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介護のために休職が必要になったら|取得条件や必要な手続きを解説します

 公開日:2026/05/05
介護のために休職が必要になったら|取得条件や必要な手続きを解説します

家族の介護が必要になり「仕事と両立できるか不安」と悩んでる方もいるのではないでしょうか。そのようなときは、介護休業制度を活用してみましょう。しかし、取得条件や申請の手順、休職中の収入を支える給付金の仕組みなど、わからないことも多いかと思います。

本記事では介護で休職する場合について以下の点を中心に紹介します。

  • 介護で休職したいときに利用できる制度
  • 介護休職期間中の給付金
  • 介護で休職する際の注意点
介護で休職する場合について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
高山 哲朗

監修医師
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

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【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護を理由とした休職の取得条件

介護を理由とした休職の取得条件

介護を理由に休職することはできますか?

家族の介護が必要になった場合、仕事を休むための制度として“介護休業制度”があります。就業規則に記載がなくても労働者の権利として認められている制度のため、雇用主はその義務を果たさなければなりません。

どのような家族が対象ですか?

介護休業を取得できるのは、要介護状態にある特定の家族を介護する労働者です。対象となる家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母や子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫などです。正式な婚姻関係にない事実婚の配偶者も、休業制度の対象です。

“要介護状態”とは、負傷や病気で2週間以上にわたり常時介護が必要な状態を指します。子については、法律上の親子関係が必要であり、事実婚の配偶者の連れ子などは対象外です。ただし、養子縁組により法的な親子関係が成立していれば、対象に含まれます。

パートや契約社員など、正社員以外でも取得できますか?

介護休業は正社員だけでなく、パート、契約社員、アルバイトなどの非正規雇用者も対象です。ただし、日雇い労働者を除くほか、いくつかの条件があります。
具体的には、以下の従業員は介護休業の対象外となる場合があります。

●入社してから6ヶ月未満の従業員
●1週間の所定労働日数が2日以下の従業員
●介護休業取得後93日以内に雇用契約が終了する従業員

介護を理由とした休職期間と給付金

介護を理由とした休職期間と給付金

休職できる期間を教えてください

介護休業を取得できる期間は、対象家族1人につき通算93日以内です。この期間は、3回までに分けて取得することができ、各回の休業日数は事前に決めて申請しますが、必要に応じて後から変更も可能です。
したがって、長期間の介護が必要な場合でも、分割して計画的に休職をすることができます。 また、介護休暇も別途利用でき、こちらは対象家族1人につき年間5日間、2人以上の場合は年間10日間まで取得できます。介護休業と介護休暇は別の制度であるため、両方を組み合わせることで、より柔軟に介護に専念できるでしょう。

休職中の給与は会社から支払われますか?

介護休業中の給与支払いについては、法律で明確に規定されていません。介護休業や介護休暇は労働者の権利として認められていますが、給与が支払われるかどうかは各企業の就業規則に委ねられています。
そのため、企業では主に介護休暇は無給として取り扱われる傾向があります。無給の理由としては、短期的な休暇であるため企業負担を軽減する目的や、介護休業との区別を明確にするためなどが挙げられます。

ただし、企業によっては、介護休暇を有給として取り扱う場合もあり、介護休暇を有給とする事業所もあります。いずれにせよ、住民税や社会保険料の納付義務は発生するため、給与の取扱いや社会保険の取り決めについては事前に確認しておきましょう。

介護休業給付金などの支援制度はありますか?

介護のために長期間仕事を休む場合、給与が支払われないと生活に影響が出る可能性も否めません。こうした状況を支える制度として、雇用保険から支給される“介護休業給付金”があります。
介護休業給付金制度は、介護を理由とした離職を防ぐ目的で設けられており、一定の条件を満たすことで休業中の収入を補うことにつながります。

【介護休業給付金の主なポイント】
●対象者:雇用保険の被保険者(正社員のほか、派遣社員やパート、アルバイトも対象)
●支給期間:要介護状態の家族1人につき通算93日まで
●取得方法:連続して取得するほか、3回まで分割も可能
●支給額の目安:原則として休業開始時賃金日額の67%
●計算方法:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

休業開始時賃金日額は、介護休業前6ヶ月の総支給額(賞与を除く)をもとに計算されます。例えば月給20万円の場合、給付額はおよそ13万円程度が目安です。なお、給付金は給与ではないため所得税や住民税は課されません。

また、自治体によっては生活支援金や介護サービス利用料の補助などが用意されている場合もあります。勤務先の制度や自治体の支援も含め、利用できる制度を事前に確認し、介護休業期間中に活用しましょう。

介護で休職する際の手続きと注意点

介護で休職する際の手続きと注意点

会社にはどのように申し出ればよいですか?

