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インプラントって何年持つの?その寿命と長持ちさせる方法

 更新日:2023/03/27

インプラントは歯を失ったときに、チタンなどの人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込み、その上にセラミックなどの人工歯を乗せる治療方法です。インプラントがしっかり顎の骨に固定されますので、同じ天然歯の代替治療である入れ歯やブリッジなどよりも、他の歯に影響を及ぼさず、自分の歯に近い感覚で使うことができます。
まるで、天然歯と同じように食物を噛むことができるインプラントですが、寿命はあるのでしょうか。実際のところ、何年持つものなのか、またそのメンテナンスについて、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
樫村 太郎 歯科医師 オリーブ歯科クリニック 院長

 インプラントのおおよその寿命


インプラントの歴史をさかのぼってみると、インプラントは自分の歯と同じように数十年間使い続けられることがわかってきます。インプラントの歴史をたどり、インプラントの寿命がどれくらいなのか、何年もつのか探ってみましょう。

インプラントの歴史

インプラントの歴史は意外に古く、ヨーロッパでは3世紀ごろには治療をしていたようで、貝殻や金などさまざまな素材が用いられていたことがわかっています。しかし、これらは寿命も短く、長く使うのには適していませんでした。
現代のインプラントの流れは、スウェーデンのブローネマルク教授にさかのぼります。1950年代、教授がある実験のためにうさぎの骨にチタンを埋め込み、実験後にチタンを外そうとしたところ骨としっかり結合していた、という偶然の発見からスタートしました。その後、ブローネマルク教授のもとでインプラントの手術を受けた初の患者は、亡くなるまでの約40年インプラントを使い続けたという記録が残っています。
さらに、日本にインプラント治療が入ってきたのは1980年代はじめのことですが、この初期に治療を受けた方で今でもインプラントを使い続けている方もいらっしゃいます。このことからインプラントは、半永久的に使える治療法といってよいでしょう。

第二の永久歯といわれるインプラント

あるデータによると、インプラントの10年生存率(手術後10年後に残っている確率)は95%以上なのだそうです。その他の治療法として、ブリッジでは8年で約50%、入れ歯の場合約40%となっています。こういったことから、インプラントは「第二の永久歯」と呼ばれるようになりました。
さらに、入れ歯やブリッジは、ほかの歯に悪影響を及ぼす、噛む力が弱い、見た目に影響があるなど、さまざまなデメリットがありました。しかしインプラントはこちらもすべてクリア。自分の歯と遜色なく使えるというのも「第二の永久歯」の名のもう一つの理由といえます。

 インプラントが使えなくなってしまう主な原因

半永久的に使えるといわれるインプラントですが、治療を受けた方すべてが数十年に渡って使い続けられる訳ではありません。先ほどの手術後の10年生存率を見てもわかる通り、5%ほどのインプラントが使えなくなってしまっています。その主な原因としては、歯周病と破損の2つがあげられます。

最も気をつけなければならないのは歯周病

インプラントの治療を受けた後、最も気をつけなければならないのが歯周病です。歯周病は細菌に歯茎が侵される感染症ですが、インプラント周囲の歯周病は「インプラント周囲炎」と呼ばれ、通常の歯周病より少し発見しにくい傾向にあります。なぜなら、インプラントには神経がなく、痛みをはじめとした症状に気づきにくいからです。
「インプラント周囲炎」の症状が進行すると、普通の歯周病と同じように顎の骨が衰える骨吸収が起こり、やがてインプラントが骨から抜けてしまうこともあります。ここまで症状が進んでしまうと、インプラントの再建も難しくなってしまいます。

その他の要因としてあげられるもの

歯周病以外の要因としてあげられるのが、破損によるものです。インプラントは大きく分けてインプラント(人工歯根)部分、インプラントと人工歯を接続させるアバットメント部分、セラミックなどの人工歯の部分があります。
人工歯の部分はセラミック素材など、硬い素材が用いられていますが、歯ぎしりやくいしばりなどが強い方の場合、欠けたりヒビが入ったりすることがあります。同じくアバットメント部分では、外因によりネジが緩む・壊れるといったことがあります。
歯ぎしりや、くいしばりが強い方は、事前にその旨を伝え、治療を受けるほうがよいでしょう。そのほか、外傷などにより壊れてしまうことも稀ですが起こっています。

