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親の介護で兄弟との役割分担はどうしたらよい?揉めやすい原因や対策方法を解説

 公開日:2026/04/18
親の介護で兄弟との役割分担はどうしたらよい?揉めやすい原因や対策方法を解説

親の介護が突然始まり、心の準備や時間的な余裕がないなかで、誰が何を負担するかを巡り兄弟姉妹の間でトラブルになるケースは少なくありません。

介護は長期間に及ぶことも多く、特定の誰かに負担が集中してしまうと、介護うつや介護放棄、親族間の人間関係の悪化などを招くリスクがあります。

本記事では、親の介護における兄弟の役割分担の考え方や、揉めやすい具体的な原因、トラブルを未然に防ぐための話し合いのコツについて詳しく解説します。

高山 哲朗

監修医師
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

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【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

親の介護における兄弟との役割分担と起こりやすい問題

喧嘩をする

親の介護における兄弟の役割分担はどのようにしたらよいですか?

親の介護は準備ができないまま突然始まることもあるため、まずは兄弟で現状を認識し、親の貯金など経済状況を把握することが重要です。例えば会計担当や実務担当、情報収集担当など、家族で役割を決めるとよいでしょう。以下のように役割を分ける方法があります。
  • 長男:通院の付き添いや緊急時の対応などの実務
  • 長女:ケアマネジャーとの連絡や情報共有
  • 次男:介護費用の管理や支払いなどの会計

遠方に住んでいる場合でも、オンラインでの情報共有や費用負担など、関われる方法はあります。会計担当は生活に余裕がない場合に生活保護の受給などを検討し、実務担当は公的サービスを積極的に利用するなど、家族で協力するのがおすすめです。家族全員が関与する体制を整えることが、ストレスによる介護離職やうつ、親族間のトラブルを防ぐことにつながります。また一度決めた役割に固執しすぎず、それぞれの仕事の繁忙期や家庭の事情に応じて、柔軟にフォローし合える関係性を築いておくことも大切です。

親の介護で起こりやすい問題にはどのようなものがありますか?

親の介護で起こりやすい問題として、精神的負担や体力的負担が挙げられます。介護するために勤務時間の調整が必要になり、介護によって身体を痛めることもあります。これらによって、ストレス症状を発症する方も少なくありません。このような状況下において、兄弟間において負担の偏りによる不公平感や人間関係のトラブルが発生するケースもあります。実際に介護を担っている側は「自分ばかりが負担している」と感じやすく、一方で関与が少ない側は「何をすればよいかわからない」と戸惑っているケースもあります。このような認識のズレが、兄弟間の不満や誤解を生み、感情的な対立を深める要因となります。具体的な役割や費用分担が不透明だと、兄弟間で感情的な対立が深まりやすいでしょう。また、親の貯金額など、具体的な経済状況を把握できていないこともトラブルの火種となります。介護にかける時間や体力の限界から、精神的な余裕を失い、家族間のコミュニケーションが断絶してしまうケースもあります。これらを防ぐには、早期に親の意向や資産を共有し、介護に対する考え方をすり合わせる場を持つことが不可欠です。

介護を一人で抱えることにはどのようなリスクがありますか?

一人の介護者に負担が集中すると、過度なストレスから介護離職やうつ、燃え尽き症候群を招くリスクがあります。精神的に追い詰められることで、意図せず介護放棄や虐待、人間関係の亀裂につながる恐れも否定できません。また、介護にかける時間が生活を圧迫し、心身の健康を害することもあります。自分だけで解決しようとせず、周囲に現状を伝えて理解を得るとともに、公的機関や介護サービスを積極的に活用して負担を分散させるのがおすすめです。介護についての悩みを一人で抱え込んで孤立するのではなく、早い段階で周囲を頼る勇気を持つことが大切です。

親の介護は子どもが必ず行わなければなりませんか?

法律上、子どもには親を扶養する義務がありますが、すべての介助を自力で担う必要はありません。大切なのは、家族が倒れないために公的機関や介護サービスを賢く利用することです。子どもが自分の生活を守ることが、持続可能な支援につながります。親の生活に余裕がないことを認め、必要であれば生活保護の受給を検討することも一つの正当な選択肢です。直接的な介護に固執せず、ケアマネジャーなどの専門家と連携しながら、無理のない範囲で介護を進めましょう。プロの力を借りて親が安全に暮らせる環境を整えることも、長期にわたって親を支え続けるための大切な役割といえるでしょう。