介護休業を取得するには、休業開始予定日の2週間前までに、書面などで事業主に申し出る必要があります。通知書の形式には法定様式はありませんが、厚生労働省が提供する様式例を活用するのもおすすめです。

もし休業開始日を変更したい場合、育児・介護休業法には繰り上げや繰り下げの具体的な規定はありません。そのため、休業開始日を変更したい場合は、労働者と事業主が十分に話し合い、合意を得ることが重要です。気になる方は、自身が勤めている会社の就業規則を確認しましょう。

介護休業制度と介護休暇制度の違いを教えてください

介護休業制度と介護休暇制度は、家族の介護に必要な休暇を取得するための制度ですが、それぞれに異なる特徴があります。

【介護休業制度】
介護休業は、要介護状態の家族を介護するために長期間休業を取る制度です。対象家族1人につき通算93日まで休業が可能で、休業期間中は基本的に無給です。
ただし、雇用保険から介護休業給付金を受け取れる場合もあります。介護休業は、数ヶ月にわたる長期的な休暇を必要とする場面に対応しています。

【介護休暇制度】
介護休暇は短期間の休みを取得するための制度で、要介護状態にある家族が1人の場合、年間5日まで、2人以上の場合は年間10日まで取得できます。介護休暇も無給であり、1年は法律で定めた4月1日〜翌年3月31日までが期間です。休業に比べて、休暇は短期間の介護の場合におすすめです。

以上のように、介護休業は長期的な介護に対応するのに対し、介護休暇は日常的な短期間の介護をサポートする制度です。両者の違いを理解し、状況に応じて活用することが重要です。

必要な書類や申請の流れを教えてください

介護休業を取得する際には、給付金申請のために必要な書類を整えて提出する必要があります。申請期限は、介護休業終了日の翌日から起算して2ヶ月後の月末までですが、書類不備による差し戻しを避けるため、早めの準備が大切です。

主な必要書類は以下のとおりです。

●介護休業申請書(給付金の申請書類)
●賃金月額証明書(休業前の賃金確認)
●介護休業申請書の写し(休業事実確認)
●家族関係を証明する書類(住民票、戸籍謄本など)
●出勤簿(就労状況の確認)
●賃金台帳(賃金支払い状況の確認)

申請は、基本的に事業主を経由して行いますが、被保険者本人が直接申請することも可能です。申請後、給付金が振り込まれるまでの期間は約1週間程度です。

また、介護休業を分割して取得する場合、初回と同様の書類を再提出する必要があるため、継続的な書類管理が求められます。事前にしっかりと準備し、提出書類に不備がないように確認しましょう。

休職すると評価や復職に影響はありますか?

介護を理由に休職する場合、「評価や復職に影響が出るのではないか」と不安に感じる方も少なくありません。なかでも昇進や管理職を目指す年代では、長期間職場を離れることで評価に影響する可能性を懸念することもあるでしょう。
また、復職後に配置転換や担当業務の変更などが起こるのではないかと心配な場合もあります。

一方で、介護休業の取得そのものがすべて不利益につながるとは限りません。制度を利用したことによる権利行使を抑制するような扱いは認められないとされています。
ただし、賞与については、休業によって勤務していない期間がある場合など、権利行使を妨げるものでない範囲で減額が認められるケースもあります。

また、介護休業は通算93日までという上限があるため、介護が長期化すると働き方の調整が必要になることもあります。安心して復職するためには、休業前の業務引き継ぎや復帰後の働き方について、会社と事前に確認しておくことが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで介護で休職する場合についてお伝えしてきました。介護で休職する場合の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 介護休業制度は対象家族1人につき通算93日まで休業可能で、介護休暇は1年に5日、2人以上の場合は10日まで取得でき、1日単位や時間単位で休むことができ、条件によってはパートやアルバイトでも利用できる
  • 介護休業中は基本的に無給だが、雇用保険から介護休業給付金が支給される場合もあり、支給額は休業開始時賃金の日額の67%。支給期間は通算93日までで、給与の一部を補填できる
  • 介護休業の取得は権利だが、評価や復職に影響がないか不安な場合は、事前に業務の引き継ぎや復職後の調整を行い、企業と確認することが重要である
介護休業制度は、家族の介護と仕事を両立させるためのサポートです。制度の利用に関する詳細や手続き、給付金の仕組みを理解し、安心して介護に専念できるよう、しっかりと準備を進めましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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