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要支援でデイサービスは利用可能?デイケアとの違いや利用方法、メリットを解説

 公開日:2026/01/10
要支援でデイサービスは利用可能?デイケアとの違いや利用方法、メリットを解説

ご家族やご自身が要支援の認定を受け、「デイサービスは利用できるのだろうか」と考えている方もいるのではないでしょうか。いざ調べ始めると、デイケアなど似たサービスや、利用回数、費用の仕組みなど、わからない点が多く戸惑うかもしれません。
この記事では、要支援の方が利用できるデイサービスとデイケアの違いや、具体的な利用頻度、費用の目安を解説します。サービスを活用するメリットや利用開始までの流れもふまえて、ご本人やご家族が納得してサービスを選べるよう、ぜひ参考にしてください。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

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・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

要支援で利用できるデイサービスとデイケア

要支援で利用できるデイサービスとデイケア

要支援の方が日帰りで利用できる通所サービスにはデイサービスデイケアがありますが、どちらか一方のみの利用が原則です。ここでは、それぞれの特徴と選択方法を解説します。

デイサービス|通所介護

デイサービス(通所介護)は、利用者の心身機能の維持や社会的な孤立感の解消、ご家族の介護負担軽減などを目的としています。要支援の方には、介護予防を主な目的としたサービスが提供されます。

施設では食事や入浴などの支援のほか、機能訓練やレクリエーションが行われます。専門的なリハビリよりも、他者との交流や生活の質の維持に重点が置かれている点が特徴です。

デイケア|通所リハビリテーション

デイケア(通所リハビリテーション)は、医師の指示に基づき、心身機能の維持・回復を目指す医療色の強いサービスです。理学療法士や作業療法士などの専門職が配置され、一人ひとりの状態に合わせた専門的なリハビリテーションを受けられます。

病気やけがの後など、身体機能の具体的な回復を目標とする方に適しています。

デイケアとデイサービスの違い

デイサービスとデイケアの主な違いを、以下の表にまとめました。

項目 デイサービス
(通所介護)
デイケア
(通所リハビリテーション)
主な目的 心身機能の維持、社会的孤立感の解消 心身機能の維持・回復
サービス内容の中心 レクリエーション、機能訓練 専門職によるリハビリテーション
医師の指示 不要 必要

デイサービスは社会参加や生活支援の場、デイケアは専門的なリハビリを行う医療の場という点が大きな違いです。どちらのサービスが適しているか迷う場合は、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に相談し、実際に施設を見学して雰囲気を確認しましょう。

要支援の方向けのデイサービス・デイケアの利用頻度と費用

要支援の方向けのデイサービス・デイケアの利用頻度と費用

デイサービスやデイケアの利用を検討する際、頻度や費用は重要なポイントです。要支援の区分ごとに支給限度額が設定されており、その範囲内で利用頻度や料金が決まります。

サービスの利用回数

介護保険の範囲内で利用する場合、一般的な利用頻度の目安は以下のとおりです。

  • 要支援1:週に1回程度
  • 要支援2:週に2回程度

参照:『介護予防・日常生活支援総合事業 Q&A』(厚木市)

実際の利用回数はお住まいの市町村の基準とケアプランに基づいて調整されます。事業所によっては受け入れ人数に限りがあり、すぐに利用できない場合もあります。ケアマネジャーへ相談し、複数の事業所の検討をおすすめします。

サービスにかかる費用の目安

要支援の方のデイサービスやデイケアの料金は、月の利用回数に関わらず一定額となる月額定額制です。そのため、自己都合で休んだ場合でも、原則として月額料金の支払いは必要です。
以下は、1ヶ月あたりの自己負担額の目安です(自己負担1割の場合)。

区分 デイサービス
(介護予防通所介護)
デイケア
(介護予防通所リハビリテーション)
要支援1 約1,600円~2,000円/月 約2,000円~2,700円/月
要支援2 約3,400円~4,000円/月 約4,000円~5,200円/月

参照:『介護予防・日常生活支援総合事業費 単位数サービスコード表』(WAM NET 独立行政法人 福祉医療機構)

この基本料金とは別に、食費やおむつ代などの日常生活費は全額自己負担です。事業所によって金額が異なるため、契約前に見積もりで総額を確認しましょう。

また、自治体によっては、独自の基準を設け複数の通所サービスを組み合わせて利用できる場合があります。利用の可否やルールについては、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や、担当のケアマネジャーにご確認ください。

