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介護施設に入れる基準は?利用できる施設やサービスを要介護度(介護レベル)別に解説します

 公開日:2026/01/30
介護施設に入れる基準は?利用できる施設やサービスを要介護度(介護レベル)別に解説します

介護が必要な家族を抱え、「どのタイミングで施設に入れるべきか」と悩む方は少なくありません。介護施設ごとに入所条件が定められており、要介護度や年齢、認知症の有無、医療ニーズなどさまざまな要素が関係します。この記事では、それら介護施設に入れる基準を整理するとともに、施設の種類ごとのサービス内容、要介護度別に利用できる施設、認知症の方向けの施設基準、さらに迷ったときの相談窓口について解説します。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

介護施設に入れる基準

介護施設に入れる基準

介護施設への入所には、要介護度、認知症の有無、年齢、医療依存度、本人・家族の経済力といった入居条件を満たす必要があります。これらの条件は施設の種類によって重視されるポイントが異なります。以下でそれぞれの基準を解説します。

要介護度(介護レベル)

介護施設の入所基準として重要なのは要介護認定の度合いです。特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院などの介護保険施設では、基本的に要介護認定を受けていることが前提です。

例えば、特別養護老人ホーム(特養)は原則として要介護3以上が必要ですが、要介護1・2の方でも特例的な事情があれば入所が可能です。介護老人保健施設(老健)や介護医療院は要介護1以上が入所の基準です。

一方、民間の施設でも介護度が入所可否に影響し、認知症高齢者グループホームは要支援2以上(要介護1以上)から利用が可能です。有料老人ホームでは、自立している方から要介護5の方まで幅広く受け入れている施設も存在します。

参照:
『介護保険制度について』(厚生労働省)
『どんなサービスがあるの? - 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)』(厚生労働省)
『どんなサービスがあるの? - 介護医療院』(厚生労働省)
『どんなサービスがあるの? - 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)』(厚生労働省)

認知症の有無

認知症のある方かどうかも、施設選びに大きく影響する基準です。認知症があっても入所可能な施設は多く存在しますが、なかには専門の施設やサービスがあります。代表的な施設が認知症高齢者グループホームです。グループホームは認知症の方のみが利用できる施設であり、少人数の共同生活の場で手厚い認知症ケアを提供します。

また、有料老人ホームや特養でも認知症の方の受け入れは可能ですが、重度の認知症による問題行動がある場合などは施設側の対応力次第です。特養や介護付き有料老人ホームでは認知症の方の入居も想定していますが、専門スタッフが配置されたグループホームに比べると一般施設では認知症ケアの専門性が劣る場合があります。認知症がある方の場合、認知症ケアに力を入れている施設を選ぶとよいでしょう。

年齢

介護施設の多くは入居対象者の年齢条件を設けています。公的な介護保険施設は介護保険法の対象が65歳以上であるため、原則65歳以上でないと利用できません。ただし例外として、40歳以上65歳未満でも特定疾病に該当する場合は介護保険サービスの対象となり、施設入所が可能です。

民間の老人ホームでも、入居時年齢を65歳以上に設定しています。一方で、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のなかには、介護サービスを利用しない自立した方も入居できるため60歳未満でも入居可としている所もあります。

ご本人の状況によっては早い年齢から入居を検討できる施設も存在します。年齢条件は施設によってさまざまなので、規定に満たない場合でも一度相談してみる価値はあります。

医療への依存度

入居者の医療的ケアの必要性も重要な基準です。多くの介護施設は医療機関ではないため、常駐する医療職の配置は最小限に留まっており、重い医療ケアを前提とした体制にはなっていません。そのため、医療ニーズの高い方を受け入れるかどうかは施設ごとの看護体制や提携医療機関によって判断されます。

一般に、介護医療院介護療養型医療施設老健などは医師が常勤していて医療スタッフも配置されているため、医療依存度の高い方でも入所可能です。一方、特養や介護付き有料老人ホームでは、重度の医療ケアについては施設ごとに対応範囲が異なります。

入居前に胃ろう対応可、たん吸引可など受け入れ可能な医療行為を施設に確認し、必要に応じて医師が常駐する施設を検討しましょう。

本人・家族の収入

経済的な支払い能力もまた入所基準に入ります。介護施設は入居後に長期間にわたって利用料を支払い続ける必要があるため、入居時に収入や資産状況の確認を行う施設があります。これは将来にわたり費用を滞りなく支払えるかを見極め、途中で支払い不能となる事態を防ぐ目的です。

生活保護受給者や低所得の方でも入居できる施設は存在します。生活保護受給中であっても受け入れ可能かどうか、各施設に事前に確認するとよいでしょう。入居費用が心配な場合は自治体の福祉事務所や社会福祉協議会に相談すれば、公的な助成や低額な施設の情報を得られます。

