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医師が「うつ病の診断書」を書いてくれない理由や書けない理由とは?【医師監修】

 公開日:2026/01/22
医師が「うつ病の診断書」を書いてくれない理由や書けない理由とは?【医師監修】

仕事のストレスや体調不良で「しばらく休職したい」と考えても、主治医がうつ病の診断書を書いてくれず困っていることはありませんか。うつ病と診断されたのに、職場に提出する診断書をもらえないと不安になりますよね。診断書は休職手続きや公的支援を受ける際に重要な書類ですが、医師の判断によっては発行されないこともあります。本記事では、うつ病で診断書を書いてもらえない理由や、診断書が必要なときの医師への伝え方、そして診断書をもらえない場合の対処法について解説します。

前田 佳宏

監修医師
前田 佳宏(医師)

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島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。

うつ病で診断書を書いてくれない理由

うつ病で診断書を書いてくれない理由

うつ病の診断書はどの診療科で書いてもらえますか?

うつ病の診断書は、主に精神科心療内科といった心の不調を扱う診療科で書いてもらえます。うつ病であればまずは精神科または心療内科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。これらの診療科の医師であれば、診察の結果うつ病と判断した際に診断書を発行してくれます。

なお、初めは内科など別の科を受診した場合でも、症状に応じて精神科などへの紹介状を書いてもらえることがあります。いずれにせよ、うつ病の診断書は精神科や心療内科の医師から発行してもらうのが一般的です。

うつ病と診断されても診断書を書いてくれないことはありますか?

はい、うつ病と診断されてもすぐに診断書を書いてもらえない場合があります。医師が「まだ症状が軽度で経過観察が必要」と判断した場合、何度か通院して経過を見てからでないと診断書を発行しないことがあります。特に、精神科関連の病気は診断に慎重さが求められるため、初診当日に必ず診断書がもらえるとは限りません

また、患者さん自身が診断書を希望していても、医師が現時点で診断書は必要ないと考えている場合は発行を見送ることもあります。このように、うつ病と診断されても状況によっては、診断書を書いてもらえないことがあります。

診断書を書けない理由を教えてください

医師がうつ病の診断書を書けない主な理由として、次のようなケースが考えられます。

  • 症状が診断書を必要とするほど深刻ではない場合
  • うつ病ではなく別の診断名がついた場合
  • 明らかな症状がないのに診断書だけ欲しい場合
  • 患者さん本人以外からの依頼である場合

以上のような理由で、うつ病だけど診断書を書いてもらえないという状況が起こりえます。心当たりがある場合は、次の診察時にあらためて自分の症状や困りごとを詳しく伝えることが重要です。医師が必要性を理解すれば、診断書を書いてくれる可能性があります。それでも難しい場合は、後述するセカンドオピニオンも検討してみましょう。

うつ病で診断書が必要なときの伝え方

うつ病で診断書が必要なときの伝え方

診断書が必要な事情はどのように説明すればよいですか?

診断書が必要な理由は、正直かつ具体的に医師に伝えましょう。例えば、「職場で休職の手続きに診断書が必要なためお願いします」「何月何日」までに会社提出用の診断書が欲しいです」など、何の目的で診断書が必要なのかをはっきり伝えることが大切です。加えて、現在の症状や仕事や日常生活で困っていることも詳しく説明してください。医師はそうした情報を総合して、診断書による支援が必要かを判断します。事情を伝える際のポイントは次のとおりです。

  • 診断書の使い道を明確にする
  • 症状や日常生活の支障を具体的に話す
  • 遠慮せずに率直に話す

医師に話すときは緊張してうまく言えないこともあります。その場合は事前に伝えたい内容をメモにまとめて持参します。メモを見ながら説明したり、必要であればそのメモを医師に渡したりしてもよいでしょう。大切なのは、診断書が必要な理由と自分の状態を明確に伝えることです。

診断書をを書いてもらうタイミングはいつがよいですか?

診断書が必要とわかった時点で、できるだけ早めに医師に相談するのが理想です。会社や公的手続きの提出期限がある場合は、それに間に合うよう余裕をもって依頼しましょう。

一般的には、主治医から正式にうつ病と診断されたタイミングでお願いするのが適切です。初診当日に診断書をもらえることもありますが、前述のとおり初回は経過観察で発行を見送られることもあります。また、診断書の発行には病院ごとに日数がかかる点にも注意が必要です。即日発行してくれる医療機関もありますが、内容によっては作成に数日〜1週間程度かかることもあります。余裕がないと感じる場合は、「提出期限が近いので急いでいただくことは可能でしょうか」と依頼時に発行の目安を確認してみましょう。

診断書作成時に用意しておく情報はありますか?