要支援でデイサービス・デイケアを活用するメリット

要支援でデイサービス・デイケアを活用するメリット

要支援と認定されても、ご家族からみれば日中の生活に不安を感じるものです。「社会とのつながりを持ち続けてほしい」「仕事で家を空ける間、安全に過ごしてほしい」といった、ご本人を想うからこその悩みも少なくありません。

要支援の方向けのデイサービスやデイケアは、こうしたご本人やご家族の想いに応える多くの利点があります。ここでは、サービスを活用する主なメリットを解説します。

社会とのつながりが保たれる

年齢を重ねると、外出の機会が減り、社会的に孤立しがちです。デイサービスやデイケアは、ご自宅と家族以外の第三の居場所として、社会とのつながりを保つ大きな役割を果たします。

施設に通い、ほかの利用者や職員との定期的な交流は、ご本人の孤独感を和らげます。実際に、通い始めてから表情が明るくなったり、デイサービスの日を楽しみに朝から身なりをきれいに整えて送迎を待つようになったりと、生活によいメリハリが生まれる方は少なくありません。

食事や入浴など日常生活のサポートを受けられる

要支援の段階では、身の回りのことはご自身でできる一方、入浴や栄養バランスの取れた食事の準備など、一部の活動に不安を感じる場面が出てきます。

デイサービスやデイケアでは、介護の専門職が見守る安全な環境で安心して入浴ができます。例えば、ご自宅での一人の入浴は心配なので、デイサービスで安全に入浴し、それ以外の日はシャワーで済ませるなど、生活のリスク管理に活用しているご家庭も多くあります。また、施設で提供される温かい食事は、低栄養の予防や健康維持に役立ちます。

家族介護者の負担が軽減できる

ご家族の介護は、身体的な負担だけでなく、常に気にかけていなければならないという精神的な負担も大きいものです。

デイサービスやデイケアの利用は、ご家族自身の時間を確保し、心身の負担を軽くするためにも有効です。ご本人が施設で安全に過ごしている間、ご家族は安心して仕事に集中したり、休息をとったりできます。介護から少し離れてリフレッシュする時間を持つことは、精神的なゆとりを生み出します。そのゆとりが、結果としてご本人へより穏やかに接することにつながり、良好な家族関係の維持にも役立ちます。

要支援で受けられる介護保険サービスの全体像

要支援で受けられる介護保険サービスの全体像

デイサービスやデイケアのほかにも、要支援の方が在宅生活を続けるために利用できる介護保険サービスは複数あります。状況に応じて組み合わせることで、より安心して暮らせます。
ここでは、要支援の方が利用できる主なサービスを種類別に解説します。

訪問型サービス

専門スタッフが自宅を訪問し、必要なサポートを提供するサービスです。主なサービスの内容は以下の表のとおりです。

サービスの種類 内容
介護予防訪問介護 ヘルパーが訪問し、掃除、調理、買い物などの日常生活を援助
介護予防訪問入浴介護 自宅での入浴が難しい場合に、専用浴槽を持ち込み入浴を介助
介護予防訪問看護 医師の指示に基づき、看護師が訪問して健康状態の確認や医療的ケアを実施
介護予防訪問リハビリテーション 医師の指示のもと、理学療法士などが自宅を訪問してリハビリを実施

訪問型サービスにおいては、専門スタッフが自宅を訪問し、必要なサポートを提供します。日常生活のサポートを中心に健康管理やリハビリなど、要介護状態を予防するためのサービスを受けることができます。

通所型サービス

ご本人が施設に通い、日帰りで利用するサービスです。社会参加の機会も得られます。代表的なサービスを以下の表にまとめました。

サービスの種類 内容
介護予防通所介護
(デイサービス)
食事や入浴の支援、レクリエーションなどを通じて他者との交流を図る
介護予防通所リハビリテーション
(デイケア)
医師の指示のもと、専門職によるリハビリで身体機能の維持・回復を目指す

通所型サービスは、ご本人が施設に通い、日帰りで利用するサービスです。定期的もしくは必要なときに施設に通うことで、ご本人の社会参加の機会が増えます。

宿泊型サービス

ご家族の病気や休息(レスパイトケア)などで、一時的に介護ができない場合があります。そのような場合に利用できるのが、介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)です。特別養護老人ホームなどに短期間宿泊し、食事や入浴といった日常生活上の支援を受けられます。

