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「おたふく風邪ワクチン」の副反応はご存知ですか?接種費用も解説!【医師監修】

 公開日:2026/04/13
「おたふく風邪ワクチン」の副反応はご存知ですか?接種費用も解説!【医師監修】

おたふく風邪は、ムンプスウイルスの感染で耳下腺などが腫れる病気です。多くの場合は自然に軽快しますが、ムンプス難聴や無菌性髄膜炎、成人の精巣炎・卵巣炎などの合併症が起こることがあります。合併症のリスクを減らす方法として、ワクチン接種があります。日本ではおたふく風邪のワクチンは任意接種で、本人や保護者が判断して受けます。自然感染の合併症リスクは、ワクチンで報告される副反応より高いとされます。迷うときは、効果と安全性を比較して検討しましょう。
ここでは、接種のタイミング、期待できる効果、気になる安全性を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

おたふく風邪のワクチンとは

おたふく風邪のワクチンとは

おたふく風邪のワクチンとはどのようなものですか?

おたふく風邪のワクチンは、病原性を弱めたムンプスウイルスを用いた生ワクチンです。ワクチンを接種すると、身体の中でウイルスがわずかに増えることで免疫が作られ、自然感染に近い形で防御力が高まります。生ワクチンは免疫がつきやすく、効果が続きやすい点が特徴です。

おたふく風邪の予防接種は義務化されていますか?

現在、日本のおたふく風邪のワクチンは定期接種ではなく任意接種で、法律上の義務はありません。接種するかどうかは、本人や保護者が効果と副反応を理解したうえで決めます。一方で、厚生労働省の審議会では定期接種化に向けた議論が続いており、日本小児科学会も接種を推奨しています。
参照:『予防接種に関するQ&A集』(日本ワクチン産業協会)

おたふく風邪のワクチンを接種するとどの程度感染を予防できるのですか?

接種後に抗体ができる割合(抗体陽転率)は、92〜100%と報告されています。1回でも発症を減らせますが、免疫が十分につかなかった方を補い、時間がたって弱まった免疫を補強する目的で2回接種が推奨されています。国内の調査によると、ワクチンの感染予防効果は94.3%とされています。米国では定期接種の導入後に、おたふく風邪の発症報告数が99%減少したと報告されています。発症を減らすことは、ムンプス難聴や無菌性髄膜炎などの合併症のリスクも下げられます。
参照:
『予防接種に関するQ&A集』(日本ワクチン産業協会)
『おたふくかぜワクチンについて』(感染症情報提供サイト)

おたふく風邪のワクチンの接種スケジュールと費用の目安

おたふく風邪のワクチンの接種スケジュールと費用の目安

子どものおたふく風邪ワクチンはいつ頃接種しますか?

日本小児科学会は、おたふく風邪のワクチンの接種時期として、1歳で1回目小学校入学前の1年間(5歳~7歳未満)で2回目を受ける流れを推奨しています。1回目は生後12〜15ヶ月頃に、麻しん風しん混合(MR)ワクチンや水痘ワクチンと同じ時期に予定を組むことが一般的です。保育所や幼稚園など集団生活が始まると感染の機会が増えるため、遅くとも入園前までに1回目を終えておくと安心感があります。2回目を小学校入学前に行うことで、学童期以降に免疫が弱まって感染することを減らし、予防効果を維持しやすくなります。推奨の時期を過ぎてしまっても、2回接種を完了させるメリットは変わりません。

おたふく風邪のワクチンは何歳になっても効果がありますか?