介護施設の種類とサービスの違い

介護施設の種類とサービスの違い

介護施設には運営主体や提供サービスの内容によってさまざまな種類がありますが、大きく公的機関が運営する施設と民間企業が運営する施設に分けられます。両者は利用条件や費用負担、サービス内容に違いがあり、メリット・デメリットも異なります。ここでは、公的施設と民間施設それぞれの特徴を解説します。

公的機関が運営している介護施設

公的施設とは、介護保険制度に基づき自治体や社会福祉法人などが運営する施設です。代表的なものに以下があります。

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院
  • 介護療養型医療施設軽費老人ホーム

公的施設の特徴は費用負担が軽いこと基本的サービスが充実していることです。介護保険の給付対象となるため、自己負担は原則1~3割で済み、低所得者には減免制度もあります。ただし、入所条件が厳格で、要介護度や住所地による制限があり、希望しても入れないケースもあります。

民間企業が運営している介護施設

民間の介護施設とは、株式会社など民間事業者が運営する有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などを指します。主な種類は以下のとおりです。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 健康型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  • 認知症グループホーム(地域密着型)

民間施設のメリットは入居条件が緩やかで選択肢が多いこと、そしてサービスや設備が多様であることです。要介護度や健康状態に応じて、自立の方でも入れる住宅型や、重度の方まで対応する介護付きまでさまざまなタイプがあります。また、運営主体によってサービス品質の差もありますので、信頼できる事業者かどうか事前によく確認することが大切です。

要介護度別|入所・入居できる介護施設と受けられるサービス

要介護度別|入所・入居できる介護施設と受けられるサービス

要介護認定の区分によって、利用できる介護サービスや入所できる施設は異なります。ここでは要介護度別に、主に入居可能な施設と受けられる主なサービスを解説します。

要支援1・要支援2

要支援認定(要支援1・2)は、介護度の中では軽い状態です。日常生活の基本動作は自立しているものの、一部に見守りや支援が必要なレベルであり、利用できるサービスや施設が限られます。

介護保険の介護予防サービスとして、訪問介護やデイサービス(通所介護)などを利用できますが、介護保険施設への入所は基本できません。特別養護老人ホームや老健といった公的施設はいずれも要介護1以上が入居条件のため、要支援の段階では対象外です。

しかし、要支援の方でも、状況に応じて入居可能な民間施設はいくつかあります。例えば、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は要支援の方でも入居できます。これらの施設では日常生活の支援や見守り、食事提供などを受けながら生活でき、将来介護度が上がった場合にもスムーズにサービスを利用できる環境が整っています。

要介護1

要介護1は部分的な介助が必要な軽度な状態です。在宅生活が基本ですが、施設入居も選択肢です。入居可能なのは、主に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった民間施設です。介護付きなら介護サービス込み、住宅型やサ高住なら外部サービス利用で対応します。

特養や老健などの公的施設への入所は困難ですが、特例的に特養入所が認められるケースはあります。要介護1では民間施設を中心に、在宅サービスと施設入居を柔軟に検討するとよいでしょう。

要介護2

要介護2は、要介護1より介助範囲が広がり、歩行や排泄、入浴などに部分介助が必要なレベルです。公的施設への入所優先度は高まりますが、特養の入所は要介護3以上が原則で、要介護2での入所は限定的です。そのため、民間施設が主な選択肢です。要介護2であれば、民間施設でも自立度が高く活動しやすいでしょう。また、認知症がある場合は認知症対応型グループホームも検討可能です。要介護2では在宅サービスを充実させつつ、必要に応じて適切な民間施設に入居するのが現実的な選択肢です。

要介護3

要介護3以上は、特別養護老人ホーム(特養)などの公的施設への入所検討が本格化する目安です。特養は原則要介護3以上が対象となり、老健や介護医療院も受け入れ可能です。

要介護3は食事や排泄、移動など全面的な介助が必要となり、在宅介護の負担も大きくなります。民間では介護付き有料老人ホームなどがよいでしょう。費用面から公的施設を優先する方もおり、要介護3は施設入所の現実的なタイミングといえるでしょう。

要介護4

要介護4は、日常生活全般に全介助が必要な重度の状態で、介護施設での生活が適しているでしょう。特養では優先度が高まり、医療ニーズがあれば介護医療院なども適しています。民間施設では、常時介護が受けられる介護付き有料老人ホームがよい選択肢となるでしょう。また、終末期ケア対応の施設もあるため、最後までそこで暮らすことを前提に選ぶこともできます。