入居型サービス

要支援の方は在宅生活が基本のため、入居できる施設は限られます。入居を検討できる主な施設は以下のとおりです。

施設の種類 内容
軽費老人ホーム
(ケアハウス)
自立した生活に不安がある方向けに、食事の提供や緊急時対応などを実施
有料老人ホーム 住宅型健康型の施設では、要支援の方も入居できる場合がある

要支援の方は在宅生活が基本のため、入居できる施設が限定されます。

福祉用具のレンタル・購入

在宅での自立した生活を支えるサービスですが、要支援の場合、利用できる品目は限られます。具体的なサービス内容は以下の表で確認できます。

サービスの種類 内容
レンタル
(介護予防福祉用具貸与)
対象は手すり、歩行器、歩行補助つえなど。ベッドや車いすは原則レンタル不可
購入
(介護予防福祉用具購入)
腰掛便座や入浴補助用具などを、年間10万円を上限に自己負担1割〜3割で購入可能

上記の福祉用具は、歩行が困難な方、移動に支援が必要な方など、一定の条件を満たしている場合に介護保険サービスの給付を受けることができます。

要支援の方がデイサービス・デイケアを利用するまでの流れ

要支援の方がデイサービス・デイケアを利用するまでの流れ

実際にサービスを開始するまでにはいくつかの手順があります。全体の流れを事前に把握しておくと、手続きをスムーズに進められます。
ここでは、要支援の方がサービス利用を開始するまでの一般的な流れを解説します。

ケアマネジャーに相談する

サービス利用の最初の窓口は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターです。在籍しているケアマネジャーに、「日帰りで通えるサービスを利用したい」と希望を伝えます。
相談の際には、ご本人の心身の状態や「リハビリを頑張りたい」「交流したい」といったご希望を具体的に伝えると、状況に合った事業所をみつけやすくなります。

利用施設を見学する

ケアマネジャーから候補の事業所を紹介されたら、事前に見学しましょう。パンフレットだけではわからない施設の雰囲気や、スタッフ、利用者の様子を直接確認することが大切です。
見学時には、一日のスケジュールや活動内容などを具体的に質問しましょう。複数の施設を見学し、ご本人が「ここなら通いたい」と納得できる場所を選ぶことが、利用の長続きにつながります。

主治医の指示書等が必要な場合は作成してもらう

デイケア(通所リハビリテーション)の利用を希望する場合、主治医からの指示書が必要です。デイケアは医療的なリハビリを行うため、「リハビリテーションが必要である」という医師の判断が求められます。

ケアマネジャーや事業所からの案内にしたがって、かかりつけの医療機関に書類の作成を依頼します。なお、デイサービス(通所介護)の利用では、原則として医師の指示書は不要です。

施設側と面談・契約する

利用したい施設が決まったら、施設の担当者と面談します。多くの場合、担当者がご自宅を訪問し、ご本人の状況の聞き取りやサービス内容の詳細な説明をします。

説明内容に納得できたら、サービス利用契約を結びます。契約の際には、料金や緊急時の対応などが記載された重要事項説明書をよく確認し、疑問点があればその場で質問しましょう。

介護予防ケアプランを作成してもらう

契約後、地域包括支援センターのケアマネジャーが、具体的なサービス計画書である介護予防ケアプランを作成します。このプランには、利用するサービスの種類や頻度、目標などが盛り込まれます。
ご本人とご家族がプランの内容に同意して初めて、サービスの利用が正式に開始できます。

まとめ

まとめ

要支援の方が利用できる通所サービスには、生活支援が中心のデイサービスと、リハビリを目的とするデイケアがあります。ご本人の状態やご希望に応じて、どちらか一方を選択することが最初のステップです。
これらのサービスは、ご本人の心身機能の維持だけでなく、ご家族の介護負担を軽減できるメリットがあります。費用は月額定額制で、これに食費などの実費が加わる点を理解しておきましょう。
サービスの選択や利用開始までの手続きには、専門的な視点が必要です。まずはお住まいの地域包括支援センターに相談し、ケアマネジャーと一緒に検討を進めることが大切です。

この記事の監修社会福祉士