おたふく風邪のワクチンは、生後12ヶ月以上であれば年齢にかかわらず接種でき、免疫の獲得が期待できます。おたふく風邪にかかった記憶がはっきりしない方や、接種歴がわからない方でも、今から接種を始めることは可能です。過去にかかったかどうかが不明な場合でも、ワクチンを接種して問題になることは通常考えにくく、抗体検査を行わずに接種を進める方法もあります。

おたふく風邪の予防接種にかかる費用の目安を教えてください

おたふく風邪のワクチンは任意接種のため、費用は基本的に自己負担です。金額は病院によって異なりますが、4,000円〜6,000円程度で設定されていることが多いようです。自治体によっては子どもへの助成制度があり、自己負担が軽くなる場合があります。お住まいの市区町村の案内や、保健所・自治体の窓口で制度の有無を確認するとよいでしょう。

おたふく風邪ワクチンの副反応と接種後の注意点

おたふく風邪ワクチンの副反応と接種後の注意点

おたふく風邪ワクチンにはどのような副反応がありますか?

主な副反応として、接種から2~3週間後に軽い耳下腺の腫れや発熱が出ることがあります。多くは数日ほどで落ち着き、治療を要しないことがほとんどです。注射した部位の赤みや腫れ、痛みが出ることもありますが、こちらも短い期間で軽くなります。頻度は高くありませんが、重大な副反応として無菌性髄膜炎が報告されています。無菌性髄膜炎は自然感染でも起こりうる合併症で、ワクチン後の頻度は0.03〜0.06%程度であり、自然感染でみられる頻度より低い(1〜10%)とされています。ほかに、難聴などの報告もありますが、極めてまれです。
参照:
『予防接種に関するQ&A集』(日本ワクチン産業協会)
『おたふくかぜワクチンについて』(感染症情報提供サイト)

すぐに受診した方がよい副反応について教えてください

接種後2〜3週間後に、強い頭痛や繰り返す嘔吐、38度以上の発熱などが出た場合は、無菌性髄膜炎の可能性を考えて受診しましょう。首が痛い、光がまぶしい、ぐったりして水分がとれないなどを伴うときも、早めに相談するとよいでしょう。また、接種直後から30分以内に息苦しさ、じんましん、顔色不良、意識が遠のく感覚などが出た場合は、アナフィラキシーを想定した対応が必要です。そのほか、片側の聞こえにくさが急に出る、精巣の腫れや強い痛みがある、激しい腹痛が続くなどの症状があれば、接種との関連も含めて状態を確認するために受診するようにしてください。

おたふく風邪ワクチンを接種してから気を付けることはありますか?

接種当日は、マラソンや水泳などの激しい運動は避け、普段より静かに過ごしましょう。入浴は、接種後1時間を経過して体調が安定していれば可能です。注射した部位は強くこすらず、違和感がある間は圧迫もしないようにします。生ワクチンは接種後すぐに免疫が完成するわけではなく、免疫が整うまで数週間かかります。その間に体調の変化があれば、いつからどんな症状が出たかをメモしておくと相談がしやすいです。妊娠中、または妊娠の可能性がある時期は接種を避け、接種後2ヶ月間は避妊を行います。別の生ワクチンを続けて受ける場合は、27日以上間隔をあける必要があります。

編集部まとめ

編集部まとめ

おたふく風邪のワクチンは、おたふく風邪の発症を減らすだけでなく、ムンプス難聴や脳炎など生活に長く影響しうる合併症を減らす目的でも検討される予防策です。日本では任意接種ですが、日本小児科学会などは1歳で1回目、小学校入学前の1年間に2回目という2回接種を推奨しています。2回接種により、1回目で免疫が十分に作られなかった場合は2回目で免疫反応が強まり、1回目で免疫が作られていた場合も時間の経過で弱まった免疫を高める効果が期待できます。
副反応としては、接種部位の赤みや痛み、接種後2〜3週間頃の軽い発熱や耳下腺の腫れがみられることがありますが、多くは数日で治まります。無菌性髄膜炎などの報告はありますが、自然感染に伴う合併症の頻度と比べると低いとされています。費用は自己負担になる場合がありますが、自治体の助成制度が利用できることもあります。母子健康手帳などで接種歴を確認し、未接種や1回のみのときは、かかりつけ医にワクチン接種について相談するとよいでしょう。

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