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先進医療から保険適用となったインプラントの制度

 更新日:2023/03/27

欠損した歯を補う際に、人工歯根を土台として人工歯を取り付けるインプラント。自費診療で高額というイメージを持つ方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、条件は厳しいものの医療保険の適用内でインプラント治療が行えることがあるといいます。一体、どのような場合に保険適用内でインプラント治療を行えるのでしょうか。インプラント治療が高額な理由も併せて、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:
伊藤 貴志 歯科医師 いとう歯科 院長

 インプラントが人気を集める理由

新しい歯の治療方法として注目されているインプラント。高額な治療ともいわれていますが、多くの人から人気を集めています。そこでまずはインプラントがどうして人気なのか、治療方法などから確かめていきましょう。

インプラントとは差し歯、入れ歯のような人工歯を用いた治療法です。歯肉や顎の骨に穴を空け、土台部分を埋め込むことで簡単に抜けにくくなり、しっかりと固定できることから半永久的に活用できるとされています。

さらに、手術自体は1日もあれば完了できる点や仕上がりも普通の歯と同じく美しい点、さらに、今までと同じケアで良いという点もインプラントが人気を集めている理由のようです。

 先進医療とインプラント

以前は先進医療として認められていたインプラント。そこで、先進医療として認められていた頃のインプラントについて、おさらいしていきましょう。

先進医療から保険適用となったインプラント

インプラントが先進医療として認められていたのは、2012年3月までです。先進医療とは、今後医療保険適用が期待される技術で、すでに保険適用された治療との併用が認められた治療方法のことを指します。そして、さまざまな背景を考慮して厚生労働大臣が承認した治療方法が先進医療に指定されます。

以後は、先進医療として指定されていた部分の治療についてのみ、医療保険が適用される治療として認められました。そのため、現在では医療保険が適用される施術と、されない施術の2種類が存在している、少しややこしい治療法となっています。

覚えておきたい先進医療特約

インプラントが先進医療として扱われていたときに医療費を抑える方法として使用されていたのが、先進医療特約です。これは、個人で加入する医療保険に付帯しているサービスで、設定された範囲内で給付金が頂けるサービスです。

ただし、全額が給付金の対象となるのではなく、先進医療に該当する治療の技術料のみが対象となります。実際には大幅な減額にならないため、使用される機会は少なかったかもしれません。

また、現在のインプラントでは先進医療ではないため、この特約は使用できません。しかし、他の病気の治療などにも活用できますので、自身の保険を一度見直してみましょう。

 医療保険とインプラント

治療を受けるときにどうしても気になってしまうのが費用でしょう。医療保険が適用されるようになったインプラントですが、医療費はどのように変化しているのでしょうか?

一般的なインプラントは医療保険の適用外

医療保険が適用される医療行為を受ける場合、医療費は原則として3割の負担となります。では、医療保険が適用されるようになったインプラントの治療も3割負担となるのでしょうか?

残念ながら、一般的なインプラント治療は自由診療として扱われます。つまり、人工歯はもちろん、麻酔などの必要な治療の全てが医療保険の適用外となり、全額自己負担となっているのです。一般的には人工歯の材料費や外科手術の費用などが必要となり、全ての工程で数十万円もの費用が発生することもあります。

保険適用となるのは、先進医療として認められていた部分の治療のみです。その他のインプラントでは現在でも医療保険の適用外となり、高額な費用が発生してしまいます。

医療保険が適用されるインプラント

自分が受けるインプラントが医療保険の適用になるかを見極めるには、インプラントでないと治療ができない場合かどうかを確かめます。具体的には、以下のような条件に当てはまる場合に医療保険が適用されます。

・病気や怪我などによって、広範囲の顎の骨を損失してしまった場合
・上記の状態が、骨移植などで改善された場合
・生まれつき顎の骨の1/3以上が連続して欠損している場合
・顎の骨が適切に掲載されていない場合

他にも細かいケースが考えられますが、代表的なものは上記の4つの状態です。これらの状態は、差し歯や入れ歯などでは義歯を装着できません。そのため、インプラントが接待的に必要となり、医療保険が適用され3割負担での治療が可能となります。ただ、見て分かる通り、非常に限定的なケースに限られており、実際に適用されることは非常に難しいようです。

