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「痛風の人が食べてはいけないもの」はご存知ですか?おすすめの食べ物や飲み物も解説!

 公開日:2025/11/12
痛風の人が食べてはいけないものを一覧表で解説!摂りたいものも解説

痛風は、血液中の尿酸が増えすぎて結晶となり、関節に炎症を起こす病気です。代表的な症状は関節の強い痛みや腫れで、足の親指の付け根に出やすいとされますが、膝や足首などほかの関節に及ぶこともあります。発作は数日から1週間ほど続き、その間は歩行や睡眠に影響するため、生活の質が大きく低下します。症状が治まっても高尿酸血症を放置すると再発を繰り返し、慢性の関節障害や腎臓のトラブル、尿路結石を引き起こすことがあります。そのため薬による治療とともに、食事や飲み物の工夫、日常生活の見直しが発作予防の大切なポイントです。

この記事では、痛風の方が避けたい食品や飲料、積極的に取り入れたい食事や飲み物、さらに食事以外で気を付けたい生活習慣について整理して解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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名古屋市立大学卒業。東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、 NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。医学博士。公認心理師。日本専門医機構総合診療特任指導医、日本内科学会総合内科専門医、日本老年医学会老年科専門医、日本認知症学会認知症専門医・指導医、禁煙サポーター。
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
眼科
循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)

痛風の人が食べてはいけないものの一覧表

痛風の人が食べてはいけないものの一覧表

痛風の人が食べてはいけないものを教えてください

痛風の方は、尿酸のもとになるプリン体を多く含む食品を摂りすぎないことが大切です。下記の食品にはプリン体が多く含まれています。

  • レバー
  • 白子
  • 魚卵
  • 干物
  • カツオやイワシなどの青魚

レバーや白子、魚卵、干物、カツオやイワシなどの青魚はプリン体が多く、繰り返し食べると尿酸値の上昇につながります。さらに、加工食品や一部の健康食品・サプリメントにも予想以上にプリン体が含まれている場合があり、成分表示を確認せずに摂取すると知らないうちに過剰になることもあります。完全に禁止する必要はありませんが、量や頻度を調整し、食事全体のバランスを意識することが再発予防につながります。

痛風の人が避けた方がよい調理法を教えてください

痛風の方は、同じ食材でも調理方法によってプリン体の摂取量や身体への負担が変わるため注意が必要です。例えば、煮込み料理や鍋料理ではプリン体が煮汁に溶け出すため、具材だけでなく汁を飲むことでさらに多く取り込んでしまいます。ラーメンやスープを最後まで飲み干す習慣も、知らないうちにプリン体の摂取量を増やす原因です。完全に禁止する必要はありませんが、量や頻度を調整し、食事全体のバランスを意識することが再発予防につながります。

また、揚げ物炒め物のように油を大量に使う料理は高カロリーになりやすく、肥満を通じて尿酸値を上げやすくします。味付けが濃い料理も、ついご飯やお酒が進みやすくなるため、結果的に摂取エネルギーやアルコール量が増えてしまう点で避けたい調理法です。プリン体の含有量だけでなく、調理によるエネルギー過多や食欲増進効果も考慮して、控えめにすることが大切です。

参照:『湯煎および電子レンジ加熱調理による食品中のプリン体含量の変動』(痛風と核酸代謝)

痛風の人が飲まない方がよいものはありますか?

痛風の方が避けた方がよい代表的な飲み物は下記のとおりです。

  • アルコール飲料全般
  • 果糖を多く含む炭酸飲料やジュース

アルコール飲料は尿酸の排泄を妨げるため、できるだけ控えることが推奨されています。特にビールや日本酒はプリン体が多く、日常的に飲む習慣は発作を繰り返すリスクを高めます。ワインや焼酎などはプリン体が少ないといわれていますが、アルコールそのものが尿酸値に悪影響を及ぼすため、飲みすぎに注意しましょう。

また、果糖を多く含む炭酸飲料ジュースは清涼感から飲みすぎてしまいがちですが、尿酸値を上げやすいため飲み過ぎないように控えることが大切です。

参照:『食品・飲料中のプリン体含有量』(公益財団法人痛風・尿酸財団)

痛風の人が積極的に摂りたい食べ物や飲み物の一覧表

痛風の人が積極的に摂りたい食べ物や飲み物の一覧表

痛風の人におすすめの食べ物を教えてください

痛風の方におすすめする食べ物は下記のとおりです。

おすすめの食べ物 期待される作用
牛乳やヨーグルトなどの乳製品 尿酸値を下げる可能性がある
柑橘類やいちご、キウイなど 尿酸の排泄を促しやすい

牛乳やヨーグルトなどの乳製品には、尿酸値を下げる作用があることが国内外の研究で示されています。特に低脂肪・無脂肪タイプは日常に取り入れやすく、ガイドラインでも推奨されています。また、野菜や果物も欠かせません。ビタミンCを多く含む柑橘類やイチゴ、キウイ、ブロッコリーなどは尿酸の排泄を促しやすいとされます。

参照:
『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』(日本痛風・核酸代謝学会)
『2020 American College of Rheumatology Guideline for the Management of Gout』(American College of Rheumatology)
『血清尿酸値の低下作用が示唆される食材 および食材に含まれる物質の作用機序』(痛風と尿酸・核酸)

痛風の人に推奨される飲み物はありますか?