要介護5

要介護5は最重度で、常時全面的な介護が必要です。自力での生活は極めて困難で、自宅での生活は家族の負担がとても大きいため、通常は施設入所や病院での療養が選択されます。

受け入れ先としては、特別養護老人ホームに加え、医学的管理が可能な介護医療院介護療養型医療施設、状態によっては長期療養病床ホスピスなどの医療保険施設も選択できます。民間の介護付き有料老人ホームでも要介護5や看取りに対応している施設もあります。

ケアの質、医療対応力、費用負担を考慮し、特養、介護医療院、介護付き有料老人ホームなどから適切な施設を選びましょう。

認知症の方が介護施設に入れる基準

認知症の方が介護施設に入れる基準

認知症の方がグループホームを利用する場合、認知症の診断要支援2以上が必要で、原則として施設と同じ市町村の住民に限られます。グループホーム以外でも、特養や有料老人ホームなど多くの施設で認知症の方を受け入れていますが、徘徊や暴力などの周辺症状が重度だと入居を断られることがあります。その場合は、認知症専門棟精神科病院の認知症治療病棟を検討しましょう。

安心して生活できる施設を選ぶには、専門知識を持つ職員がいて、少人数で目が行き届くことが重要です。施設入所だけでなく、認知症カフェや地域包括支援センターなどで相談し、本人の症状に合った適切なケアを提供してくれる場所を見極めることが大切です。

介護施設への入所・入居について悩んだときの相談窓口

介護施設への入所・入居について悩んだときの相談窓口

家族の介護施設入所を検討する際、「どこに相談すればいいのかわからない」と感じることも多いでしょう。介護に関する相談先はいくつもあり、それぞれ専門分野があります。主な相談窓口とその特徴を解説します。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢の方の介護や福祉、医療に関する総合相談窓口です。全国の市町村に少なくとも1ヶ所設置されています。社会福祉士や保健師、主任ケアマネジャーといった専門職が配置されており、高齢の方の日常生活全般の悩みに対応します。介護サービスの利用方法や施設紹介、介護予防のアドバイス、介護保険の申請代行、さらには虐待の相談まで幅広く受け付けています。介護に関して困ったら、まずはお住まいの地域包括支援センターに連絡してみましょう。

市区町村の窓口

お住まいの市区町村役所の介護保険担当窓口もよい相談先です。市役所や区役所には介護保険課や高齢福祉課などの名称で、高齢の方を支援する担当部署があります。ここでは要介護認定の申請や各種手続き、介護サービスの制度説明などを行っています。また、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所の紹介も行っており、まず役所に相談すれば適切な地域包括支援センターを案内してもらえます。

医療機関の地域連携室

入院中の高齢の方の今後の療養先や介護サービス利用について相談したい場合は、病院内の地域連携室(医療相談室)を利用できます。多くの病院には医療ソーシャルワーカー(MSW)や看護師が担当する相談窓口があり、退院調整や介護施設への紹介を行っています。入院中あるいは療養中の方は、担当医や看護師に退院後の不安を伝えれば、地域連携室など専門部署につないでもらえるでしょう。

福祉事務所

経済的な理由で介護施設への入居費用が心配な場合は、自治体の福祉事務所で相談できます。特に生活保護を受給している方や、その可能性がある方は福祉事務所が窓口です。生活保護の相談・申請窓口は居住地を管轄する福祉事務所となっており、ケースワーカーが施設入所に関する相談に乗ってくれます。

また、生活保護でなくても低所得で施設費用が不安な場合、福祉事務所は介護保険の減免制度や社会福祉法人の利用者負担減免について案内してくれます。経済面で悩んだら遠慮なく福祉事務所に相談しましょう。

民生委員

お住まいの地域の民生委員も身近な相談相手です。民生委員は厚生労働大臣から委嘱された地域ボランティアで、地域住民の福祉向上のために活動しています。高齢の方や障害者、子どもなど困りごとを抱える方の最初の相談窓口となり、必要に応じて行政や専門機関につなぐのが主な役割です。民生委員は各町内会区域など身近な単位に配置されており、普段から高齢の方の自宅を見守り訪問していることもあります。まずは町内の民生委員さんに声をかけてみるのもよいでしょう。

まとめ

まとめ

介護施設への入所基準は、要介護度や年齢、認知症の有無など多岐にわたります。また、それに応じたさまざまな施設があるため、それぞれのメリットやデメリットをよく見極めて選択する必要があります。施設選びは長期的な生活を決める重要な決断です。地域包括支援センターなどの相談窓口や専門家の助言を活用し、本人に適切な施設やサービスを選択することが大切です。

この記事の監修社会福祉士