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粉瘤の手術は保険がおりる?手術費用について徹底解説!

 公開日:2024/12/22

「粉瘤」は皮膚の内部に形成される袋状の構造物で、角質や皮脂が内部に溜まり、時間とともに大きくなる腫瘍で、特に顔や首、背中、耳の後ろなどにできやすいとされています。そんな粉瘤の治療・手術は保険診療なのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 本記事では粉瘤の手術は保険がおりるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 粉瘤の手術について
  • 粉瘤の手術は保険適用なのか
  • 粉瘤の手術は給付金の対象なのか

粉瘤の手術は保険がおりるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

粉瘤の手術について

粉瘤の手術について

粉瘤の手術の切開法について教えてください。
粉瘤の手術にはいくつかの方法があります。
一つは、局所麻酔後に皮膚を紡錘形に切り取り、粉瘤を摘出する切開法です。切開法の場合、傷跡は粉瘤の大きさと同じ長さになります。また、大きな粉瘤や炎症がある場合は、局所麻酔後に皮膚を切除し、袋を外側から切除します。手術法に限らず、手術前には感染症などの血液検査が必要です。手術後は、1週間後に抜糸と傷の診察、2週間後に組織検査の結果を聞くために再来院が必要です。また、手術当日はシャワー、飲酒、運動は避けなければいけませんが、飲食は可能です。
粉瘤の治療は症状や部位により異なり、痛みや炎症がなければ治療の必要はありませんが、見た目や将来的な炎症のリスクがある場合は、外科的に切除することが推奨されます。
粉瘤の手術のくり抜き法について教えてください。
粉瘤の手術には、へそ抜き法(くり抜き法)という方法があります。へそ抜き法は、局所麻酔を使用し、皮膚の表面に直径約4mmの円筒状のメス(トレパン)を挿入して、皮膚と袋状構造物の一部を取り除き、その後、袋の中身を取り出しながら、袋自体も可能な限り取り除きます。傷口は基本的に開放創として自然に治癒させます。
へそ抜き法の利点は、手術時間が短いことですが、治癒するまでの時間は長くなります。また、へそ抜き法は、手のひらや足の裏の表皮嚢腫や炎症が頻繁に起こり、周囲の組織との癒着が強い場合には適用できません。
手術は次のような手順で行われます。まず、局所麻酔を行った後、嚢腫の頂点にあるへそを含む部分に3〜6mmのトレパンを使用して皮膚に丸い穴を開け、その穴から袋と中身を取り出します。袋を取り除いた後は、状況に応じて穴を開けたままにして軟膏処置を行います。また、へそ抜き法は、傷跡が小さくなるため、顔などに適しています。

粉瘤の手術は保険がおりるのか

粉瘤の手術は保険がおりるのか

粉瘤の手術は保険診療になりますか?
粉瘤の手術は、クリニックや病院で保険診療として行われています。したがって、保険を利用して治療を受けることが可能とされています。
粉瘤手術の保険点数はどのくらいですか?
粉瘤の手術費用は診療報酬点数によって決まります。以下で、粉瘤手術の保険点数を示します。
皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外):直径3cm未満は1280点、3cm以上6cm未満は3230点、6cm以上12cm未満は4160点、12cm以上は8320点。
皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部):直径2cm未満は1660点、2cm以上4cm未満は3670点、4cm以上は4360点。「露出部」とは頭、首、顔、肘から手首にかけて、膝から足指にかけての部位を指し、露出部以外は胸部、腹部、腰部、上腕部、大腿部を指します。
粉瘤手術費の自己負担額を教えてください。
前述した通り、粉瘤の手術費用は診療報酬点数に基づきます。
例えば、顔面1cmの粉瘤の手術では、診療報酬点数が1660点で、自己負担額は約4980円となります。一方、背中の10cmの大きな粉瘤の手術では、診療報酬点数が4160点で、自己負担額は約12480円となります。また、美容外科や美容皮膚科では、粉瘤の手術が自由診療で行われることがあり、自由診療の場合、各クリニックがそれぞれの基準に基づいて自由に値段を設定します。注意点として、保険診療の場合は診療報酬の改定により、金額が変更となることがあります。また、上記の診療報酬点数や費用は手術費のみとなり、その他に処方料や再診料などがかかる場合があります。

