目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 介護TOP
  3. コラム(介護)
  4. 要支援で生活援助は受けられる?利用できる条件やサービス内容、利用料を解説します

要支援で生活援助は受けられる?利用できる条件やサービス内容、利用料を解説します

 公開日:2026/02/13
要支援で生活援助は受けられる?利用できる条件やサービス内容、利用料を解説します

年齢を重ねると、掃除や洗濯、買い物などの家事が今までどおりにいかず負担に感じることがあります。要支援の認定を受けている場合、介護保険の生活援助サービスでそうした家事の支援を受けられるのでしょうか。本記事では、要支援の方が利用できる生活支援サービスの内容や条件、利用手続きや費用の目安について解説します。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

プロフィールをもっと見る
・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

要支援で受けられる生活援助のサービスとは

要支援で受けられる生活援助のサービスとは

介護保険の生活援助とは何ですか?

生活援助とは、訪問介護(ホームヘルパー)が行う家事支援サービスのことです。利用者の自宅で、掃除や洗濯、調理、買い物代行など日常生活の家事全般を支援します。入浴や排泄など身体的な介助を行う身体介護とは異なり、生活援助はあくまで掃除や調理など生活維持のための援助が中心です。高齢になって一人暮らしの親の家事が心配なケースなどで、このサービスが役立ちます。

要支援でも介護保険の生活援助は受けられますか?

要支援1・2に認定されている方は、残念ながら通常の訪問介護サービス(生活援助含む)を利用できません。訪問介護は要介護1~5の方向けのサービスとされており、要支援では対象外と規定されているためです。しかし、要支援向けに代替のサービスが用意されています。要支援の方は市町村が提供する介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスを利用することで、生活援助と同様の支援を受けることが可能です。

要支援で受けられる生活援助と同様のサービスはありますか?

はい、要支援の方向けには総合事業の訪問型サービスとして生活援助相当のサービスが提供されています。内容は従来の生活援助とほぼ同じで、ヘルパーなどが自宅を訪問して日常生活上困難な家事を代行・支援します。具体的には次のような支援が含まれます。
  • 掃除・洗濯・調理・買い物といった日常的な家事の援助
  • ゴミ出しや電球交換など高齢で困りやすい作業の手助け
  • 作業療法士などの専門職によるリハビリ指導や体力向上の助言
  • 外出時の付き添い・移動支援

これらのサービスは自治体主体の総合事業として提供されるため、地域の実情に応じた基準や料金が設定されている点が特徴です。また、サービス提供者も多様で、従来の介護事業所だけでなくNPOやボランティア団体が担う場合もあります。要支援の方でも、このように地域の支え合いによる生活援助サービスを利用できるので、家事の負担は一人で抱え込まずに支援を受けましょう。

要支援で受けられる介護予防・日常生活支援総合事業の内容

要支援で受けられる介護予防・日常生活支援総合事業の内容

介護予防・日常生活支援総合事業とは何ですか?

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)とは、要支援者や高齢の方が要介護状態に陥るのを防ぐことを目的に、市町村が中心となって提供する総合的な支援事業です。従来は国の制度だった介護予防事業を地域主体に移行させたもので、高齢の方の介護予防や生活支援サービスを包括的に実施します。 総合事業では地域の裁量でサービス内容や基準を定められるため、各自治体の状況に合わせた柔軟なサービス提供が可能です。要支援の方は介護予防・生活支援サービス事業(総合事業の一部)の対象者となり、地域の支援体制のなかで必要なサービスを受けることができます。

介護予防・日常生活支援総合事業で受けられる、日常生活に関するサービス内容を教えてください

介護予防・日常生活支援総合事業で提供されるサービスは大きく訪問型サービスと通所型サービスに分かれます。このうち日常生活に関する支援として主に利用されるのが訪問型サービスです。訪問型サービスでは、先述のような生活援助的な家事支援のほか、必要に応じて専門職による自立支援の指導外出時の付き添いなども行われます。 一方、通所型サービスではデイサービスセンターなどに通い、運動機能向上訓練入浴・食事提供などのサービスが受けられます。さらに総合事業には、地域のボランティアなどが担う住民主体の生活支援サービスや、要支援者のプラン作成を行う介護予防ケアマネジメントも含まれます。

要支援の場合、生活支援以外にどのようなサービスを受けられますか?

