することになります。市区町村または地域包括支援センターに相談しましょう。
介護認定の区分について教えてください
要支援に該当するのは、日常生活の基本的な動作は自身で行えるものの、掃除や買い物など一部の行為に助けが必要な状態の方です。入浴はできても浴槽をまたげないなど、部分的な不自由が見られる場合が多いとされており、将来的な介護状態を防ぐための介護予防サービスを利用できます。区分は要支援1・2の2段階です。
要介護は、食事や着替え、入浴など日常生活全般で介助が必要な状態をいいます。身体的な衰えや認知機能の低下が原因となることが多い傾向にあり、訪問介護や通所サービスなど、より手厚い介護サービスが受けられます。区分は要介護1〜5までの5段階です。
自立(非該当)は、歩行や起き上がりなど、日常生活の基本的動作を自身で行え、かつ、薬の内服や、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態の方を指します。
介護認定を受けるとどうなる?

介護認定を受けるとどのようなサービスを利用できますか?
介護給付(要介護1~5)と予防給付(要支援1・2)の要介護度別に、本人の状態に合わせた支援が提供されます。
自宅で生活を続けたい方には、ホームヘルパーによる食事や入浴の介助、理学療法士によるリハビリなどの訪問サービスがあります。
また、日中に施設へ通い、食事、入浴介助や機能訓練を受けられる通所サービス(デイサービス、デイケア)の利用も選択肢の一つです。
また、一時的に施設へ宿泊し、介護や医療ケアを受けられる短期入所サービス(ショートステイ)は、家族の負担軽減にも役立ちます。
さらに、要介護者向けには特別養護老人ホームや介護医療院などの施設サービスもあります。
そのほか、自宅での自立を支えるための福祉用具の貸与や購入、手すりの設置、段差解消など住宅改修費の補助にも利用可能とされています。
介護認定を受けると介護保険の負担額はどうなりますか?
介護保険施設を利用する場合は、さらに居住費や、食費、日常生活費の負担も必要です。
ただし、所得の低い方や、1ヶ月の利用料が高額になった方は軽減措置(特定入所者介護サービス費や、高額介護サービス費)を受けられる可能性があり、負担限度額を超えた居住費や食費の負担額は、介護保険から支給されます。
各軽減措置を受けるには、居住している市区町村への申請が必要です。
また、居宅サービスを利用する場合、要介護度別に支給限度額(利用できるサービスの量)が定められています。1ヶ月あたりの支給限度額は、以下のとおりです。
・要支援1:50,320円
・要支援2:105,310円
・要介護1:67,650円
・要介護2:197,050円
・要介護3:270,480円
・要介護4:309,380円
・要介護5:362,170円
支給限度額の範囲内であれば、居宅サービスの自己負担額は1割(一定以上所得者の場合は2割または3割)ですが、限度額を超えてサービスを利用すると、超えた分は全額自己負担となります。
また、個室や多床室(相部屋)など、住環境の違いによっても自己負担額が変わるため、施設や市区町村に確認しましょう。
介護認定を受けるまでの申請から結果の流れ

介護認定はどこで申請できますか?
自治体によって担当課の名称が異なるため、事前に公式サイトや窓口への問い合わせで確認しておくとよいでしょう。
申請は、本人または家族が行うケースが多いとされています。窓口まで行くのが難しい場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者(ケアマネジャーが在籍する事業所)に代行を依頼できます。
施設入所を検討している場合は、介護保険施設で代行してもらうことも可能とされています。
介護保険サービスは、申請をして認定を受けなければ利用できません。介護が必要と感じた時点で早めの申請が大切です。
状況によっては、暫定ケアプランを作成すれば、認定結果が出る前に一部のサービスを利用できるケースもあります。
訪問調査ではどのようなことを聞かれますか?
調査はおおむね30分〜1時間ほどかけて行われ、介護がどの程度必要かを客観的に把握する目的があります。
調査項目は身体機能と起居動作、生活機能、認知機能、精神障害や行動障害、社会生活への適応の5つに大別されます。
例えば、寝返りや立ち上がりができるか、食事や排泄を一人で行えるか、生年月日や自身の居場所を答えられるかなど、実際の生活動作や認知の状態を確認します。
必要に応じて、身体を動かしてもらう場面もあります。
また、泣いたり笑ったりして感情が不安定になる、大声を出すなど、精神面や行動の変化も質問されます。
さらに、薬の管理、金銭管理、買い物などの社会生活能力や直近14日間に受けた特別な医療処置(点滴、透析など)の有無も確認されます。
介護認定の結果はどのように通知されますか?
自宅に届く封書には、認定結果通知書、介護保険被保険者証、介護保険負担割合証が同封されています。
これらの書類には、要介護(または要支援)の区分、有効期間、支給限度額、審査会の意見などが記載されています。
認定区分は自立(非該当)、要支援1・2、要介護1~5、のいずれかに分かれており、数字が大きいほど介護の必要度が高い状態を示します。
通知書に加えて届く被保険者証や負担割合証は、介護サービスを利用する際に提示が求められる大切な書類です。
失くすと再発行の手続きが必要になるため、届いたら内容を確認し、わかりやすい場所に保管しておきましょう。
介護認定の結果に納得できない場合の対応を教えてください
まずは、市区町村の介護保険担当窓口に相談し、認定理由の説明を受けることが第一歩です。それでも実情と異なると感じる場合は、都道府県の介護保険審査会に対して不服申し立て(審査請求)を行います。
不服申し立ては、結果通知を受け取った翌日から60日以内に行う必要があります。
不当と認められた場合は認定が取り消され、再調査が実施されますが、再判定には数ヶ月かかることもあります。
もう一つの方法が区分変更申請です。
区分変更申請は、病状や身体の状態が変化したときに、更新時期を待たずに認定区分の見直しを申請できる制度です。
手続きは随時可能で、1ヶ月程度で結果が通知されます。
編集部まとめ

ここまで介護認定を受けるとどうなるのかについてお伝えしてきました。
介護認定を受けるとどうなるのか、記事の要点をまとめると以下のとおりです。
- 介護認定とは、日常生活のなかでどの程度の支援や介護が必要かを判断するための制度
- 介護認定を受けることで、訪問介護や通所介護、短期入所などの公的サービスを原則1〜3割の自己負担で利用できる
- 申請は市区町村の窓口や地域包括支援センター、居宅介護支援事業者にて行い、訪問調査や審査を経て30日以内に結果が通知される
介護認定の仕組みを理解しておくことで、いざというときにスムーズに制度を活用できます。身近な方の介護に備えるためにも、早めの情報収集と準備を心がけましょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献




