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介護保険の利用条件とは?対象サービスと申請から利用開始までの流れも解説

 公開日:2026/03/04
介護保険の利用条件とは?対象サービスと申請から利用開始までの流れも解説

介護保険制度は、介護や支援を必要とする方やその家族を支える重要な仕組みです。しかし、利用条件や対象サービス、申請手続きについて十分に理解されていないケースも少なくありません。

本記事では介護保険の利用条件について以下の点を中心に紹介します。

  • 介護保険を利用できる条件とは
  • 介護保険のサービスについて
  • 介護保険を受けるまでの流れ
介護保険の利用条件について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

介護保険の利用条件

介護保険の利用条件

介護保険とはどのような制度ですか?

介護保険とは、社会全体で介護や支援が必要な方を支えることを目的とした公的な保険制度です。

要介護または要支援の認定を受けた方が対象となり、訪問介護や訪問看護、通所サービスなどを利用した際の費用の一部が給付されます。

高齢化や家族構成の変化により、家族だけで介護を担うことが難しくなっている現状を背景に、2000年に制度が始まりました。

利用者の方の自立を重視し、自ら必要なサービスを選択でき、住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう仕組みが整えられています。

制度の運営は市区町村が担い、40歳以上の方が保険料を負担することで成り立っています。

介護保険を利用できるのはどのような方ですか?

介護保険が利用できるのは、次の条件を満たす方です。

原則として65歳以上の方(40歳以上65歳未満の方は、加齢に伴う特定疾病が原因で介護や支援が必要な場合に限り対象)
要介護または要支援認定を受けている(身体機能や認知機能の低下や生活動作に支障があり日常生活に支援や介護が必要な状態)

主な利用条件は、原則として要介護または要支援と認定された65歳以上の方です。
この年齢以上で日常生活に支援や介護が必要と判断されると、訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを受けられます。また、40歳〜64歳の方も条件によっては介護保険サービスを利用できます。

いずれも、介護保険を利用するには市区町村で要介護認定の申請を行い、認定を受けることが必要となり、認定の結果に応じたサービスと負担割合が決まります。

65歳未満の方はどのような場合に介護保険を利用できますか?

65歳未満の方が介護保険を利用できるのは、40〜64歳で公的医療保険に加入している第2号被保険者に該当し、国が定める特定疾病が原因で介護や支援が必要と認められた場合に限られます。

事故や一時的なけがなど、特定疾病以外を理由とする場合は対象になりません。

特定疾病(16種類)は、以下のとおりです。
● がん(末期)
● 関節リウマチ
● 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
● 後縦靱帯骨化症
● 骨折を伴う骨粗鬆症
● 初老期における認知症
● 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病関連疾患
● 脊髄小脳変性症
● 脊柱管狭窄症
● 早老症
● 多系統萎縮症
● 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
● 脳血管疾患
● 閉塞性動脈硬化症
● 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
● 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

上記の国が定める16疾病に該当し、その疾病が原因で要介護または要支援状態と認定された場合に、介護保険サービスを利用できます。

介護保険で受けられるサービスと利用開始までの流れ

介護保険で受けられるサービスと利用開始までの流れ

介護保険で受けられるサービスの種類を教えてください

介護保険で受けられるサービスは、利用者の生活状況や介護度に応じて大きく3つの種類に分けられ、選んで組み合わせられます。

まず、自宅で暮らしながら利用する在宅サービスです。ホームヘルパーによる訪問介護や訪問看護、リハビリ、日中に通所するデイサービス、短期間の宿泊サービス(ショートステイ)、福祉用具の貸与や購入支援、住宅の手すり設置などがあります。

次に、施設に入所して介護やリハビリを受ける施設サービスです。特別養護老人ホームや介護老人保健施設、医療と介護を両方受けられる介護医療院などの施設で、生活全般のサポートを受けられます。

さらに、地域の特性に応じた地域密着型サービスとして、小規模多機能型居宅介護や認知症対応のグループホームなど、地域内で一体的に支援を受けられるサービスもあります。

介護保険の申請方法を教えてください

介護保険を利用するには、要介護(または要支援)認定の申請が必要です。
まず、市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターに相談し、申請の流れを確認します。申請は本人だけでなく、家族や地域包括支援センター、居宅介護支援事業者などが代行することもできます。

申請時には、要介護(要支援)認定申請書、介護保険被保険者証、マイナンバー、申請者の本人確認書類などを提出します。40〜64歳の方は医療保険被保険者証も必要です。

申請後はどのような認定調査や手続きが行われますか?

