「インフルエンザ」は発症後「何日目がピーク」かご存知ですか?ピーク時の症状も解説!

毎年のように流行を繰り返すインフルエンザは、突然の高熱や強い倦怠感によって日常生活に大きな影響を及ぼします。そのため、「何日目に症状が強く出やすいのか」「学校や仕事にいつから行けるのか」など、発症時に気になる疑問は少なくありません。
実際、インフルエンザには典型的な症状の経過があり、発症からピーク、回復までには一定の流れがあります。正しい知識を持つことで、自宅での過ごし方や受診のタイミングを判断しやすくなり、周囲への感染拡大を防ぐことにもつながります。
本記事では、インフルエンザの症状の推移と、それに応じた対応方法を解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
眼科
循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)
インフルエンザに感染してから治癒するまでの症状

インフルエンザに感染すると何日程度で症状が現れますか?
そのため、インフルエンザは朝は元気でも夕方には高熱で動けなくなるなど、急激に発症することも珍しくありません。
参照:『インフルエンザ施設内感染予防の手引き』(厚生労働省)
インフルエンザは発症してから何日程度でピークになりますか?
なお、年齢や体調によってこのピークの時期には個人差があり、体力の回復が遅れたり、症状の強さに違いが出る場合もあります。
参照:『インフルエンザ施設内感染予防の手引き』(厚生労働省)
インフルエンザのピーク時にはどのような症状が出ますか?
小児では、発熱に伴ってけいれんや中耳炎を併発することがあるほか、嘔吐や下痢などの消化器症状がみられることもあります。
一方、高齢の方では、高熱が出にくく、食欲低下や意識の低下が目立つことがあります。また、肺炎を合併して重症化することも少なくありません。
参照:『インフルエンザ施設内感染予防の手引き』(厚生労働省)
インフルエンザのピークが過ぎたら症状はどのように変化しますか?
ただし、体力の回復にはさらに数日かかることが多く、無理をすると再び体調を崩すことがあります。熱が下がったからといってすぐに通常の生活に戻るのではなく、体調を見ながら少しずつ活動量を増やすよう心がけましょう。
インフルエンザのピーク時の乗り切り方

インフルエンザの高熱や関節痛が辛いときの自宅での過ごし方を教えてください
また、室内の湿度を保つことで、喉や鼻の症状をやわらげる効果が期待できます。乾燥しやすい環境では、加湿器などを使って50〜60%程度の湿度を維持すると、喉や鼻の乾燥がやわらぎます。
高熱や関節痛がつらい場合は、市販の解熱鎮痛薬を用いて症状をやわらげる方法もあります。ただし、インフルエンザ時は摂取しない方がよい成分(アスピリン、ジクロフェナク、メフェナム酸、イブプロフェン、ロキソプロフェン)を含む薬もあるため、必ず添付文書を確認し、不安がある場合は医師や薬剤師に相談してください。
身体を冷やす場合は、首やわきの下、太ももの付け根などの大きな血管が通る部分を冷やすと、熱を下げるのに効果的です。
参照:『令和6年度インフルエンザQ&A』(厚生労働省)
インフルエンザが疑われるときはどのような症状が現れたら受診すべきですか?
- 高熱が出てつらい状態が続いている
- 全身の強いだるさで動くのが難しい
- 関節痛や筋肉痛が強く、身体を起こすのがつらい
- 咳や喉の痛みが悪化してきた
- 食欲が低下し、水分補給が十分にできない
また、5歳以下の小児、高齢の方、妊娠中の方、心臓病や糖尿病などの基礎疾患を持つ方は、重症化しやすい傾向があるため、症状が軽い段階でも早めに受診することが推奨されます。
一方で、体力が保たれており、軽い喉の痛みや咳だけで日常生活に支障がない場合は、自宅で安静にしながら様子をみることも可能です。ただし、体調の変化があれば無理をせず医療機関に相談しましょう。
参照:『新型インフルエンザ 診療ガイドライン(第1版)』(一般社団法人日本感染症学会)
インフルエンザのピーク時に受診をしたら治療薬を処方してもらえますか?
ただし、48時間以内に受診すれば誰にでも処方されるわけではありません。抗インフルエンザ薬の使用は、年齢、症状の強さ、基礎疾患の有無、症状の重さなどを踏まえて、医師が総合的に判断します。
診察の結果、全身状態が安定しており、重い合併症の危険性が低いと判断された場合は、抗インフルエンザ薬を使用せず、解熱剤などによる対症療法を中心に経過をみることがあります。
参照:『令和6年度インフルエンザQ&A』(厚生労働省)
インフルエンザで医療機関を受診した後に辛い症状が現れたらどうすればよいですか?
一方で、治療の途中で次のような変化がみられた場合には対応が必要です。
- 息苦しさが強くなる
- ぐったりして呼びかけに反応しにくい
- 水分がとれず脱水が疑われる
- 胸の痛みが出てくる
こうした症状は、肺炎や脱水などの合併症が進行している可能性があります。
特に、子どもは体調の変化が急に現れやすく、夜間に急な発熱やぐったりとした様子がみられることがあります。一方で高齢の方は症状がわかりにくく、発熱が目立たないまま体力が低下し、食事量が減る、会話が少なくなるといった変化が悪化の兆候となることがあります。
インフルエンザの経過中は症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すことがありますが、少しでも違和感を覚えたときは、自己判断で様子を見続けずに再度医療機関へ相談しましょう。
インフルエンザのピーク後の過ごし方

インフルエンザのピークが過ぎたら学校や仕事に行ってもよいですか?
一般的にインフルエンザは、発症の前日から発症後約7日間、喉や鼻からウイルスを排出するとされています。この期間は感染拡大を防ぐためにも、外出や集団生活を控えましょう。
学校保健安全法では『発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児の場合は3日)を経過するまで出席停止』と定められています。仕事についても同様に、症状が軽くなったからといって早く復帰するのではなく、医師の指示や体調の回復状況を踏まえて判断しましょう。
参照:『令和6年度インフルエンザQ&A』(厚生労働省)
インフルエンザの症状が落ち着いたらお風呂に入ってもよいですか?
また、解熱剤の影響で一時的に熱が下がっているだけの場合や、だるさ、食欲低下、水分不足などの症状が残っている場合は、入浴によって体調が悪化する可能性があるため、入浴は控え、身体を拭くなど負担の少ない方法で清潔を保つことが適しています。
また、子どもや高齢の方は体力の回復に時間がかかるため、シャワーで汗を流す、入浴時間を短くするなど、体調に合わせて段階的に進めましょう。
インフルエンザが完治する目安の日数を教えてください
症状がよくならない、あるいは体調に不安がある場合は、医療機関を受診し、医師に相談することがすすめられます。
参照:『インフルエンザ施設内感染予防の手引き』(厚生労働省)
編集部まとめ

インフルエンザは、感染から1〜3日で発症し、さらに1〜3日で高熱や倦怠感などのピークを迎えるのが一般的です。その後は徐々に解熱していきますが、体力の回復には数日を要するため、無理をすると症状が長引くこともあります。発症後5日、かつ解熱後2〜3日が経過するまでは、登校や出勤を控え、周囲への感染拡大を防ぐことを意識しましょう。
多くの場合、発症から1週間程度で回復しますが、小児や高齢の方、基礎疾患を持つ方は重症化する可能性もあるため、症状の変化に注意し、必要に応じて早めに医療機関を受診しましょう。
参考文献




