目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 病気Q&A(医科)
  4. 「インフルエンザの検査」はいつ受診したらいいの?検査結果が出る時間も解説!

「インフルエンザの検査」はいつ受診したらいいの?検査結果が出る時間も解説!

 公開日:2026/01/27
「インフルエンザの検査」はいつ受診したらいいの?検査結果が出る時間も解説!

インフルエンザが流行する季節になると、突然の発熱や倦怠感に不安を感じる方も多くなります。職場や学校などでの感染拡大を防ぐためにも、適切なタイミングで検査を受けることが大切です。インフルエンザの検査にはいくつか種類があり、検査方法や実施のタイミングによって正しい結果が得られないこともあるため、基本的な知識を押さえておくと安心です。この記事では、インフルエンザ検査の方法や検査結果が出るまでの時間、検査に適切なタイミング、検査を受ける前後の注意点について詳しく解説します。

高宮 新之介

監修医師
高宮 新之介(医師)

プロフィールをもっと見る
昭和大学卒業。大学病院で初期研修を終えた後、外科専攻医として勤務。静岡赤十字病院で消化器・一般外科手術を経験し、外科専門医を取得。昭和大学大学院 生理学講座 生体機能調節学部門を専攻し、脳MRIとQOL研究に従事し学位を取得。昭和大学横浜市北部病院の呼吸器センターで勤務しつつ、週1回地域のクリニックで訪問診療や一般内科診療を行っている。診療科目は一般外科、呼吸器外科、胸部外科、腫瘍外科、緩和ケア科、総合内科、呼吸器内科。日本外科学会専門医。医学博士。がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了。JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)修了。ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)。BLS(Basic Life Support)。

インフルエンザ検査の方法とかかる時間

インフルエンザ検査の方法とかかる時間

インフルエンザの検査はどのような方法で行われますか?

一般的に医療機関でよく行われるインフルエンザ検査は、迅速抗原検査と呼ばれる方法です。この検査は、専用の細長い綿棒で鼻の奥やのどの奥を軽くぬぐい、その検体に含まれるインフルエンザウイルスの抗原(ウイルスのタンパク質)を調べるという仕組みです。迅速抗原検査は外来診察室でもすぐに行うことができるため、インフルエンザが疑われる方の診断に広く利用されています。

また、迅速検査以外にも、ウイルス遺伝子を調べる遺伝子検査(RT-PCR検査)を行う場合もあります。これは迅速検査よりもさらに精度が高く、主に重症例や精度の高い診断を必要とする場合に利用されます。一方、血液検査による抗体検査やウイルスを培養するウイルス分離検査は、日常的な診断よりも、主に研究や感染経路の調査目的で実施されることが多いです。

検査の結果が出るまでどのくらいの時間がかかりますか?

迅速抗原検査の場合、検体を採取してから結果が出るまでにかかる時間は、おおむね10分から15分です。これは検査に使用されるキットによって定められており、通常の外来診察時間内に結果が得られるため、患者さんはその場で診断結果を知ることができます。これに対し、遺伝子検査(RT-PCR検査)は専用の検査機器を使用し、病院の施設や外部検査機関で行う必要があるため、結果がわかるまで数時間から1日程度かかることがあります。

インフルエンザ検査を受けられないケースはありますか?

インフルエンザの検査はすべての方が必ず受けられるとは限りません。例えば、症状がまったく出ていない場合や症状が大変軽い場合は検査を行わないことがあります。

また、鼻やのどに出血や炎症などがあると、検体を採ることが困難で検査を行えない場合があります。さらに、インフルエンザの流行状況や患者さんの症状などから明らかにインフルエンザだと推測できる場合には、医師の判断で検査を行わず治療を開始することもあります。

検査結果だけでインフルエンザの診断が決まるわけではなく、医師は患者さんの症状や流行状況、検査の利点と限界を総合的に判断して対応を決定しています。

インフルエンザ検査に適したタイミング

インフルエンザ検査に適したタイミング

発症してすぐに検査しても陽性になりますか?

発症直後に迅速抗原検査を行うと、陰性になりやすいことが知られています。これは発症直後の体内ではウイルスの量がまだ少ないため、検査で十分なウイルス抗原を検出できないことが多いためです。実際の研究でも、発症後12時間未満の検査では陽性率が約4割以下というデータがあります。時間の経過とともにウイルスの量が増え、24時間から48時間程度経過すると陽性率が高くなることが報告されています。

参照:『発症から検査までの時間がインフルエンザ迅速抗原検査に与える影響:前向き観察研究』(筑波メディカルセンター病院感染症内科)

インフルエンザ検査に適しているタイミングはありますか?

