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虫歯を削るときに発生する痛みの原因と対策

 更新日:2023/03/27
歯が痛く、顔をしかめる女性

虫歯治療において、治療される側からすると気になるのは「虫歯を削るときの痛み」です。治療に行かなくてはいけないと頭ではわかっているものの「治療時の痛みが憂鬱でなかなか受診する気になれない……」といった人も多いのではないでしょうか?この記事では、そんな削るときに発生する痛みの原因とその対策について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
山本 哲也 歯科医師 やまもと歯科 院長

治療における痛みの種類

顎をさすって痛みを和らげようとする女性
虫歯治療で発生する痛みには、歯を削るときの痛み以外にもいくつか種類があるのをご存知でしょうか?ここでは、治療で歯を削るとき以外に発生する痛みについて解説します。

根を治療するときに発生する痛み

ここでいう「根」とは神経の通る歯の根っこのことです。虫歯が進行すると神経を抜かなくてはいけなくなる場合もあります。そうしたときに、膿で患部が腫れたり、神経に直接麻酔をしたりすることによって痛みが発生してしまうのです。こうした場合は抗生物質や痛み止めなどで対処することになるでしょう。

麻酔をするときの痛み

治療中の痛みを軽減するために用いられる麻酔ですが、実はこの麻酔が痛みを引き起こしてしまう場合もあります。具体的には、麻酔に使われる注射の針による痛み、麻酔と体温の温度差による痛みなどがあります。また、麻酔液を患部に注入するとき、液が患部の周辺組織を圧迫して痛みが発生することもあるでしょう。

治療した後の痛み

虫歯治療は治療中だけでなく、治療した後にも痛みが発生しがちです。治療中は麻酔が効いているため痛みを感じなかったのに、治療後に麻酔が切れてから患部が痛むというのはよくあります。ほとんどの痛みは数日もすればおさまりますが、中には痛みが一週間以上長引いてしまうこともあります。治療後にあまりにも痛みが長引くようであれば、再度歯科医院を受診して神経を抜くのかどうかを検討したり、痛み止めを処方してもらったりしてください。

歯を削ると痛みが発生してしまう理由

治療で発生するその他の痛みの概要を押さえたところで、ここからは歯を削ると痛みが発生する原因について解説していきます。
先に結論から言うと、歯を削ると痛みが発生してしまうのは「歯の神経を刺激してしまうから」です。
その仕組みについて理解するには、まず歯の構造を知っておく必要があります。歯は、表面からエナメル質、象牙質、歯髄(=歯の神経)という順番で構成されており、このうちエナメル質には神経が通っていません。一方、象牙質には歯の神経とつながる管があります。
そのため、虫歯が初期段階でエナメル質だけを治療する場合は痛みが発生しません。しかし、そのまま進行して象牙質まで達してしまうと神経を刺激して痛みが発生してしまうのです。
逆に、歯の神経まで到達して神経が死んでしまうと痛みを感じることができなくなるため、末期段階では痛みが発生しないこともあります。ただ、この点は個人差が大きく、生きている少数の神経が過敏に反応して痛みが発生してしまうことも珍しくありません。
このように、治療で歯を削ったときに痛みが発生するのは、ある程度進行が悪化してからです。初期段階での治療は痛みを感じないことが多いので、日頃から早期発見・早期治療を意識しておくようにしましょう。

痛みを抑えるための治療法や対策

歯を削るときの痛みを、治療において発生をゼロにすることはできません。しかし、その痛みを最小限に抑えることは可能です。ここからは、治療における痛みを抑えるための治療法や対策について解説していきます。

痛みを抑えるための治療法

痛みを抑えるための治療法には、以下のようなものがあります。
・痛みを抑える麻酔(表面麻酔、極細注射針、電動注射器)
麻酔を注射するときに伴う痛みを最小限にするために、注射を指す部分にあらかじめ麻酔を塗布しておいたり、極細の麻酔針を使ったりします。また、麻酔は一気に注入すると麻酔液が周辺組織を圧迫して痛みが発生してしまうため、電動の注射器を使ってゆっくりと継続的に麻酔を注入していく方法もあります。
・ドックスベストセメント
いわゆる「削らない治療」のひとつで、削る面積を最小限に押さえ、虫歯部分を専用の薬剤でコーティングする方法です。神経にまで達している重度の段階でも適用可能なため、痛みに弱い子どもの治療にも用いられます。
・カリソルブ治療
患部に専用の薬剤を塗布し、薬剤により軟らかくなった部分を専用の機器で取り除く方法です。一般的な治療で使用されるドリルのようなものを使用しないため、振動などによる痛みが発生しにくくなります。
・ケスラーズシステム
目では見つけにくい虫歯を発見してオゾンで殺菌します。初期段階の場合に有効な治療法です。
・レーザー治療
専用のレーザーで虫歯を蒸発させる治療法です。痛みや振動がないため、周囲の健康な歯への影響も最小限ですみます。

痛みを抑えるための対策

もし治療後に痛みが発生するようであれば、以下のような対策を試してみましょう。
・痛み止めの服用
歯科医院で痛み止めを服用してもらいましょう。また、担当医に相談したうえで市販の痛み止めを服用するのもよいでしょう。
・患部を冷やす
市販の冷却シートなどを使って患部を冷やしましょう。治療後の痛みの原因は、血流で神経が圧迫されることによって引き起こされることが多いため、患部を冷やすと血流が遅くなり痛みが和らぐのです。
・硬いものを食べない
治療中・治療後の歯はデリケートなので、無理に硬いものを食べていると歯が欠けたり割れたりしてしまう危険があります。そのため、痛みが引くまでは硬いものを食べないのも有効な対策のひとつです。

歯を削る痛みはある程度軽減できるので早期治療が大切

歯科治療を受けて、笑みを浮かべる女性
虫歯治療で歯を削るときに発生する痛みは、歯の神経が刺激されることによって引き起こされます。ただ、歯を削るときは絶対に痛みが発生するのかというと、そうでもありません。初期状態で進行がエナメル質でとどまっていた場合は、歯を削っても痛みを感じることはないでしょう。
また、悪化が進んでしまった場合でも、麻酔や削らない治療を活用すればほとんど痛みなく治療をすることもできます。「治療は痛そうだから」といった治療を先延ばしにしていると、神経や歯自体を抜かざるを得ない状況まで症状が進行してしまうことも珍しくありません。
毎日自宅で丁寧なブラッシングを心がけることはもちろん、特に問題がない場合でも定期的な検診を受け、「そもそも治療が必要ない状態」をキープできるようにしていきましょう。

監修ドクターのコメント
歯の痛みは、記事で触れているような治療中に限らず、むしろ日々の生活の中でこそ発生します。そのような場合は遠慮なく、歯科医院へご相談ください。お電話でのお問い合わせではなく、お口の中を拝見させていただいたほうが、より正確な診断に結び付けられます。インターネットなどに載っている情報は、専門家が記した内容であっても、皆さまの症例と異なるかもしれません。なお、来院するまでどうしても痛みが我慢できない場合は、市販薬を服用してみてもいいでしょう。ただし、痛みが収まったからといって、症状が治ったとは限りません。あくまでも応急処置であることを忘れないでください。
 
監修ドクター:山本 哲也 歯科医師 やまもと歯科 院長

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