要支援の方が利用できるサービスは生活援助に限りません。介護予防サービス(予防給付)として、次のような種類のサービスを利用できます。
サービス区分 内容
訪問系サービス ・ホームヘルパーによる介護予防訪問介護(生活援助)
・訪問入浴サービス
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
通所系サービス ・デイサービスで運動機能訓練、入浴、食事提供などを受ける介護予防通所介護
・老健などでリハビリを行う介護予防通所リハビリ(デイケア)
短期入所サービス(ショートステイ) ・特養や老健などに短期間入所
・生活支援や医療ケアを受けられる介護予防短期入所生活介護・療養介護
福祉用具貸与・住宅改修 ・車いす、介護ベッドなどの福祉用具の貸与を利用可能
・手すり設置など自宅を安全にする住宅改修の費用補助あり
・自宅での生活継続をサポートする重要な制度

以上のように、要支援の状態でもさまざまなサービスを組み合わせて利用し、生活機能の維持向上や介護予防を図ることができます。適切なサービスを利用しておくことで、将来的に要介護状態へ進行するのを遅らせる効果も期待できます。

要支援で生活支援サービスを受けるための手続きと費用の目安

要支援で生活支援サービスを受けるための手続きと費用の目安

要支援でも受けられる介護保険サービスについて相談できる窓口はありますか?

はい、各自治体には高齢の方の総合相談窓口として地域包括支援センターがあります。地域包括支援センターでは高齢の方や家族からの介護に関するあらゆる相談を受け付けており、要支援の方の生活支援サービスについても気軽に相談できます。 また、お住いの市区町村役所の介護保険担当窓口でも要支援向けサービスの案内や申請手続きの相談が可能です。まだ要支援認定を受けていない場合でも、今後介護サービスを検討したいときはこれらの窓口でアドバイスを受けられます。まずはお近くの地域包括支援センターに連絡し、現状の困りごとや利用したいサービスについて相談してみましょう。

要支援の方が生活支援サービスを受ける際に必要な手続きを教えてください

要支援の方向けサービスを利用するには、まず要介護認定を受ける必要があります。手続きの大まかな流れは次のとおりです。
手順 内容
① 申請 ・市区町村の介護保険担当窓口で要介護認定を申請
・申請書・被保険者証など必要書類を提出
② 調査・審査 ・自治体職員による認定調査(訪問調査)が実施
・主治医意見書の提出
・これらをもとに要支援・要介護度が審査される
③ 結果通知 ・原則30日以内に認定結果が通知
・要支援1・2の場合は地域包括支援センターが担当窓口
④ 支援計画の作成 ・地域包括支援センターの保健師・主任ケアマネジャーと相談
・介護予防ケアプラン(支援計画)を作成
⑤ サービス利用開始 ・ケアプランに基づいて各サービス事業者と契約
・訪問・通所・短期入所などのサービス提供開始
・必要に応じてプランの見直しや調整を継続

以上が一般的な手続きの流れです。要支援認定からサービス利用開始までは、地域包括支援センターが中心となってサポートしてくれるので、わからないことは随時相談しながら進めるとよいでしょう。 参照:『サービス利用までの流れ』(厚生労働省)

要支援の生活支援サービスにかかる費用の目安を教えてください

要支援の方が介護保険サービスを利用する場合、費用の1割、あるいは一定以上の所得がある場合は2割または3割が自己負担です。介護保険には要介護度ごとに1ヶ月あたり利用できる支給限度額が定められており、要支援度ではより少額に設定されています。例えば、要支援1の場合、月額の支給限度額は約5万320円相当で、自己負担1割の方はその1割にあたる約5,000円が1ヶ月の利用上限自己負担の目安です。要支援2では限度額が10万5,310円と拡大し、自己負担1割なら約1万円までが月額自己負担の目安です。実際の費用は利用するサービスの量によって異なり、限度額を超えた分は全額自己負担です。なお、所得に応じて1割以外の負担割合になる場合もありますが、その場合でも必要以上に利用しなければ極端に高額にはなりません。まずはケアマネジャーなどに相談し、予算に合った範囲でサービスを利用するとよいでしょう。 参照:『サービスにかかる利用料』(厚生労働省)

編集部まとめ

編集部まとめ

要支援と認定されていても、介護保険を利用した生活支援サービスを受けることができます。サービス利用のためには要介護認定の申請が必要ですが、認定後は地域包括支援センターが中心となって適切なプラン作りを支援してくれます。利用者の自己負担は基本1割ですので、経済的にも大きな負担なくサービスを利用できます。要支援の段階から必要な支援を上手に活用し、できること・やりたいことを無理なく続けていくことが大切です。困ったときは地域の相談窓口を頼り、サービスを積極的に利用することで、住み慣れた地域で自立した生活をより長く維持していきましょう。

この記事の監修社会福祉士