粉瘤と給付金

粉瘤と給付金

粉瘤の手術は給付金の支払い対象になりますか?
粉瘤の手術が給付金の支払い対象になるかどうかは、契約の商品や手術の正式名称によります。具体的な支払いについては、提出された書類に基づいて判断されます。正式な手術名は医療機関で確認でき、診療明細書や手術同意書などにも記載されています。対象となる正式名称は、生命保険により異なりますが、「皮膚・皮下腫瘍摘出術」、「アテローム(粉瘤)切除術」は支払い対象内の場合が多いです。しかし、対象でない場合もありますので、必ず加入している生命保険に確認してください。
給付金の条件を教えてください。
生命保険の給付金を受け取るための条件は、主に以下の4つです。
1. 支払事由に該当する場合:保険金や給付金が受け取れるのは、保険契約の約款に定められた支払事由に該当した場合です。例えば、約款に定められた病気やケガによる入院や手術などが該当します。
2. 免責事由に該当しない場合:約款に定められた「免責事由」に該当した場合、保険金や給付金は受け取れません。例えば、被保険者の自殺や犯罪行為、精神障害や泥酔状態による事故などが該当します。
3. 告知義務違反による解除がない場合:契約時に健康状態や過去の傷病歴などについて事実を告げない場合や、偽りの告知をした場合、保険契約が解除され、保険金や給付金が受け取れないことがあります。
4. 重大事由による解除や詐欺による取消がない場合:「事故を故意に起こして保険金や給付金を不正に得る目的で契約が取り消された」場合や、契約の開始や再開時に詐欺行為を行い、保険金を違法に得る目的の行為が存在し、その結果契約が無効または解除された場合、保険金や給付金は受け取れません。
具体的な詳細は保険契約の約款やパンフレット等をご覧ください。また、保険金や給付金の受け取りに関する疑問や不明点がある場合は、生命保険会社の担当者にご相談ください。
粉瘤の手術が決まった場合、どのように給付金を請求すればいいですか?
粉瘤の手術が決まった場合、給付金の請求は以下の手順で行います。
1. まず、「保険証券」や「ご契約のしおり・(定款)・約款」を確認し、契約内容や保障内容を把握します。次に、生命保険会社の担当者や営業所などに連絡します。また、生命保険会社のウェブサイトから、給付金の請求書類を請求することや、請求手続きをオンラインで完了することが可能な場合もあります。
連絡の際には、保険証券の番号、手術を受ける人の名前、請求内容(手術)、請求原因(粉瘤)、手術日、手術名などを伝えます。
2. 手続きに関する説明や保険金・給付金請求書などの必要書類が生命保険会社から提供されます。指定された保険金・給付金の請求書に必要な情報を記入し、病院の診断書などの必要な書類を全て用意して生命保険会社に提出します。
3.以上の手続き後、生命保険会社は提出された請求書類と約款の内容に基づいて、保険金や給付金の支払いが適用されるかどうかを評価します。該当する場合、保険金や給付金は、受取人が指定した銀行口座に送金されます。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで粉瘤の手術は保険がおりるのかについてお伝えしてきました。粉瘤の手術は保険がおりるのかの要点をまとめると以下の通りです。

  • 粉瘤の手術は、皮膚を切り取り、粉瘤を摘出する切開法と、皮膚の表面にトレパンを挿入して粉瘤を取り除くへそ抜き法(くり抜き法)がある
  • 粉瘤の手術は保険適用とされる
  • 粉瘤の手術が給付金の支払い対象になるかどうかは、契約の商品や手術の正式名称により、正式な手術名は医療機関で確認でき、診療明細書や手術同意書などにも記載されている

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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