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階段の上り下りでの介護を安全に行うために知っておきたい基本と注意点を解説

 公開日:2026/01/16
階段の上り下りでの介護を安全に行うために知っておきたい基本と注意点を解説

在宅介護において、階段の上り下りが転倒やけがのリスクが高い動作のひとつです。安全に介助を行うためには、介助者の立ち位置や支え方、声かけのタイミングなど、基本的なポイントを理解しておくことが欠かせません。また、住環境を整えることも重要です。

本記事では、階段の上り下りでの介護を安全に行うために知っておきたいことについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 階段の上り下りを安全に介護するための基本
  • 階段をの上り下りにおける介護方法と注意点
  • 在宅介護で階段の負担を軽減する工夫と設備

階段の上り下りでの介護を安全に行うために知っておきたいことについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

階段の上り下りを安全に介護するための基本

階段の上り下りを安全に介護するための基本

階段の上り下りを介助する際、どの位置で支えるのがおすすめですか?

階段の上り下りを介助する際は、介助者の立ち位置が重要です。基本の目安として、上るときは被介助者の1段後ろ(斜め下)、降りるときは1段前(斜め下)に立ちましょう。

上りでは後方への転倒に備えて後ろから支える姿勢を取り、降りる際は前方への傾倒を防ぐよう下段で支えます。介助時は被介助者の脇や腰に手を添え、手すりを利用しやすいように誘導します。声をかけながら息を合わせて一段ずつゆっくり進むことが大切です。

なかでも、階段が暗い場合や視力が低下している場合は、足全体が段にしっかり乗っているかを確認しながら慎重に介助しましょう。落ち着いたペースで進めることで、安心して移動できます。

階段での転倒を防ぐためにできる工夫を教えてください

階段での転倒を防ぐためには、介助者の姿勢と環境の整備の両方が重要です。

介助を行う際は、被介助者のそばに寄り添い、いつでも支えられるよう足を前後に開いて安定した姿勢をとりましょう。バランスを崩したときに踏ん張れるよう意識し、腰や脇を軽く支えて一段ずつ進みます。
力を抜きすぎると転落の危険があるため、適度な緊張を保つことも大切です。

さらに、環境面での安全対策も欠かせません。滑りやすいスリッパや段差マットは避け、滑り止めテープなどで足元を整えましょう。暗い階段では照明を明るく保ち、影で段差が見えづらくならないようにします。

身体の支え方と環境の工夫を組み合わせることで、転倒リスクを減らせます。

階段をの上り下りにおける介護方法と注意点

階段をの上り下りにおける介護方法と注意点

階段を上る介助をするときの方法を教えてください

階段を上る際の介助は、介助者の立ち位置と動作のタイミングが重要です。

まず要介助者に手すりをしっかり握ってもらい、力の入りやすい足(健側)から先に段を上げるよう声かけを行いましょう。足全体が段に乗ったのを確認したら、身体を支えながら一緒に身体を持ち上げ、次にもう一方の足(患側)を同じ段に乗せます。

この動作の瞬間はバランスを崩しやすいため、腰や膝が沈み込まないようしっかり支えることが大切です。杖を使う場合でも、手すりを優先的に利用するのがおすすめです。

階段を降りる介助をするときの方法を教えてください

階段を降りる際の介助では、介助者の立ち位置と動作のタイミングが重要です。

介助者は要介助者の斜め前の1段下に立ち、脇や腰を軽く支えながら一歩ずつゆっくり降りましょう。降りるときは、ふんばりにくい足(患側)から先に出し、その後に反対の足(健側)を同じ段に降ろします。

膝や足腰の力が弱い方は、最初の一歩で膝が崩れやすいため、この瞬間をしっかり支えることが大切です。介助者は足を前後に開いて重心を低く保ち、転倒時に踏ん張れるよう姿勢を整えます。

要介助者には、健側の手で手すりを持ってもらい、二歩で一段ずつ進むよう声かけを行いましょう。また、段差を踏み外さないよう足全体が段に乗っているか確認しながら進むこともポイントです。焦らず息を合わせ、安全に降りることを心がけましょう。

麻痺がある方の階段昇降を介助をする際の注意点はありますか?

