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粉瘤のくりぬき法は痛い?手術の流れや術中・術後の痛みについて解説!

 公開日:2024/12/23

粉瘤のくりぬき法は痛いのでしょうか。名前の仰々しさから、なんだか痛そうなイメージを持つ方も多いかもしれません。本記事では、皆さんのそうした疑問や、くり抜き法の手術の流れ、くり抜き法のメリットやデメリットなど詳しく解説します。粉瘤の治療法はいくつかの選択肢がありますが、くり抜き法を検討している方はぜひ参考にしてください。

粉瘤のくりぬき法の手術内容

粉瘤のくりぬき法の手術内

粉瘤のくりぬき法の手術の流れを教えてください。
まずは診察を受け、粉瘤であるのか、それ以外のできものであるのかを診断します。大きさや形状、どのくらい皮膚の深いところにできているのかを検査し、治療方法が決められます。 くりぬき法の手術は、まず腫瘍周囲に局所麻酔を施します。続いて、粉瘤の上に小さな穴を開け、その穴から特殊な器具を用いて粉瘤の内容物と袋をくり抜くようにして取り除きます。 手術は、局所麻酔かつ日帰り手術で対応可能な場合が多いことから、医療機関によっては、改めて手術の予約を取らなくても、診察後にそのまま手術をしてくれるケースもあります。
粉瘤のくりぬき法のメリットとデメリットについて教えてください。
粉瘤のくりぬき法のメリットは、傷跡が小さく済み、場合によっては縫合が不要な場合もある点です。 一方でデメリットは、切開法と比較すると再発の可能性が上がってしまう点です。また、全ての粉瘤に対応しているわけではなく、巨大なものや癒着が強いものなど対応できない場合があることもデメリットです。
粉瘤のくりぬき法の後で、粉瘤が再発する原因はなんですか?
粉瘤の手術を受けても再発を繰り返すのは、手術が不十分で皮下の袋組織が取り除ききれていない可能性があります。再発のリスクを減少させるためには、手術が適切に行われ、腫瘍が完全に摘出されることが重要です。また、手術後の適切なケアやフォローアップも重要です。医師の指示に従い、定期的な検診を受けることが望ましいです。
粉瘤のくりぬき法の手術時間はどれくらいですか?
粉瘤の摘出手術にかかる時間ですが、殆どの場合、日帰りで受けることができます。 発生している部位や症状、大きさ、数により変わってきますが、5ミリ程度の小さな粉瘤であれば、5分〜20分程度、大きなものであれば60分程度が目安となります。
粉瘤のくりぬき法ができないケースについて教えてください。
粉瘤のくりぬき法は、腫瘍が大きすぎたり、癒着が強いと適用できない場合があります。また、手術前に粉瘤が炎症を起こし、痛みがあったり、押すと膿のようなものがでるときは手術ができないことがあります。

粉瘤のくりぬき法は痛い?

粉瘤のくりぬき法は手術中に痛いですか?
粉瘤のくりぬき法は、手術前に腫瘍の周囲に局部麻酔を注入します。この時、針が皮膚に入る痛みはありますが、手術中は麻酔が効くため基本的には痛みはありません。
粉瘤のくりぬき法は手術後に痛いですか?
術後、麻酔は2時間前後で切れてしまうため、その後で痛みを感じることがあります。一般的に痛みが出そうな場合は、痛み止めを処方してくれます。

粉瘤のくりぬき法の術後について

粉瘤のくりぬき法の手術後すぐに帰宅できますか?
粉瘤のくりぬき法では、術後すぐに帰宅できるケースが多いです。摘出する腫瘍の大きさにもよりますが、5ミリ程度の小さな粉瘤であれば、来院当日にそのまま治療し帰宅することができます。粉瘤が大きくて全身麻酔が必要なケースなどは、大きな病院を紹介されることもあります。そうならないためにも、粉瘤が大きくなる前に病院へ行ってください。
粉瘤のくりぬき法の手術後の生活について、注意点を教えてください。
術後は患部にガーゼ、絆創膏などを貼った状態で帰宅します。ガーゼは適宜自分で交換します。次回来局までには、傷口を露出させず、ガーゼ等を貼っておくようにします。 また、出血の可能性があるため、手術当日、翌日にあまり血行をよくしないようにしましょう。具体的には、飲酒、運動は控え、入浴の際も、長風呂はしないなど、注意が必要です。 術後の過ごし方については、医師から説明があるはずなので、しっかりと確認しておきましょう。
粉瘤は術後どのくらいの期間で治りますか?
粉瘤の大きさにもよりますが、傷口が完全にふさがるまで2週間~4週間程度かかります。しかし、傷口が完全にふさがるまで、絶対安静というわけではありません。術後の生活の中で懸念点があれば、医師に相談するとよいでしょう。

粉瘤のくりぬき法以外の治療方法について

粉瘤の治療にはくり抜き方以外にどのような治療法がありますか?
粉瘤の代表な治療法として、切開法が有名です。切開法は、比較的小さな粉瘤に適した治療法です。従来法とも呼ばれています。メスを使って切開し、粉瘤の袋を破らないように、そっくり取り除きます。そっくりまるごと摘出するので、再発の可能性もより低くなります。
粉瘤の切開法の流れについて教えてください。
粉瘤の切開法では、まず局所麻酔を行い、粉瘤の上から皮膚を切開します。次に、粉瘤の内容物を慎重に取り除き、可能な限り粉瘤の袋も完全に除去します。粉瘤の袋を残してしまうと再発のリスクが高まるため、できるだけ丁寧に取り扱う必要があります。切開後は、傷口を縫合し、適切な傷の管理を行います。
粉瘤の切開法のメリットとデメリットについて教えてください。
粉瘤の切開法のメリットは、粉瘤の袋も完全に除去するため再発の可能性が低いことです。また、大きな粉瘤や癒着が強い粉瘤などあらゆる粉瘤に対応できることもメリットです。 一方で、切開法のデメリットは傷口が大きくなり、目立ってしまう点が挙げられます。このため美容的観点に重きを置く患者さんの場合、切開法ではなく、くりぬき法を選ぶ方が多い傾向にあります。
粉瘤は自力で治すことはできますか?
結論から言うと、粉瘤を自力で治すことはできません。粉瘤の元となるのは皮膚の表面下にある袋組織です。この袋組織を完全に取り除かないと、粉瘤を治すことはできません。袋組織は、自力で切除することは不可能で、手術をして取り除くことが必要となります。 粉瘤を自力で治そうとして、皮膚に傷をつけたりすると様々なリスクがあります。粉瘤の治療は、通常は医療専門家によるものが適切です。もし粉瘤が気になる場合、なるべく早く専門家の診断と指導を受けることが重要です。自己治療は予測できない合併症を引き起こす可能性があり、健康に悪影響を及ぼすことがあります。無理に自分で取り除こうとせず、病院に相談をして適切な治療を受けましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ いかがでしたでしょうか。粉瘤のくりぬき法は、来院当日に受けられる手術で、痛みもほとんどないため、気軽にそして安心に受けられる治療法です。また、傷跡が小さく済み、場合によっては縫合が不要な場合もあるため美容観点でも優れている治療法といえます。ただし、粉瘤の袋をしっかりと取り除けないと再発するリスクもあるので、こうしたメリットとデメリットを踏まえて医師としっかりと相談しながら治療計画を立てましょう。本記事で、皆さんの粉瘤のくりぬき法に対するイメージが少しでも変わっていたら嬉しく思います。最後までお読みくださりありがとうございました。

参考文献

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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