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福祉用具貸与の条件とは?利用できる対象者や注意点を解説

 公開日:2026/04/03
福祉用具貸与の条件とは?利用できる対象者や注意点を解説

福祉用具貸与を検討し始めると、「どのような条件で利用できるのか」「要介護度によって使える用具は違うのか」など、制度の仕組みが分かりにくいと感じる方もいるのではないでしょうか?福祉用具は生活を支える重要な役割を持つ一方で、介護保険ならではのルールや注意点があります。

本記事では、福祉用具貸与の条件について、以下の点を中心に解説します。

  • 福祉用具貸与を利用できる対象者と条件
  • 介護保険で借りられる福祉用具の種類と要介護度ごとの違い
  • 福祉用具貸与を利用する注意点
福祉用具の貸与を正しく理解するためのご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
高山 哲朗

監修医師
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

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【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

福祉用具貸与を利用できる条件

福祉用具貸与を利用できる条件

福祉用具貸与を利用できる対象者を教えてください

福祉用具貸与は、介護保険制度に基づくサービスで、利用できるかどうかは要介護認定の結果によって決まります。年齢と要介護認定区分の両方が、貸与可否を判断する基準となります。

利用の対象となるのは、次のような方です。

●65歳以上で、市町村の認定により要介護1〜5と判定された方
●40歳以上65歳未満で、特定疾病が原因となり要介護認定を受けた方

一方、要支援1・2と判定された方は、介護予防福祉用具貸与として一部の福祉用具のみ利用できます。

また、要介護認定を受けていない方や自立と判定された方は、介護保険を利用した貸与は原則として利用できず、全額自己負担です。

福祉用具貸与のメリットとデメリットを教えてください

福祉用具貸与には、介護の負担を軽減する利点がある一方で、利用にあたって注意すべき点もあります。特徴を理解したうえでの選択が大切です。

【福祉用具貸与のメリット】
●費用を抑えやすい
●状況に応じて変更や返却ができる
●点検や調整を任せられる

【福祉用具貸与のデメリット】
●要介護認定が必要
●使える品目に制限がある
●新品ではない場合がある

不安がある場合は、ケアマネジャーに相談し、購入との使い分けを検討するとよいでしょう。

要支援や要介護1で利用できる条件はありますか?

要支援や要介護1と判定された方は、軽度者として扱われます。軽度者の場合、心身の状態から使用が想定しにくい一部の福祉用具は、原則として福祉用具貸与の対象外です。

ただし、一定の条件を満たす場合には、例外的に保険給付が認められることがあります。
この仕組みは、例外給付と呼ばれ、利用者の状態や生活環境を踏まえて判断されます。

例外給付の可否は、次の観点から検討されます。

●要支援1・2、要介護1であっても、日常生活で移動や動作に明らかな支障があるか
●基本調査の結果や、主治医の意見から福祉用具の必要性が認められるか
●サービス担当者会議で、用具の利用が適切と判断されるか

なお、車いすや移動用リフトなど、一部の福祉用具は、基本調査だけでは判断できないため、主治医の情報や福祉用具専門相談員の意見を含めた総合的な検討が行われます。

このように、要支援や要介護1であっても、心身の状態に応じて福祉用具貸与が認められるケースはあります。

福祉用具貸与の対象となる福祉用具と利用条件

福祉用具貸与の対象となる福祉用具と利用条件

介護保険で貸与できる福祉用具の種類を教えてください

介護保険を利用した福祉用具貸与は、あらかじめ定められた13種目の福祉用具をレンタルできます。いずれも、日常生活の自立支援や介護負担の軽減を目的とした用具で、自治体から指定を受けた事業者を通じて貸与されます。利用できるかどうかは、要介護度や心身の状態に応じて判断されます。

介護保険で貸与できる主な福祉用具は、次のとおりです。

●車いす
●車いす付属品
●特殊寝台
●特殊寝台付属品
●床ずれ防止用具
●体位変換器
●手すり
●スロープ
●歩行器
●歩行補助つえ
●認知症老人徘徊感知機器
●移動用リフト
●自動排泄処理装置

実際に利用できる種類や条件は個別に異なるため、ケアマネジャーと相談しながら、自身の状態に合った福祉用具を選ぶことが大切です。

要介護度によって使える福祉用具は決まっていますか?