親の介護で兄弟と揉めやすい原因

揉める

親の介護で兄弟と揉める主な原因を教えてください。

代表的な原因としては、介護負担の偏りによる不公平感が挙げられます。特定の誰かに時間や体力の負担が集中すると、不満が募りやすく、兄弟間の対立につながる可能性があります。また、親の預貯金など資産状況の不透明さからくる費用負担のトラブルにも注意が必要です。さらに、在宅か施設かといった介護方針の食い違いが生じるケースも考えられます。これらは親の介護が突如始まり、兄弟間で十分な話し合いができていないことが根本的な要因です。トラブルを回避するために、互いの状況を尊重しつつ、必要な情報や価値観をすり合わせておくことが欠かせません。

兄弟に参加してもらえない背景にはどのような理由がありますか?

兄弟が介護に参加できない背景には、仕事や育児との両立が難しいなど、生活上の制約があります。特に遠方に住んでいる場合、物理的な距離が壁となり、直接的な介護支援に参加できないケースも少なくありません。また、介護に対する意識の差も大きく、特定の兄弟に任せきりにしてしまう無関心な態度が摩擦を生んでしまうかもしれません。過去の親子関係や兄弟間の確執が影響し、心理的に介護に関与したくないと感じている場合もあります。まずは相手の状況を理解し、金銭的支援や情報収集など、できる範囲で適切な関わり方を模索することが大切です。

親の介護における話し合いでのトラブル対策方法

会議

親の介護のトラブル対策方法としてはどのような話し合いをすればよいですか?

介護方針を決める際は、まず本人の意向を確認し、そのうえで兄弟間の役割分担を具体化します。特に重要なのは、親の資産状況の共有です。預貯金や年金額を明確にすることで、費用負担をめぐる不公平感を防げます。また、実務をどう分担するかを話し合い、記録に残すことも大切です。互いの仕事や生活状況を伝え合い、無理のない範囲で協力できる体制を整えましょう。一方的な押し付けではなく、互いに感謝を伝え合いながら進める姿勢が、長期的なトラブル防止につながります。定期的に話し合いの場を設け、親の健康状態や介護状況の変化に合わせて、柔軟に介護計画を見直しましょう。

話し合いがうまくいかない場合の対処法はありますか?

当事者同士では感情的になりやすいため、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどの第三者を交えて話し合うのが効果的です。専門的な知見からアドバイスをもらうことが、冷静かつ客観的な判断につながります。また一度にすべてを決めようとせず、まずは現状の課題を整理し、優先順位をつけて少しずつ進めることもおすすめです。話し合いが平行線をたどる場合は、無理に合意を急がず冷却期間を置いたり、行政の相談窓口を活用したりして冷静な判断を心がけましょう。

兄弟で協力できない場合に活用できるサービスを教えてください。

兄弟の協力が得られない場合は、介護保険サービスを活用し、プロに任せる範囲を広げましょう。訪問介護や通所介護、ショートステイを利用することで、特定の介護者への負担集中を防げます。また、24時間対応の定期巡回サービスや、民間事業者が提供する自費サービスを組み合わせるのも有効です。金銭管理や手続きが困難な場合は、成年後見制度の利用を検討するなど、家族以外のサポート体制を構築しましょう。また在宅での介護継続が限界に近いと感じる場合は、有料老人ホームやグループホームといった施設入居の選択肢を早期に検討することも、共倒れを防ぐための重要な手段です。

トラブルを未然に回避するためにできることはありますか?

介護のトラブルを未然に回避するためには、親が元気なうちから介護や延命治療、財産管理についての意向を確認しておくことが重要です。介護が始まってからは、親の金銭管理を透明化し、収支を兄弟間で共有できる状態を保ちましょう。また、ケアマネジャーからの報告や日々の状況をSNSなどでリアルタイムに共有し、家族間の情報格差をなくす工夫も有効です。必要に応じて地域包括支援センターに相談するなど、外部の支援者とつながることも視野に入れるのがおすすめです。

編集部まとめ

介護をする家族

親の介護は、兄弟がそれぞれの生活を尊重し、家族で支え合うことが大切です。特定の誰かに負担が集中すると、不公平感から家族の絆が壊れるリスクがあります。

トラブルを防ぐには、親の意向や資産を透明化し、情報を共有することが重要です。役割を固定せず柔軟に分担を見直し、感情的な話し合いが必要な場合は、ケアマネジャーなどの専門家を交えましょう。

公的サービスや生活保護などの支援を頼ることも正当な選択です。家族だけで解決しようとせず、地域包括支援センターに相談し、専門家と連携して持続可能な介護を模索しましょう。

この記事の監修医師