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幹細胞治療とは

 更新日:2024/10/28

幹細胞治療とは

損傷した細胞や組織を、再度生み出し補充する能力を持つ「幹細胞」を使用し、修復・再生を促す治療法です。
患者さん自身の細胞を採取し、培養する治療であるため、アレルギーなど拒絶反応のリスクも低い治療となっています。
患者さん自身が持つ自然治癒力で、機能が低下してしまった臓器を回復させることを目的としています。

幹細胞治療で期待される効果

幹細胞は創傷治癒・分化・免疫調整などといった働きがあり、現在では糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞・肝機能障害・アレルギー疾患など多くの疾患に対する治療が試みられています。
以下は現在期待されている幹細胞治療の効果です。

免疫系の制御

免疫系を調整・抑制することで関節リウマチに代表される自己免疫疾患への治療として行われています。

血管新生

血管を新たに作る効果が期待できるため、動脈硬化症などの治療に使用されます。

抗炎症作用

幹細胞は以前から抗炎症作用を持つと言われています。ステロイド剤の投薬が現在では一般的に行われていますが、副作用のリスクも懸念されているのが実情です。その半面幹細胞治療は、患者さん自身の幹細胞を使用するため副作用のリスクは少ないとされています。

抗酸化作用

体内に自身の幹細胞を注入することで、脂肪細胞の分裂が促され、成長因子などの分泌が促進されます。その過程で細胞が活性化され、抗酸化作用が働くことで老化の一因ともいわれている「酸化」を防ぐ効果が期待できるそうです。

幹細胞治療で効果が期待できる症状

幹細胞治療は、副作用のリスクも少なく今後幅広い分野において行われる可能性がある治療です。また、治療の副作用として、血管の修復や血流の改善、さらにはエイジングケアにも効果があるという文献もあります。
以下では現在主に幹細胞治療で効果が期待できるとされている病気・症状をご紹介します。

血管の病気

血管新生の効果が期待できるため、心筋梗塞や脳梗塞、初期の腎不全、初期の認知症などといった下肢の虚血やその他血管が原因となる病気全般

神経の病気

さまざまな細胞に分化することができる幹細胞の特徴を利用することで、小児麻痺や認知症、脳梗塞、パーキンソン病など神経変性疾患の進行抑制が期待できます。

骨・軟骨の病気

さまざまな細胞に変化する可能性がある幹細胞を利用することで、リウマチや変形性関節炎といった骨や軟骨組織の治療に適用することも可能です。

その他疾患

糖尿病をはじめ、膠原病や免疫疾患、肝臓疾患などに対しても効果が期待できるといわれています。

メリット

創傷治癒や免疫調整、神経など、さまざまな疾患の治療に効果が期待できます。

デメリット

幹細胞を注入すると、患部に痛みや腫れが現れることがあります。

治療期間

幹細胞の採取後6週間程度培養期間が必要となります。

費用相場

1,000,000~1,500,000円程度
※培養する細胞数や投与回数によっては大きく上振れる可能性があります。

注意点

検査期間や費用は、検査内容などによって大きく異なる場合があります。

この記事の監修医師