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サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?ほかの施設との違いや費用の目安、選び方のポイントを解説

 公開日:2026/02/17
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?ほかの施設との違いや費用の目安、選び方のポイントを解説

日本は超高齢社会を迎え、高齢の方の住まい方にも多様な選択肢が求められるようになりました。そこで注目されているのが、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)です。自立した高齢の方が安心して暮らせるバリアフリー対応の賃貸住宅であり、見守りや生活相談といったサービスが付帯しています。本記事では、サ高住の定義や役割、提供されるサービス内容、ほかの高齢の方向け施設との違い、費用の目安、そして探し方・選び方のポイントまで解説します。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは

サ高住という言葉を初めて聞く方もいるかもしれません。本章では、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とはどのような住まいなのかを説明し、その定義や果たす役割を解説します。

サ高住の定義

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢の方の居住安定を目的として2011年に創設された公的制度上の住宅形態です。法律上は、高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)に基づく登録制の住宅であり、原則として段差のないバリアフリー構造を備え、安否確認生活相談サービスを提供することが義務付けられています。

自宅での生活に不安を感じ始めた高齢の方が主な対象で、単身または夫婦で入居することが想定されています。従来、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)や高優賃など類似の制度が存在しましたが、サ高住への一本化によって基準が統一され、設備面やバリアフリー構造など厳格な基準が設けられました。

サ高住の役割

サ高住が果たす役割は、高齢の方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる住まいを提供することです。自宅で生活するには不安があるものの、すぐに特別養護老人ホームなどの介護施設に入るほどではない方にとって、サ高住は自立した生活と見守りの両立を図れる場です。

サ高住には日中にケアの専門家が常駐し、安否確認や生活相談に応じてくれます。また、必要に応じて外部の介護サービスを利用できる仕組みになっており、要介護状態になっても在宅サービスを受けながら暮らし続けることが可能です。

このようにサ高住は、高齢の方ができる限り自立的な生活を維持しつつ、介護が必要になった際にも迅速につなげられる地域密着型の暮らしの場といえます。

サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容

サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容

サ高住で提供されるサービスは、法律によって最低限これだけは提供しなければならないという項目が定められています。以下に義務付けられている基本サービスを挙げます。

  • 各居室を巡回や緊急通報装置を通じての入居者の様子確認
  • 日常生活上の困りごとや介護・健康に関する相談

こうした基本サービスに加え、多くのサ高住ではオプションサービスも用意されています。例えば、食事の提供や家事援助サービス、通院の付き添いといった日常生活支援を外部の介護事業者と連携して提供している場合が一般的です。

さらに、介護が必要な状態になった場合には、訪問介護(ホームヘルプ)やデイサービスなどの介護保険サービスを個別契約して利用できます。サ高住自体は介護保険施設ではないため、職員が直接行う身体介護は義務ではありませんが、サ高住にデイサービスや訪問看護ステーションを併設しており、入居者は住みながら必要な介護サービスを受けられる体制が整っています。

サービス付き高齢者向け住宅とほかの施設の違い

サービス付き高齢者向け住宅とほかの施設の違い

高齢の方向けの住まいや介護施設にはさまざまな種類があり、一見するとサ高住と混同しがちです。ここでは、サ高住がほかの代表的な施設とどのように異なるかを整理します。

サ高住と有料老人ホームの違い

サ高住と民間の有料老人ホームは混同されやすいですが、制度上もサービス内容も大きく異なります。主な違いは下記のとおりです。

項目 サ高住(サービス付き高齢者向け住宅) 民間の有料老人ホーム
位置づけ 賃貸住宅 介護・生活支援付き施設
所管 国土交通省 厚生労働省
契約形態 賃貸借契約 施設利用契約
住まいと介護 住居と介護サービスが分離 住居と介護・生活支援が一体
基本サービス 安否確認・生活相談 食事、清掃、見守り、レクリエーションなど
介護サービス 必要に応じ外部サービスを個別契約 介護付きは施設内で24時間提供
スタッフ配置 一般型は夜間常駐義務なし(緊急時は駆けつけ)
※介護型は常駐あり
介護付きは24時間常駐住宅型でも夜間見守り体制あり
入居対象 自立~軽度要介護(主に60歳以上) 自立~重度要介護まで幅広い
認知症対応 施設により制限あり 対応可能な施設が多い
初期費用 敷金程度がかかる 入居一時金が必要な場合あり
月額費用 家賃+管理費+必要なサービス費(利用分) 食費・基本サービス料込み
向いている人 自立性・自由度を重視したい方 将来の介護も含め安心して暮らしたい方