 インプラントを長持ちさせる方法

インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病に感染せず寿命を少しでも延ばすためには、やはり日頃のお手入れが大切になってきます。インプラントには天然の歯と違い神経がないため痛みなどの感覚を感じにくい、また免疫力がなく細菌感染しやすいといった特徴があります。そのため、天然歯よりていねいなお手入れが必要となります。日常行うセルフケアと、数ヶ月に一度のプロによるケアの両方で、快適なインプラントを保ちましょう。

セルフケアとプロフェッショナルケアの方法

インプラントを長持ちさせるためには、セルフケアとプロによるケアの2つが欠かせません。
セルフケアの要領は、天然歯とほぼ同じです。まず、歯ブラシで天然歯と同じように磨きます。それから、歯間ブラシやフロスなどで、歯間の汚れを取り除きます。矯正用のヘッド部分が小さい歯ブラシで、歯茎と歯の間を磨くこともおすすめです。 最後にマウスウォッシュなどを利用してもよいでしょう。常にお手入れを心がけ、歯周病の細菌が増えにくい口内環境をつくってください。
また、プロによるケアは、歯科医師や歯科衛生士が行うものです。多くの歯科医院ではインプラント治療後に定期検診を行っていますので、必ず利用するようにしましょう。定期検診の回数やスパンは医院や患者によって異なりますが、だいたい3ヶ月〜半年といったところです。検診では、歯科衛生士が歯のクリーニングやブラッシング指導なども行ってくれます。何か変化や異常があった場合には、すぐに歯科医師にもみてもらえますので、早期対応が可能です。

歯科医院の保証内容を確認した上で治療を

インプラントを長持ちさせるために、もう一つ大切なのが保証です。インプラント手術後に起こることがある割れた、欠けたといったトラブルに対し、治療費を歯科医院側が負担してくれるというものです。上部のセラミック部分が欠けた程度のものなら、早めの治療でインプラントを使い続けられることもあります。
インプラントの治療を受ける前のカウンセリングのときに、その歯科医院のインプラント手術の成功率がどれくらいか、何年保証があるか、どんな保証が受けられるのかを担当の歯科医師に確認しておきましょう。

 インプラントが何年持つかはその後のメンテナンス次第


インプラントは何十年も使い続けられる寿命の長い治療方法ですが、その後のメンテナンス次第で何年持つかは変わってきます。「インプラントは虫歯にならないから」と日頃のケアを怠ってしまったら、数年で歯根部分からダメになり使えなくなってしまった、ということもありえるのです。
外傷による破損は仕方がありませんが、歯周病による欠損は、自分の心がけ次第で防ぐことができます。ていねいなセルフケア、プロによる定期的なケアの両方を欠かさなければ、インプラントは一生使い続けられる永久歯として活躍してくれることでしょう。ぜひインプラント治療後のメンテナンスは、自分の天然歯以上に大切に行ってください。

監修ドクターのコメント
インプラントは平均寿命10数年と言われているので他の天然歯の代替治療より長持ちはしますが、誰でも30年40年、容易に持つと断言するのは難しいところです。寿命を延ばすにはセルフケアとプロによるケアが必要になりますので記事にもあるとおり、やはり3ヶ月から最低でも半年位のスパンで定期的なケアに行かれることをお勧めします。
またインプラントをうつ年代にもよっても寿命に差があり、高齢になるほど長く保つのが難しいのも事実です。何が一番大切なのかと言うと管理できる人がしっかり管理できるものを持つということです。当院ではよく相談させて頂き最善や最良な治療だけでなく、納得できる適切な治療をすすめています。高齢や病気により通いにくくなっても訪問診療を通じて一生お口に関する相談や管理をしております。まずはお気軽にご相談ください。
 
監修ドクター:樫村 太郎 歯科医師 オリーブ歯科クリニック 院長

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オリーブ歯科クリニック

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この記事の監修ドクター

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