「低血圧の治療薬」を飲むとどれくらいで低血圧の症状が緩和される?副作用となる症状も解説!

「朝なかなか起きられない」「立ち上がったときにクラっとする」そのような低血圧によるつらい症状に悩んでいませんか?
低血圧は高血圧と比べて注目されにくいものの、放置すると日常生活に支障をきたすことがあります。本記事では低血圧の定義や症状、治療が必要なケースと治療薬の種類、薬を服用するときの注意点や生活上のポイントを解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
眼科
循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)
目次 -INDEX-
低血圧の定義と症状

低血圧とはどのような状態ですか?
低血圧には大きく分けて、特別な原因がなく血圧が低い本態性低血圧、起き上がったときに血圧が急激に下がる起立性低血圧、食後に血圧が下がる食後低血圧、そして病気や薬の影響で起こる二次性低血圧などの種類があります。
さまざまな種類の低血圧がありますが、症状がなければ単に体質的に血圧が低いだけで治療の必要はない場合も少なくありません。
低血圧による身体や生活への影響を教えてください
- 朝起きづらい
- 頭痛(頭重感)
- 全身のだるさ
- 肩こり
- 動悸
- 胸の圧迫感
- 失神
- 吐き気
これらの症状により、朝なかなか活動を開始できなかったり、立ちくらみによる転倒の不安から外出や仕事に支障が出たりと、日常生活の質が低下する場合があります。
このように、低血圧は放っておくと体調不良の原因となりうるため、つらい症状があれば対策を検討しましょう。
低血圧で治療が必要になるケースと治療薬

低血圧で治療が必要と判断されるのはどのようなケースですか?
一方、立ちくらみによる失神発作や日中の強い倦怠感など、生活に支障をきたすような症状が出ている場合には治療を検討します。また、心臓病や内分泌の異常、貧血など低血圧の原因となる病気が明らかな場合には、その治療を優先します。
低血圧の主な治療法を教えてください
それでも日常生活に支障が出る場合や、起立性低血圧など明らかに薬の助けが必要な場合に、医師の判断で薬物療法が用いられます。また、心臓やホルモンの病気が原因となっている二次性低血圧症では、根本にある原因の治療を行うことで血圧の改善を目指します。このように、低血圧に対しては、症状の程度に応じてまず生活習慣の改善を行い、必要に応じて薬を使うという段階的な対応をとります。
低血圧の治療で用いられる薬にはどのようなものがありますか?
また、メチル硫酸アメジニウムはノルアドレナリンの分解を阻害してその作用を増強することで血圧を維持する薬剤、ドロキシドパは体内でノルアドレナリンに変わる前駆物質で、交感神経を介して血圧を上昇させます。
これらの薬剤を患者さんの症状や原因に合わせて選択し、必要最低限の用量で使用します。
低血圧の治療薬を飲むとどの程度の期間でつらい症状が緩和されますか?
慢性的な低血圧症状に対しては、薬で一時的に血圧を上げつつ、生活習慣の改善を並行して行う必要があります。そのため、症状が安定するまで数週間程度、医師と相談しながら投薬を続け、経過をみることもあります。いずれにせよ、効果の出方には個人差があるため、焦らず医師の指示どおりに服用を続けることが大切です。
低血圧の治療薬を服用する際の注意点と生活のポイント

低血圧の治療薬の副作用を教えてください
また、交感神経を刺激する作用に関連して食欲不振や吐き気、腹痛などの消化器症状、不眠、興奮、発疹などが生じることもあります。
そのほかにも薬の種類によって、胸部圧迫感や口渇感などが起こることがあります。いずれの場合も、服用して明らかに体調が悪化した場合には、自己判断で続けず医師に相談するようにしてください。
低血圧の治療薬を飲むことで血圧が上がりすぎることはありますか?
特に、昇圧薬を過剰に投与すると、過度の血圧上昇や頻脈、不整脈を引き起こすおそれがあります。処方医の指示に従い、決められた時間帯・用量で服用している限り適切にコントロールされますが、「もっと効かせたい」と自己判断で増量すると危険です。必ず医師の指導のもと、安全な範囲で薬を使用しましょう。
低血圧のつらい症状を緩和するための生活上の注意点を教えてください
- 規則正しい生活をする
- 適度な運動で筋肉を鍛える
- 水分と塩分を適度に補給する
- バランスのよい食事をとる
- 急に立ち上がらない
- 寒暖差に気を付ける
以上のような生活習慣の改善によって、低血圧による不調の予防あるいは軽減が期待できます。低血圧の薬を服用している方も、これらのセルフケアを並行して行うことで薬の効果が得られやすくなり、症状改善につながりやすくなります。
編集部まとめ

低血圧は高血圧ほど深刻だと思わない方もいますが、低血圧も体調不良や生活の質を下げるリスクがあります。今回解説したように、症状がなければ経過観察で問題ありませんが、めまいや倦怠感などつらい症状がある場合には我慢せず医療機関で相談し、適切な対策を取ることが大切です。治療薬による症状改善効果は見込めますが、薬だけに頼らず生活習慣も見直すことで再発予防や根本的な改善につながります。低血圧とうまく付き合っていくために、できることから少しずつ生活に取り入れてみましょう。
参考文献