診断書を書いてもらう際には、以下のような情報を用意して伝えられるようにしておくとスムーズです。

  • 診断書の提出先や目的
  • 必要な休養期間の目安
  • 現在の治療状況や他科での診療情報
  • 診断書発行の締め切り

基本的には医師が診断書作成に必要な情報は診察内容から判断します。ただ、提出先の要請事項やスケジュールといった部分は患者さん側で知らせないと医師にはわかりません。これらの情報を事前に整理し、診察の際に伝えることで、より適切な内容の診断書をスムーズに作成してもらえるでしょう。

うつ病の診断書をもらえない場合の対処法

うつ病の診断書をもらえない場合の対処法

別の病院や専門医へ相談してもよいですか?

はい、別の医師に相談(セカンドオピニオン)することも検討できます。主治医が診断書を書いてくれない場合でも、ほかの精神科医に初診で診てもらい直すことで診断書を発行してもらえる可能性があります。セカンドオピニオンは患者さんの正当な権利ですので、現在の主治医に遠慮して受けてはいけない決まりはありません。実際、「診断書を書いてもらえない」という理由で転院し、別の医師から診断書を受け取るケースもあります。

診断書をもらえなくても休職や申請はできますか?

診断書なしで正式に休職したり、公的支援を申請したりするのは難しいのが現状です。会社の就業規則にもよりますが、多くの企業では休職扱いにする条件として医師の診断書提出を求めるところがほとんどです。

診断書が提出できない場合、欠勤や有給休暇の消化といった対応になり、長期の療養には十分な措置が受けられない可能性があります。
ただし、有給休暇を利用する範囲内の短期の休みであれば診断書なしでも取得できる場合もあります。例えば有給の残日数があり、それを使って休む分には会社の裁量で診断書なしでも許可されることがあります。一方で、たとえ有給休暇でも会社の規定によっては診断書の提出を求められることもあります。もし診断書が出せない状態で休みたい場合は、まず人事担当者や上司に相談し、有給休暇や欠勤扱いで対応できないか確認してみましょう。

公的制度の利用の場合も、申請には医師の意見書や診断書が必要です。診断書なしでは原則そういった給付は受けられません。やむを得ず診断書がもらえない場合は、産業医社内の健康管理室などに相談し、会社側から主治医に連絡してもらいましょう。

いずれにしても長期の休職や公的支援の申請には診断書がほぼ必須となります。どうしても主治医から診断書をもらえない場合は、前述のように別の医師に相談して入手を検討することが現実的な対策となるでしょう。

セカンドオピニオンを依頼するときのポイントを教えてください

セカンドオピニオンを依頼する際のポイントは以下のとおりです。

  • 診断書をもらう目的を明確に伝える
  • 必要な資料を準備する
  • 主治医への伝え方には配慮する
  • 信頼できる医師を探す

以上のポイントを押さえてセカンドオピニオンを活用すれば、診断書の件に限らず自身の治療や今後の方針について新たな視点が得られるでしょう。自分の納得のいく形で治療を続けるためにも、必要に応じて上手にセカンドオピニオンを取り入れてみてください。

編集部まとめ

編集部まとめ

うつ病の診断書は、休職や支援制度を利用するうえで重要な役割を果たします。しかし、医師が診断書を書いてくれない場合には、その背後に症状の程度や伝え方の問題、診断の内容などさまざまな理由が考えられます。まずは自分の症状や困難をきちんと医師に伝え、診断書の必要性を理解してもらうことが大切です。それでも診断書をもらえないときは、セカンドオピニオンを含め、ほかの方法を検討するのも一つの手段です。別の医師に相談することで、新たな診断書を書いてもらえる可能性もありますし、治療について別の視点からアドバイスを得ることもできます。困ったときは一人で抱え込まず、遠慮なく医師や会社などに相談してみてください。あなたの健康な生活を守るために、利用できる制度や手段は積極的に活用しましょう。

この記事の監修医師