介護保険の申請後は、要介護や要支援の程度を判断するための認定調査や審査が行われます。

まず、市区町村の認定調査員が申請者の自宅などを訪問し、身体の動きや認知面の状態、日常生活での困りごとについて聞き取りを行います。あわせて、市区町村から申請者のかかりつけ医へ依頼が行われ、心身の状態や疾病状況をまとめた主治医意見書が作成されます。

その後、訪問調査の内容をもとに一次判定が行われ、主治医意見書と併せて介護認定審査会で二次判定が実施されます。審査会では専門職が総合的に検討し、自立(非該当)または要支援と要介護の区分を決定します。

認定結果は原則として申請から1ヶ月以内に通知され、要介護や要支援と認定された場合は、ケアプランを作成して介護サービスの利用が始まります。

介護保険を利用する際の注意点

介護保険を利用する際の注意点

介護が必要でも介護保険を利用できないケースはありますか?

介護が必要な状態であっても、すべてのケースで介護保険が使えるわけではありません。
まず、入居している住まいの種類によっては、施設内のサービスが介護保険の対象外となる場合があります。

例えば、生活支援を中心とする住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホーム、特定施設に該当しないサービス付き高齢の方向け住宅、養護老人ホームなどでは、施設が提供する支援そのものに介護保険は適用されません。

この場合、介護が必要になった際は、外部の訪問介護事業者と個別に契約して保険サービスを利用します。

また、介護保険は日常生活の支援を目的としているため、必要性が認められない援助や過剰なサービスは対象外です。

家族のための家事、使用していない部屋の掃除、庭仕事やペットの世話、外出や旅行への付き添いなどは介護保険では利用できません。こうした支援が必要な場合は、全額自己負担となる介護保険外サービスを併用する方法もあります。

介護保険の利用条件で間違えやすい点を教えてください

介護保険の利用条件には、制度の仕組みを正しく理解していないと間違えてしまいやすい点があります。主なポイントを説明します。

①年齢と認定に関する誤解
繰り返しになりますが、介護保険は、40歳以上であれば誰でも使える制度ではありません。40〜64歳の方は、保険料を納めていても、国が定める特定疾病が原因で要介護や要支援認定を受けた場合に限って利用できます。

また、65歳以上の方も、年齢だけで自動的に対象になるわけではなく、要介護認定を受けていなければ介護サービスは利用できません

②サービス内容に関する誤解
介護保険は生活全般を支援する制度と思われがちですが、実際には支援範囲が限られています。

点滴や注射などの医療行為、買い物や通院への付き添い、本人以外の家族への支援、日常的な家事の全面代行などは原則として対象外です。介護保険は、本人の自立を支えるための支援に限定されています。

③費用と利用上限に関する誤解
在宅サービスには要介護度ごとに月ごとの支給限度額が設定されており、上限を超えた分は全額自己負担です。

また、住宅改修についても補助には上限があり、高額な工事すべてが保険でまかなわれるわけではありません。

このように、介護保険は万能な制度ではありません。そのため、医療保険や保険外サービス、地域の支援制度と組み合わせながら、状況に合った利用方法を検討しましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで介護保険の利用条件についてお伝えしてきました。介護保険の利用条件の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 介護保険が利用できるのは、原則65歳以上で要介護または要支援の認定を受けた方(もしくは40歳以上65歳未満で国が定める特定疾病により介護や支援が必要と認められた方)
  • 介護保険で受けられるサービスは、利用者の生活状況や介護度に応じて在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスなどの種類に分けられる
  • 介護保険は、要介護(または要支援)認定の申請、認定調査や審査、区分決定、ケアプランの作成、介護サービスの利用開始という流れ
高齢化が進むなか、「介護が必要になったらどうすればいいのか」という課題は誰にとっても身近なテーマになっています。介護保険制度のポイントを押さえておけば、いざというときに慌てず行動できます。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修社会福祉士