迅速抗原検査の精度は、発症からの時間、検体の採取部位や採り方で変わるため、誰にとっても同じタイミングが正解とは言い切れません。ただ、発症直後は陰性が増えやすいことが報告されているため、時間に余裕がある場合は、発症から半日から1日ほどたってから検査すると検出されやすくなる可能性があります。高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなどの強い症状がある場合は、検査のタイミングを待たず早めに医療機関へ相談してください。

検査結果が陰性でも調子が悪い場合、再検査は必要ですか?

陰性でもインフルエンザを完全に否定できないため、症状が続く場合や悪化する場合は、再度の受診を検討してください。特に発症直後に検査した場合は、時間がたつと陽性になることがあります。医師が必要と判断した場合は、再検査や、別の方法(遺伝子検出法など)で確認する場合があります。

また、インフルエンザ以外にも、肺炎や、ほかの感染症などが隠れている場合があります。高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が大変悪い場合は早めに医療機関を受診することを検討してください。

インフルエンザ検査の注意点

インフルエンザ検査の注意点

インフルエンザ検査前にしておく準備はありますか?

インフルエンザ検査を受けるにあたり、特別な食事制限や事前準備は基本的に必要ありません。しかし、受診の際には医師が診断をスムーズに行えるよう、いくつかの情報を整理しておくとよいでしょう。

例えば、症状がいつ頃から出始めたのか、熱のピークはいつだったか、どのような症状(咳、のどの痛み、鼻水、筋肉痛など)があるのかを正確に伝えられるようにしておくと、医師が診断や検査の判断を行いやすくなります。

また、家族や職場・学校など身近にインフルエンザの感染者がいるかどうかを伝えることも重要です。さらに、妊娠している場合や慢性疾患がある場合、現在服用している薬がある場合などは必ず医師に伝えてください。受診時には咳やくしゃみがある場合は感染拡大を防ぐためにマスクを着用し、手洗いや咳エチケットを心がけることも大切です。症状が強い場合や混雑している場合、あらかじめ電話で医療機関に相談し、受診方法を確認しておくとスムーズな対応が受けられます。

検査前に薬を飲むと結果に影響がありますか?

市販の解熱剤や風邪薬を服用していても検査結果そのものにはほとんど影響はありません。ただし、症状が軽くなってしまうことで正確な診断が難しくなることがあります。そのため、薬を服用した場合は、必ず医師に何をどのタイミングで服用したかを伝えてください。また、自己判断で薬を増量したり中断したりせず、指示された方法で服用することが重要です。

検査後に注意すべきことを教えてください

検査結果が陽性の場合、インフルエンザと診断された患者さんは周囲への感染を防ぐために一定期間外出を控える必要があります。厚生労働省や学校保健安全法では、発症後5日間が経過し、かつ解熱後2日間(幼児の場合は3日間)が経過するまでは登校や出勤を控えることが推奨されています。この期間中は自宅で十分な休養を取り、水分補給をしっかりと行いましょう。また、解熱後も咳やくしゃみなどの症状が残る場合は、マスクを着用するなどして周囲への感染を防ぐ配慮を継続することが重要です。

検査結果が陰性であった場合でも、前述のように発症直後ではウイルス量が少なく陰性になることがあります。そのため症状が続く場合や悪化する場合には再受診を検討し、医師に相談することをおすすめします。
特に症状が改善せず、呼吸困難や意識の混濁など重篤な症状が現れた場合はただちに医療機関を再受診してください。陰性結果であっても自己判断で症状を放置せず、症状の経過を医師に伝えて適切な診療を受けましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

 インフルエンザ検査についての正しい知識は、感染拡大を防ぎ適切な治療を受けるために重要です。迅速抗原検査は短時間で結果が得られますが、発症直後では陰性になる可能性があるため、症状が続く場合は再受診も考慮する必要があります。また、発症後12時間から48時間のタイミングが迅速検査と治療開始に適しており、この期間を意識して早めに医療機関を受診することが望ましいです。

日頃から手洗いやうがい、マスクの着用などの感染予防策を心がけ、インフルエンザの流行状況にも注意を払って感染のリスクを下げることが重要です。また、ワクチン接種を希望する方は、流行期の前に医療機関で早めに接種を済ませておくとよいでしょう。正しい知識を身につけて、感染症に強い身体づくりと早期対応ができるよう心がけてください。

この記事の監修医師