以上のように、サ高住は住まい重視で、必要なサービスを自分で組み合わせるのに対し、有料老人ホームは介護・生活支援付きの住まいとしてパッケージ化されている違いがあります。

特養、老健、介護医療院、グループホームとの違い

次に、サ高住と公的な介護保険施設などとの違いをポイントごとに解説します。特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、グループホームとの違いは下記のとおりです。

施設種別 サ高住との主な違い
特別養護老人ホーム(特養) ・要介護3以上の重度者が対象
・施設内で24時間介護を提供
・終身利用が前提の生活施設
・賃貸ではなく介護保険施設の利用契約
介護老人保健施設(老健) ・在宅復帰を目的とした短期入所施設(原則3〜6ヶ月程度)
・医療管理やリハビリが中心
・状態が安定すれば退所が前提
介護医療院 ・施設内で常時医療ケアと介護を一体提供
・医療依存度の高い方が対象
・外部連携が基本のサ高住とは医療体制が大きく異なる
グループホーム ・認知症の方が対象の専門施設
・少人数での共同生活
・日常生活全般に見守り
・介助あり

以上のように、サ高住はより元気な方のための住宅であり、要介護度が上がったり医療ニーズが高まったりする場合にはほかの施設の利用が必要になることもあります。

サービス付き高齢者向け住宅にかかる費用の目安

サービス付き高齢者向け住宅にかかる費用の目安

サ高住へ入居を検討する際、気になるのは費用面でしょう。本章ではサービス付き高齢者向け住宅に入居する際の主な費用について、入居時と月額それぞれの目安を解説します。

サ高住の入居時にかかる費用

サ高住の入居一時費用(初期費用)として必要になるのは、主に敷金前払い金です。一般型サ高住では、敷金が家賃の2~3ヶ月分程度に設定されるのが一般的で、関東圏では数十万円程度が相場となっています。礼金や入会金が不要な施設が多く、初期費用は数ヶ月分の家賃に抑えられる点が特徴です。敷金は退去時に原状回復費用などを差し引いたうえで返還され、一般的な賃貸住宅と同様の扱いです。

一方、介護型サ高住では、敷金に加えて前払い金(入居一時金)が必要となることが多く、初期費用は数十万円から数百万円に及ぶことがあります。前払い金は将来の家賃を先払いする性格の費用で、数年分の家賃相当額をまとめて支払う仕組みです。その分、毎月の家賃が抑えられる場合がありますが、入居時の経済的負担は大きくなります。なお、前払い金には償却期間や中途退去時の返金ルールが定められているため、契約前に内容を十分確認することが重要です。

月額費用の目安

サ高住の月額費用は、家賃・共益費などの居住費と生活支援サービス費、そして食費や介護サービスなどの実費負担で構成されます。そして、一般型と介護型では費用体系が異なります。

一般型サ高住の月額費用は10~30万円程度で、家賃や管理費は固定費です。安否確認や生活相談は管理費に含まれることが多く、食費は利用分のみの実費負担です。居室にキッチンがあれば自炊も可能で、介護サービスを利用した場合は自己負担分が別途かかります。

介護型サ高住では、月額15~40万円程度が目安となり、食費や介護サービス費が定額で含まれるケースが多くなります。生活費・食費・介護費が一体となった料金体系のため費用は高めですが、手厚い支援を受けられる点が特徴です。

このほか、医療費や日用品費、理美容代、オプションサービス費などは別途自己負担となるため、契約前に費用の内訳を確認しておくとよいでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅|利用するメリットと注意点

サービス付き高齢者向け住宅|利用するメリットと注意点

サ高住には以上のような特徴がありますが、実際に利用を検討するにあたって知っておきたいメリットと注意すべき点があります。ここではサ高住を利用する主な利点と、事前に理解しておくべきポイントを整理します。

