「インフルエンザじゃないのにタミフル」を処方されるのはどうして?【医師監修】

タミフル®(一般名オセルタミビルリン酸塩)はインフルエンザ治療薬として広く知られています。しかし「インフルエンザではないのにタミフルを飲んだらどうなるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。本記事ではインフルエンザでない場合にタミフルが処方されるケースや、予防目的での服用効果と注意点、さらには誤って服用してしまった際の体への影響と対処法について整理します。正しい知識を身につけ、安全にインフルエンザに備えましょう。

監修医師:
高宮 新之介(医師)
インフルエンザじゃないのにタミフルを処方されるケース

タミフルはどのような薬ですか?
インフルエンザの検査が陰性なのにタミフルを処方されるケースはありますか?
インフルエンザ以外の病気でタミフルが処方されることはありますか?
タミフルの予防投与の効果と注意点

インフルエンザを予防するためにタミフルを服用してもよいですか?
しかし、インフルエンザ予防の基本はワクチン接種や手洗い、マスクなどの感染対策であり、薬による予防はあくまで補助的な位置づけです。
医療機関や施設でインフルエンザの集団発生が起きた場合、あるいはインフルエンザ重症化リスクの高い基礎疾患のある方が家族内で接触した場合など、必要と認められる場合に限り医師が判断して予防投与が行われることがあります。
タミフルの予防投与で、どの程度インフルエンザを防げますか?
ただし、この効果は服用期間中に限られます。予防内服を終えた後に新たにウイルスに曝露すれば、当然インフルエンザにかかる可能性はあります。また予防内服していても完全に感染を防げるわけではなく、少ないながら感染突破例(ブレイクスルー感染)も起こりえます。そのため、予防投与を受けている間も基本的な感染予防策(手洗いやマスク、十分な休養など)は怠らないようにし、予防内服は補助的手段と考えることが重要です。
参照:『Effectiveness of Oseltamivir in Preventing Influenza in Household Contacts: A Randomized Controlled Trial』(JAMA)
タミフルの予防投与は健康保険が使えますか?
予防投与にはどのようなリスクがありますか?
次に耐性ウイルスのリスクです。抗インフルエンザ薬を広く使えば、薬が効きにくい耐性ウイルスが出現する可能性があります。実際、タミフルの使用下で一定の割合(数%程度)で耐性株が生じたとの報告があります。ただし、幸いにも耐性株が人から人へ広がる例はまれです。
参照:『タミフルカプセル75 添付文書』(PMDA)
タミフルを誤って服用したときの身体への影響と対処法

インフルエンザの症状がないのにタミフルを飲んだらどうなりますか?
タミフルを誤って飲んだ場合の対処法を教えてください
編集部まとめ

タミフルはインフルエンザの治療薬として広く使われており、発症早期に服用することで症状緩和や重症化予防に役立つ抗インフルエンザ薬です。
しかし、インフルエンザではない場合に服用しても効果はなく、副作用リスクを負うだけになります。インフルエンザ流行期には検査が陰性でも臨床状況からタミフルが処方されるケースがあり、これは偽陰性や治療効果を考慮した医師の判断によるものです。
タミフルによる予防投与は一定の効果(発症リスクの7~8割減)が期待できるものの、対象は高齢の方や基礎疾患のある方などに限られ、健康保険も適用されません。予防内服には副作用や耐性ウイルスのリスクもあるため、基本的には日常的な予防策やワクチン接種を優先し、薬での予防は必要最小限に留めることが望ましいでしょう。
万一インフルエンザ症状がない時にタミフルを飲んでしまった場合は、効果がないだけでなく吐き気や頭痛など副作用に注意が必要です。誤飲してしまったときには落ち着いて経過を観察し、必要に応じて医師に相談してください。正しい知識のもとタミフルを適切に使用し、インフルエンザの治療と予防に役立てましょう。
参考文献
- 『令和6年度インフルエンザQ&A』(厚生労働省)
- 『成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン 第2版』(厚生労働省)
- 『2024/25シーズンのインフルエンザ治療・予防指針』(日本小児科学会)
- 『Effectiveness of Oseltamivir in Preventing Influenza in Household Contacts: A Randomized Controlled Trial』(JAMA)
- 『タミフルカプセル75 添付文書』(PMDA)
- 『タミフルカプセル75及び同ドライシロップ3%の薬事法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正について(平成21年12月18日 保医発第1218001号)』(厚生労働省)




