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介護分野における特定技能制度や介護サービスとの関係をわかりやすく解説!

 公開日:2026/05/10
介護分野における特定技能制度や介護サービスとの関係をわかりやすく解説!

介護業界では人手不足への対応として、外国人の介護職員の受け入れを目的とした“特定技能制度”が導入されています。介護施設や事業所でも外国人職員が働く機会が増えているため、介護サービスとの関係について関心を持つ方も少なくありません。

本記事では介護分野における特定技能制度について以下の点を中心に紹介します。

  • 特定技能制度とは
  • 介護業界で外国人材が必要とされている理由
  • 特定技能の外国人はどのような介護施設で働いているのか
介護分野における特定技能制度について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
高山 哲朗

監修医師
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

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【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護分野における特定技能制度とは

介護分野における特定技能制度とは

特定技能制度とはどのような制度ですか?

特定技能制度とは、深刻な人手不足が続く産業分野で外国人が働くことを認めるために、2019年4月に導入された在留資格制度です。一定の知識や技能を持つ外国人が、日本の企業や事業所で働ける仕組みとして設けられました。 特定技能には特定技能1号特定技能2号の2種類があります。特定技能1号は、必要な技能試験日本語試験に合格した方が取得でき、主に人手不足が深刻な分野で働くことができます。一方、特定技能2号は、より高い技能実務経験を持つ方が対象で、在留期間の更新に制限がなく、条件を満たせば家族の帯同も認められています。

介護分野では特定技能の外国人はどのような仕事をしますか?

特定技能の介護分野の在留資格を持つ外国人は、介護施設事業所介護業務に携わることができます。主な仕事は、入浴や食事、排泄の介助などの身体介護で、利用者の日常生活を支える役割を担います。

また、身体介護に加えて、レクリエーションの実施や機能訓練の補助、施設内での掲示物の管理や物品補充など、介護業務に関連する支援業務を行うこともあります。

なお、訪問介護などの訪問系サービスは対象外で、主に介護施設や病院などの施設内で働くことが基本とされています。しかし、介護福祉士の国家資格を取得し、在留資格を“介護”へ変更した場合は、訪問介護に従事することも可能です。

技能実習やEPA制度との違いを教えてください

外国人が日本の介護分野で働くための在留資格には、特定技能のほかに技能実習やEPA(経済連携協定)などがあります。これらは在留期間や働き方、必要な条件などに違いがあります。 技能実習は、日本の技術を学ぶことを目的とした制度で、在留期間は最長5年です。一方、特定技能は人手不足分野で働く人材を受け入れる制度で、試験に合格することで介護業務に従事できます。EPAは、特定の国との協定に基づき外国人の介護人材を受け入れる制度で、日本語研修や実務経験を積みながら介護福祉士の資格取得を目指す仕組みです。

介護業界で外国人材が必要とされている理由を教えてください

介護業界で外国人材の受け入れが進められている背景には、介護職員の人手不足があります。日本では少子高齢化が進み、介護を必要とする高齢の方が増えている一方で、働き手となる労働人口は減少しています。そのため、国内の人材だけでは介護サービスを支える人員を十分に確保することが難しくなってきています。

こうした状況を受け、介護分野ではEPAや技能実習、特定技能などの制度を通じて外国人介護職員の受け入れが行われています。外国人職員は、介護施設や事業所で日本人職員とともに働きながら、介護サービスの提供を支える役割を担っています。

介護施設で働く特定技能の外国人介護職員との関わり方

介護施設で働く特定技能の外国人介護職員との関わり方

特定技能の外国人はどのような介護施設で働いていますか?

特定技能の介護分野の在留資格を持つ外国人は、介護や福祉に関わるさまざまな施設で働くことができます。主な受け入れ先には、特別養護老人ホーム介護老人保健施設デイサービスなどの高齢の方が通う施設のほか、障害者支援施設グループホーム児童福祉施設などが含まれます。また、条件に該当する場合には、病院や診療所などで介護業務に携わることもあります。

これらの施設では、入浴や食事、排泄の介助といった日常生活の支援を中心に、利用者の生活をサポートする業務を担当します。なお、制度上の対象施設は法律や制度に基づいて定められており、働ける場所や業務内容には一定のルールがあります。

利用者や家族とはどのように関わりますか?

外国人介護職員が介護サービスに関わる場合は、利用者や家族に対して事前に説明を行うことが重要とされています。例えば、外国人職員が介護業務を担当する可能性があることや、実務経験、業務の進め方などを、書面などを用いて丁寧に説明することが求められます。 また、利用者や家族が安心してサービスを受けられるよう、事業所の連絡先緊急時の対応体制を伝えておくことも大切です。必要に応じて、日本人職員が同行して業務をサポートするなど、段階的に関係を築く取り組みが行われる場合もあります。

外国人介護職員がいることで介護サービスに変化はありますか?