要介護度によって、介護保険で貸与できる福祉用具は決まっています。厚生労働省の告示に基づき、福祉用具ごとに利用できる介護度の範囲が定められており、すべての用具を誰でも使えるわけではありません。

介護保険制度では、介護度が上がるほど選択できる用具の範囲が広がる設計です。

【要支援1・2、要介護1から利用できる主な福祉用具】
●手すり(工事を伴わないもの)
●スロープ(工事不要の段差解消用)
●歩行器
●歩行補助つえ
●自動排泄処理装置(尿のみを吸引するタイプ)

【要介護2〜5で利用できる主な福祉用具】
●車いす、車いす付属品
●特殊寝台(介護用ベッド)、付属品
●床ずれ防止用具
●体位変換器
●認知症老人徘徊感知機器
●移動用リフト
●自動排泄処理装置(尿や便を吸引するタイプは要介護4・5)

なお、要支援や要介護1の方であっても、心身の状態によっては例外的に利用が認められる場合があります。利用可否は、ケアマネジャーが中心となり、状態や生活環境を踏まえて判断されます。

福祉用具貸与を利用する際の注意点

福祉用具貸与を利用する際の注意点

福祉用具貸与が認められないケースはありますか?

福祉用具貸与はすべての状況で利用できるわけではありません。介護保険制度は、福祉用具貸与は居宅(在宅)での生活を支援するサービスと位置づけられており、利用環境や目的によっては認められないケースがあります。

主に、次のような場合は注意が必要です。

●特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームに入所している場合
●ショートステイや施設内での使用を目的とする場合
●居宅と認められない場所で使用する場合
●施設の共用部分で使う場合

判断が難しいケースも少なくないため、利用前にケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談し、保険者の見解を確認しましょう。

福祉用具貸与と購入はどう使い分ければいいですか?

福祉用具は、利用期間と身体状況の変化を基準に、貸与と購入を使い分けることが大切です。

状態が変わりやすい場合や、使用期間が未定の場合は、福祉用具貸与がおすすめです。貸与であれば、身体状況に応じて変更や返却がしやすく、点検や調整も事業者に任せられます。
一方、心身の状態が安定しており、同じ用具を長期間使うことが明確な場合は、購入のほうが費用を抑えられる可能性があります。

また、2024年の制度改正により、スロープ、歩行器、歩行補助つえの一部は、貸与か購入を選択できる制度が導入されました。ただし、対象となる種類は限定されています。

福祉用具貸与を利用するまでの手続きを教えてください

福祉用具貸与は、ケアマネジャーを中心に進めることで、スムーズに利用を開始できます。基本的な流れは次のとおりです。

1. ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談する
2. ケアプランを作成し、福祉用具貸与事業者を選定する
3. 福祉用具専門相談員が自宅を訪問し、用具の選定や提案をする
4. 用具を納品し、適合状況を確認する
5. 内容に問題がなければ契約を行い、レンタルを開始する

要介護認定を受けている場合は、まず担当者へ福祉用具貸与の利用希望を伝えます。
介護保険が適用されるよう、ケアプランには福祉用具貸与の位置が必要です。
福祉用具専門相談員は、利用者の身体状況や住環境を確認したうえで、適した福祉用具を提案します。
納品時には、実際の使用環境で設置を行い、使いやすさや安全性を確認しましょう。

また、利用開始後も定期的な点検やメンテナンスが行われ、心身の状態の変化に応じて福祉用具の変更が可能とされています。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで福祉用具の貸与の条件や利用方法についてお伝えしてきました。福祉用具の貸与条件の要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 福祉用具貸与は、要介護認定を受けた方を対象とする介護保険の居宅サービスであり、利用できる用具や条件は制度で定められている
  • 貸与できる福祉用具は13種目に限られ、要介護度によって利用できる用具が異なるほか、要支援・要介護1では、例外的な判断が必要となる場合がある
  • 利用にあたっては、貸与と購入の使い分けや、施設入所時など認められないケースへの理解が重要であり、ケアマネジャーへの相談が出発点となる
福祉用具貸与は、生活の安全性を高め、介護の負担を軽減するための大切な制度です。一方で、要介護度や生活環境によって判断が分かれる場面も少なくありません。制度の仕組みを正しく理解し、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員と相談しながら、生活の状況に応じた形で活用していきましょう。

これらの情報が、福祉用具貸与を検討する際の参考となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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