サ高住を利用するメリット

サ高住ならではのメリットとして、以下のような点が挙げられます。

  • 有料老人ホームなどに比べて初期費用の負担が小さい
  • 自宅にいるのと近い感覚で暮らせるため生活の自由度が高い
  • バリアフリーで安全・快適に生活できる
  • 夫婦で入居できる

このようにサ高住は元気な方が主体性を持って暮らせることを前提に、安全網が付いた住まいです。忙しい方でも通院や介護サービス利用がワンストップでできる利便性もあり、近年人気が高まっています。

利用する前に知っておきたい注意点

一方で、サ高住にはいくつか注意すべき点やデメリットも存在します。事前に理解しておくことで、後のミスマッチを防ぐことができます。

  • 重度の介護や医療には対応が難しい
  • 夜間の緊急対応は最低限の見守りのこともある
  • サービス範囲が限られるため、追加費用がかかる可能性がある
  • 認知症への対応が困難なこともある

以上の点に注意しつつ、自身や家族の状況にサ高住が適しているか検討しましょう。サ高住には明確な適用範囲と限界がありますので、「何を優先したいか」「将来どう備えるか」を踏まえて選択することが大切です。

サービス付き高齢者向け住宅|探し方と選び方のポイント

サービス付き高齢者向け住宅|探し方と選び方のポイント

サ高住への理解が深まったところで、実際にサ高住を探す方法や選択時のポイントについて解説します。日本全国に数千件のサ高住があり、自分に合った物件を見つけるには情報収集と比較検討が欠かせません。

サ高住の探し方

サービス付き高齢者向け住宅を探す方法として、主に次の3つが挙げられます。

  • 担当ケアマネジャーに相談する
  • 地域の包括支援センターや医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談する
  • インターネットで検索・民間の紹介センターを利用する

これらを上手に組み合わせ、候補となるサ高住のパンフレット取り寄せや見学予約を行いましょう。特に人気エリアの物件は満室の場合も多いので、早め早めの情報収集が肝心です。また、体験入居を受け付けているサ高住もありますので、実際に短期間過ごしてみて雰囲気をつかむのもよいでしょう。

サ高住の選び方のポイント

複数の候補からどのサ高住に決めるか検討する際は、以下の5つのポイントを確認しましょう。

検討ポイント 確認すべき内容
立地 ・スーパー・病院・銀行など生活施設の近さ
・交通の便のよさ
・家族が面会に来やすい場所か
・住み慣れた地域かどうか
費用 ・家賃・管理費・サービス費の総額が予算内か
・敷金・前払い金の有無と金額
・食費や介護サービスの料金体系
・支払い方式(月払い・前払い・選択制)
サービス内容 ・見守り・生活相談以外の提供サービス
・食事提供の有無と内容
・併設・連携している介護事業所の種類
・夜間の緊急対応体制
・レクリエーションの有無
居住環境 ・居室の広さ・間取り・日当たり・収納
・トイレ・浴室・ミニキッチンの有無
・食堂・浴場など共用部の清潔さ・使いやすさ
・入居者の年齢層や施設の雰囲気
一般型/介護型 ・現在の自立度に合っているか
・将来の介護・看護ニーズへの対応可否
・介護型の場合の費用水準
・看取り対応の有無やサービス範囲

これらのポイントを総合的に検討し、優先順位を明確にすることが大切です。「立地は妥協できないが費用は多少上乗せ可能」「サービスより費用重視」など自分や家族の希望条件を整理し、最終的に納得のいくサ高住を選びましょう。可能であれば複数の候補を実際に見学し、スタッフの対応や入居者の表情など現場の空気感も確認するとよいでしょう。

まとめ

まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、自立した生活の自由度と見守りの安心感を両立した方向けの住まいです。元気なうちから将来に備えて住み替えたい人の受け皿として、近年注目が高まっています。一方で、介護や医療は包括的ではないため、重度化した場合の対応範囲や追加費用には注意が必要です。サ高住の特徴やほかの介護施設との違いを理解し、将来を見据えて選択することが大切です。施設選びでは複数の物件を見学し、専門家にも相談しながら、自分に合った安心できる住まいを見つけましょう。

この記事の監修社会福祉士