また、厚生労働省によって指定された病院で手術を受けなければ保険適用が行われないことにも注意が必要です。上記の条件を満たす場合でも、認定されている医院でなければ全額自己負担となりますので、十分に注意しておきましょう。

 医療費を巡るトラブルと抑える方法

インプラントは基本的には医療保険適用外のため、高額な支払いが発生してしまいます。注意したいのが施術によるトラブルです。これは相場よりも格安で行うことを謳いお客を集めても、適切な手術を行っていないことが原因となるものです。

技術が未熟だったり、麻酔の量が不十分だったりと、非常に危険な手術を行うこともあります。さらに、術後の保障が極端に短い場合や、アフターケアを行わないなどのトラブルも増えています。

そこで活用したいのが医療費控除という制度です。これは、1月1日~12月31日までの期間内で10万以上の医療費が発生した場合に、所得控除を受けることができ、治療費の一部が戻ってくる制度です。

医療費控除は、インプラントだけでなくその他の治療や、市販薬の購入金額なども対象となる制度です。怪しい医院で治療を受けて費用を抑えるよりも、こうした公的制度を利用して医療費を抑えてインプラントを行いましょう。

 目指すのは医療費を考えたインプラント

美しい歯を補填するインプラントは、装着後は普通の歯と同じようなケアでOKです。見た目も良くケアも簡単なインプラントは、非常に使いやすいことから人気も高くなっています。

しかし、インプラントはまだ医療保険の対象にならないケースが多く、厳しい条件を満たさなければ高額な費用が発生してしまいます。経済的な問題と自分の心に折り合いをつけてから治療を受けましょう。

また、費用が格段に安い医院ではさまざまなトラブルが発生する可能性があります。価格の安さに飛びつくのではなく、医療費控除などの公的制度を活用した医療費を抑えたインプラントを目指しましょう。

インプラントは費用の面でハードルが高い治療ですが、事故などのときには非常に心強い治療方法です。今は必要なくても、もしもの時のためにしっかりと情報を集めておき、最適な方法で受けられるように準備しておきましょう。

監修ドクターのコメント
インプラント治療は、外科処置が伴う為怖い、痛いというイメージをお持ちの方も多く、以前は無理してインプラント治療を行うと、合併症、偶発性などの医療事故の原因になりました。
最近ではCTなどの画像診断技術が進歩し、デジタルで三次元的な骨量測定、手術位置決めなどができ、術者によるテクニカルエラーも少なくなっています。骨が無い所にはGBRで安定して骨を作る技術が確立しつつあり、材料も進化してきています。ドリルで骨を削ると痛みや振動が大きいのも事実ですが、最近では超音波で骨を削る機械が出てきたことにより、時間はかかるものの、振動も少なく、術後の腫れもほとんどありませんし、今まで不可能とされた骨の無い所にも応用でき治療する事も出来るようになりました。そのため、以前のような患者さん負担は減りつつあります。
ネガティブなイメージがつきまとうかもしれませんが、入れ歯では味わえない歯ごたえのあるものが食べられて、美味しく様々な豊かな食生活が楽しめます。左右でバランス良く咬めるので、残っている歯で無理に噛むことが無くなり、自分の歯や口腔周囲の筋肉も長持ちするので、末長く健康的でいられます。
入れ歯のように取り外しをする面倒がなく、外出や旅行も気軽に楽しめますし、また発音が安定するので会話も楽しめます。見映えのする口元が戻って、気持ちよく笑顔をつくれます。
左右の歯がしっかりある事で、嚥下する際に食塊となり食道を通るので、誤嚥性肺炎のリスクが減ります。またしっかり噛めると脳の血流量が増え、認知症の進行を遅らせたり、認知症の発症リスクを低下させるという報告もあります。
信頼できる先生のところで、施術やお手入れに通っていただければ、健康的に人生を送れる補助をしてくれる治療法の一つになることは、間違いはありません。
様々な器械を使用するため治療費が安くありませんが、先生に丸投げせず、不安な点を聞いて、解決し治療に臨んでいただければ、素晴らしい治療法と理解していただけると信じています。
 
監修ドクター:伊藤 貴志 歯科医師 いとう歯科 院長

 インプラント治療でおすすめの歯医者さん 東海編

いとう歯科

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