要支援は買い物支援サービスを受けられる?利用可能な条件や頻度、手続きを解説

要支援の方でも、日常生活のサポートを受けることは可能です。自宅近くに店が少ない地域では週1回の買い物さえ難しいことがありますよね。介護度が軽い要支援でもこうした問題を抱えやすいため、国も支援策を充実させています。本記事では要支援の方が利用できる生活サポートサービス、とりわけ買い物支援サービスに焦点を当て、その内容や利用条件、サービスを受ける手続きや頻度、費用について解説します。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
要支援で受けられる生活サポートに関するサービス

要支援の認定を受けると、生活に関するサポートを受けることができますか?
要支援1・2は要介護より軽度ですが、買い物や掃除などの家事、立ち上がりや歩行など一部の動作に支援が必要な状態を指します。そのため、介護が全面的に必要なわけではなくても、心身機能の低下を予防する目的で公的な支援が受けられる仕組みになっています。
要支援認定を受けると、掃除・洗濯・調理・買い物などの生活援助を中心とした介護予防訪問介護(訪問型サービス)や、デイサービス(介護予防通所介護)での機能訓練、一部の福祉用具のレンタルや住宅改修など、自立した生活を維持するためのサービスが利用できます。
なぜ要介護ではないのに、さまざまな支援を受けられるのですか?
要支援1・2に認定された方は基本的な日常動作は自立していますが、一部に不安や時間がかかる部分があり、早めに支援を行うことで心身の機能低下を防ぐ狙いがあります。例えば、買い物や家事を無理して続けることで転倒などの事故につながる可能性がある場合、要支援の段階からヘルパーなどによるサポートを受ければ、安全に生活を続けられます。
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)と呼ばれる市町村主体の仕組みもあり、要支援者には地域の実情に合わせた多様な支援サービスが提供されます。要介護認定ではない軽度者にも支援を行うことで、将来的な介護度の重度化を防ぐのが目的です。介護保険の対象になるサポートの内容を教えてください
要支援で受けられる買い物支援サービスの内容

要支援でも買い物支援サービスを受けることはできますか?
例えば、「一人で店まで行くのが難しい」「重い荷物を運べない」といった場合、ケアマネジャーに相談してケアプランに買い物支援サービスを入れてもらうことで、ヘルパーの力を借りて買い物ができるようになります。 介護保険を使うためには要支援認定を受けていることと、ケアプラン上に買い物支援の必要性が記載されていることが条件です。要支援の方でも必要性が認められれば、公的介護保険の枠内で買い物のサポートを受けることが可能です。
買い物支援サービスでは具体的にどのようなことをしてもらえますか?
一方、買い物代行は利用者本人は外出せずに、ヘルパーが預かった買い物リストをもとに一人で必要な物品を購入し、届ける支援です。こちらは利用者の生活必需品を代理で購入する生活援助として位置付けられます。
いずれの場合も購入できるのは日常生活に必要な最低限の品に限られ、嗜好品や家族のための品物は対象外です。また、サービス時間も限られるため、複数の店をはしごした大量の買い物や、重い家具などの運搬などは難しい点に注意が必要です。買い物支援サービスはあくまで利用者本人の自立した生活維持が目的のため、利用者の生活圏内で必要な食品や日用品の購入サポートが中心です。買い物支援サービスを利用できる時間や頻度を教えてください
また、要支援1・2の方の介護保険サービス利用には月ごとに上限額があり、使いすぎない範囲で頻度も調整されます。費用面では、介護保険適用サービスのため利用者負担は基本1割と低額です。例えば、生活援助中心のホームヘルプサービスの場合、30〜60分程度の利用1回につき利用者負担はおよそ250~400円です。ただし、所得が高い場合は2割または3割負担になる制度のため、ご自身の負担割合に応じて費用も変わります。いずれにせよ、頻度・時間はケアプラン内で調整されますので、希望があればケアマネジャーに相談してみましょう。
参照:『訪問介護』(厚生労働省)要支援で買い物支援サービスを受けるまでの流れと手続き

要支援で買い物支援サービスを受けたい場合、誰に相談すればよいですか?
買い物支援サービスを受けるまでに必要な手続きを教えてください
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① 相談・申請 | ・地域包括支援センターまたは市町村窓口に相談 ・要支援認定がない場合は介護保険の要介護認定申請を行う |
| ② 認定調査 | ・市区町村職員による訪問調査 ・主治医の意見書をもとに要支援または要介護度の判定 |
| ③ ケアプラン作成 | ・認定結果が要支援と確定後、担当ケアマネが面談 ・困りごとや希望サービスを聞き取る ・ケアプランに買い物支援サービス(訪問型サービス)を組み入れてもらう |
| ④ 契約・サービス開始 | ・ケアプランに沿って訪問介護事業所と契約 ・契約後、ヘルパーによる買い物支援が開始 ・初回利用時に買い物リストやお金の受け渡し方法などを確認しながら進める |
なお、サービス利用開始後も定期的にケアマネジャーがモニタリングを行い、必要に応じてプラン調整をしてくれます。まずは早めに相談し、所定の手続きを踏むことが大切です。
要支援の買い物支援サービスにはどの程度の費用がかかりますか?
編集部まとめ

要支援認定を受けている方は、元気そうに見えても日常のいくつかの場面で困難を抱えていることがあります。特に買い物は重い荷物を持ったり遠出したりする負担が大きいため、無理をせず支援サービスを活用することが大切です。介護保険の買い物支援サービスを使えば、低負担で必要な食品や日用品の購入をサポートしてもらえます。要支援という軽度の段階から適切な支援を受けることで、事故のリスクを減らし、自分らしい生活を長く続けることにもつながります。サービスを利用するには地域包括支援センターやケアマネジャーへの相談が第一歩です。困りごとを遠慮なく伝えて、行政や専門職の力を借りながら生活の質を維持していきましょう。「まだ要介護じゃないから」と我慢せず、使えるサポートは上手に使うことが、結果的に自立を守ることにつながります。