片麻痺がある方の階段昇降介助では、足を出す順番と介助者の位置に特に注意が必要です。基本の原則は、上るときは麻痺のない足(健側)から、降りるときは麻痺のある足(患側)から動かします。

どちらの場合も二足一段(両足を同じ段にそろえる)を意識し、焦らず一段ずつ進むことが重要です。介助者は、上りでは要介助者の斜め後ろの1段下、下りでは斜め前の1段下に立ち、脇や腰を軽く支えてバランスを補助します。

手すりがある場合は麻痺のない手でしっかり握るよう促し、安定性を確保します。階段は平地より重心移動が大きく、下りは恐怖心や転倒リスクが高いため、声かけを行いながら安心して動けるようにサポートしましょう。

必要に応じて杖や装具を活用し、介助者にも無理のない環境を整えることが大切です。

在宅介護で階段の負担を軽減する工夫と設備

在宅介護で階段の負担を軽減する工夫と設備

階段昇降時の介護負担を減らすためにどのような住宅改修ができますか?

階段昇降時の介護負担を軽減するには、利用者と介助者の双方に配慮した住宅改修がおすすめです。

まず基本となるのは手すりの設置で、片側だけでなく両側に取り付けることで、どちらの手でも身体を支えやすくなり、安定した昇降ができます。次に、階段の勾配を緩やかにする改修も必要です。段差(蹴上げ)を低く、踏み面を広くすることで足腰への負担を軽減できます。

さらに、滑りにくい床材への変更足元照明の設置も転倒防止に役立ちます。人感センサー付き照明なら夜間の移動も心配いりません。介助が必要な場合には、階段昇降機の導入を検討するのもいいでしょう。

座ったまま昇降でき、介助者の身体的負担を大きく減らせます。これらを組み合わせることで、安全で快適な住環境が整います。

車椅子ごと階段を降りる場合の介助のポイントを教えてください

車椅子ごと階段を降りる際は、複数人で連携して行うことが重要です。車椅子は重量があるため、1人で対応するのは危険です。基本的には2〜4名で前後を支える体制をとり、前方の介助者が下から支え、後方の介助者がバランスをとりながら慎重に降ろします。

車椅子の向きは階段に対して後ろ向きにし、後輪を段の角にしっかりと合わせます。ティッピングレバーで前輪を少し浮かせ、段ごとにゆっくりと降ろしていきましょう。全員が声をかけ合い、息を合わせて動くことが大切です。

無理にスピードを上げると転倒の危険が高まるため、焦らず進めることが基本です。介助者が1人しかいない場合は、いす式階段昇降機などの福祉機器の利用も検討をしてください。無理のない方法を選び、安全を優先に行うことが事故防止につながります。

階段昇降機を導入する際の注意点を教えてください

階段昇降機を導入する際は、安全と設置条件の確認が欠かせません。まず、階段の幅を測定しましょう。70〜75cm程度の幅が必要ですが、築年数の古い住宅では不足している場合があります。
直線型や曲線型など機種によっても必要寸法が異なるため、事前に専門業者へ相談しましょう。

次に、設置スペースと電源の確保も重要です。大体の昇降機は折りたたみ式ですが、使用しない際にも約35cmのスペースが必要です。近くに100Vのコンセントがない場合は、新たに電源工事を行う必要があります。

屋外に設置する場合は、防水仕様や専用コンセントを設けましょう。また、自治体の助成金制度や建築確認申請の対象となることもあるため、導入前に確認が必要です。専門業者と連携し、安全基準を満たした計画を立てることが安全の高い導入につながります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで階段の上り下りでの介護を安全に行うために知っておきたいことについてお伝えしてきました。
階段の上り下りでの介護を安全に行うために知っておきたいことについて、要点をまとめると以下のとおりです。

  • 階段の上り下りを介助する際は、上るときは被介助者の1段後ろ(斜め下)、降りるときは1段前(斜め下)に立つことが推奨されている
  • 片麻痺がある方の階段昇降介助では、足を出す順番と介助者の位置に特に注意が必要で、どちらの場合も二足一段(両足を同じ段にそろえる)を意識し、焦らず一段ずつ進むことが重要である
  • 車椅子は重量があり1人で対応するのは危険なため、車椅子ごと階段を降りる際は、複数人で連携して行うことが大切

階段の昇り降りは、介助者や要介助者双方に大きな負担がかかる動作です。安全に行うためには、立ち位置や支え方を正しく理解し、声かけで動作を合わせることが大切です。

また、手すりや滑り止め、階段昇降機などの住宅改修を取り入れることで、転倒リスクを減らし、介助の負担を軽減できます。利用者の身体状況や住環境に合わせて工夫し、安全で快適な階段環境を整えることが在宅介護を続けるうえで重要です。

本記事が少しでも階段の上り下りでの介護を安全に行うために知っておきたいことについて知りたい方のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修社会福祉士