外国人職員が加わることで、介護サービスの提供体制や職場環境にさまざまな変化が生まれる場合があります。以下で詳しく解説します。

1.人手不足の改善につながる場合がある
外国人介護職員を採用することで、これまで確保が難しかった人材を補える可能性があります。地方の施設では、日本人の応募が集まりにくいこともあるため、外国人職員の採用によって人員体制を整えやすくなるケースがあります。結果として、職員の負担が軽減され、より安定した介護サービスの提供につながることもあります。

2.若い人材が活躍するケースもある
日本で働くことを希望する外国人のなかには、若い人材も多いとされています。そのため、体力が必要とされる介護業務で活躍する場合もあります。また、男性の求職者が多い傾向もあり、施設内の職員構成のバランスを整えるうえで役立つ場合もあります。こうした人材が加わることで、現場の業務体制に変化が生まれることもあります。

3.職場のコミュニケーションが活発になることも
外国人職員を受け入れる際には、研修やサポート体制の整備などを通じて職員同士の連携が強化される場合があります。また、新しい文化や価値観に触れることで、職場の雰囲気に変化が生まれることもあります。慣れない環境で努力する姿に刺激を受け、日本人職員の意識や働き方によい影響を与えることもあるといわれています。

4.サポート体制や説明が重視されるようになる
外国人介護職員が働く場合、利用者や家族が不安なくサービスを受けられるよう、事業所では説明やサポート体制を整える取り組みが行われることがあります。例えば、外国人職員の研修内容やサポート体制を事前に説明したり、日本人職員がフォローする体制を設けたりすることがあります。こうした取り組みによって、利用者や家族が信頼して介護サービスを利用できる環境づくりが進められる場合があります。

外国人の介護職員に不安を感じる場合はどうすればよいですか?

外国人の介護職員が増えることに対して、「言葉は通じるのか」「文化の違いでトラブルは起きないのか」など、不安を感じる方もいるかもしれません。実際、職場では日本語でのコミュニケーションや価値観の違いなどが原因で、意思疎通がうまくいかないケースが生じることもあります。 しかし、こうした課題は、事前の説明やサポート体制を整えることで改善できるといわれています。例えば、職場では報告・連絡・相談の重要性を丁寧に伝えたり、日本の時間感覚や職場マナーについて研修を行ったりする取り組みが行われています。
また、日本人職員側も文化や習慣の違いを理解することで、互いに働きやすい環境づくりが進められています。

外国人介護職員と円滑にコミュニケーションを取るコツを教えてください

外国人介護職員とのコミュニケーションを円滑にするためには、伝え方や職場の工夫が大切です。日本語の理解度や文化の違いによって、指示が正しく伝わらないこともありますが、いくつかのポイントを意識することで改善が期待できます。

まず、指示はできるだけ短く、具体的に伝えることが重要です。複数の作業をまとめて伝えると理解が難しくなる場合があるため、誰に、いつ、何をするかをひとつずつ分けて伝えるようにすると、誤解が起こりにくくなります。

また、外国人スタッフに配慮した優しい日本語を使うことも大切です。難しい言葉やカタカナ語を避け、簡潔でわかりやすい表現を心がけるほか、伝えたい内容の主語や目的語を省略しすぎないことも肝心です。
加えて否定表現よりも肯定的な言い方にするなど、伝え方を少し工夫するだけでも理解度が高まります。

さらに、英語を理解できるスタッフがいる場合は、簡単な英単語を補足として使う方法も役立ちます。外国人職員が複数名いる場合、より日本語能力の高いスタッフに依頼するのもよいでしょう。状況に応じて言葉を補いながら説明することで、業務内容の理解が深まり、安心して働ける環境づくりにつながります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで介護分野における特定技能制度についてお伝えしてきました。介護分野における特定技能制度についての要点をまとめると以下のとおりです。

  • 特定技能制度とは、深刻な人手不足が続く産業分野で外国人が働くことを認めるために、2019年4月に導入された在留資格制度のこと
  • 介護業界で外国人材の受け入れが進められている背景には、少子高齢化による深刻な人手不足がある
  • 特定技能の外国人は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、デイサービスなどの高齢の方が通う施設のほか、障害者支援施設やグループホーム、児童福祉施設などの介護施設で働いている
介護分野では、外国人介護職員の受け入れが少しずつ広がっています。制度の仕組みや背景を知っておくことで、外国人職員とともに働く環境について理解を深めるきっかけになるかもしれません。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師