痛風の再発予防には、水分補給がとても重要です。

推奨される飲み物と摂取量 期待される作用
水やお茶(1日2リットル) 尿酸の体外排出を促す
コーヒー(1日4杯以上) 痛風発症のリスクが下がる可能性がある
赤ワイン(適量) 尿酸値の上昇抑制および痛風の発症抑制

水やお茶をこまめに飲むことで尿量が増え、尿酸が体外に排出されやすくなります。1日2リットル前後を目安に、朝起きたときや食事中、運動後など、タイミングを分けて摂取するのが効果的です。特に夏場や汗をかきやすい状況では意識的に水分を補うことが欠かせません。

また、コーヒーを1日4杯以上飲む習慣がある方では血清尿酸値が低めに保たれ、痛風発症のリスクが下がる可能性が報告されています。さらに、赤ワインについても、適量であれば尿酸値の上昇を抑えるだけでなく、発症抑制に効果が期待されるとされています。

参照:『痛風・高尿酸血症の病態と治療』(日本内科学会雑誌)

痛風の予防や抑制に効果がある調理法を教えてください

痛風の方は、食材の選び方だけでなく調理の仕方にも気を配りましょう。プリン体は水に溶けやすいため、鍋物や煮込み料理では煮汁に溶け出してしまいます。汁まで飲み干すと摂取量が増えるため、具材だけを食べる工夫が望まれます。

また、油を多く使った揚げ物はエネルギー過多になりやすく、肥満を通じて痛風のリスクを高めます。衣に油を含みやすい天ぷらやフライなどは控えめにし、揚げ物を食べる場合でも頻度を減らしましょう。加えて、塩分の多い味付けは腎臓の負担を強め、尿酸の排泄を妨げる可能性があるため、濃い味付けは避けるよう心がけるとよいでしょう。

参照:『湯煎および電子レンジ加熱調理による食品中のプリン体含量の変動』(痛風と核酸代謝)

痛風の人が食事療法以外で気を付けたいこと

痛風の人が食事療法以外で気を付けたいこと

痛風とタバコは関係ありますか?

タバコを吸うことが直接尿酸値を上げるとは限らず、タバコと痛風の発症や再発の関係はまだはっきりしていない部分があります。しかし、日本のガイドラインでは喫煙を高尿酸血症に関係する生活習慣の一つとして挙げており、改善をすすめています。

喫煙は血管や腎臓の働きを悪くし、動脈硬化や心血管病のリスクを高めるため、痛風を持つ方にとっては合併症のリスクが増える大きな要因です。そのため、尿酸値への直接的な影響が明確でなくても、身体の健康を考えれば禁煙が望ましいといえます。

参照:『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』(日本痛風・核酸代謝学会)

痛風と肥満の関係を教えてください

肥満は痛風の危険因子のひとつです。体重が増えると体内で尿酸が多く作られるだけでなく、腎臓からの排泄も妨げられやすくなります。その結果、血清尿酸値が高い状態が持続し、発作が繰り返されやすくなります。特に内臓脂肪型肥満はメタボリックシンドロームとも深く関係し、糖尿病や高血圧、脂質異常症を合併するリスクが高まります。したがって、無理のない範囲で体重を少しずつ減らしていくことが、尿酸コントロールと再発予防の両面で重要です。

痛風の人は定期的に運動をした方がよいですか?

適度な運動は代謝を改善し、血清尿酸値を安定させるのに役立ちます。特にウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動は脂肪燃焼にも効果的で、体重管理を通じて痛風の再発予防につながります。肥満は尿酸値を上げる大きな要因であるため、日常的に身体を動かす習慣は重要です。

ただし、短距離走や重いウエイトを使った筋トレといった無酸素運動は、乳酸の蓄積や一時的な尿酸値の上昇を招き、発作を誘発することがあります。そのため、強度が高すぎる運動は控え、無理のない範囲で継続できるものを選ぶことが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ
痛風の食事療法は食べてはいけないものを減らすだけでなく、摂った方がよいものを取り入れることも大切です。プリン体やアルコールの摂取を抑えながら、乳製品やビタミンCを含む野菜・果物、水分をしっかり取り入れることで尿酸を安定させることができます。

また、完全に禁止するのではなく量や頻度を調整しながら続けることが現実的であり、長期的な再発予防に結びつきます。さらに肥満の改善、軽い運動、禁煙など生活習慣全体を見直すことで、痛風の発作を抑えるだけでなく腎障害や尿路結石などの合併症を防ぐことにもつながります。薬物治療とあわせて、生活習慣を整えることが痛風と上手に付き合うために大切です。

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