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「歯周病になりやすい人」の特徴はご存知ですか?年齢別の罹患率も解説!【医師監修】

 公開日:2025/09/28
「歯周病になりやすい人」の特徴はご存知ですか?年齢別の罹患率も解説!【医師監修】

歯周病は、初期の段階では痛みや自覚症状が少ないために、気付かないまま病状が進行し、最終的には歯を失う原因にもなります。しかし、歯周病は生活習慣や体質によってリスクが異なり、なりやすい方となりにくい方の特徴が存在します。本記事では、歯周病の症状と原因や罹患率、なりやすい方となりにくい方の特徴、そして予防のためにできることについて解説します。

松浦 京之介

監修歯科医師
松浦 京之介(歯科医師)

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歯科医師。2019年福岡歯科大学卒業。2020年広島大学病院研修修了。その後、静岡県や神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務。2023年医療法人高輪会にて勤務。2024年合同会社House Call Agencyを起業。日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会の各会員。

歯周病の症状と原因

歯周病の症状と原因

歯周病の症状を教えてください

歯周病は、初期段階と進行段階で症状が異なります。初期では、歯茎の赤みや腫れ、歯磨きの際の出血などがみられます。

中等度に進行すると、口臭が強くなるとともに、歯と歯の間にすき間が生じます。さらに進行すると、歯を支える骨が溶けて歯がぐらつき、最終的には自然に歯が抜け落ちることもあります。痛みを伴わず進行する点が特徴的です。

なぜ歯周病になるのですか?

歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)です。歯垢は歯に付着している白、または黄白色の粘着性の沈着物で、多くの細菌とその産生物から構成されます。歯垢のなかには、1mgあたり1億個以上もの細菌が含まれます。

歯垢は適切に除去しないと歯石に変化し、歯石の中に入っている細菌が歯茎の炎症を引き起こします。歯肉が炎症によってどんどん腫脹し、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)が深くなります。深くなったポケットの中は歯周病の原因菌の繁殖しやすい嫌気性環境であるため、歯周病原菌の繁殖はさらに進みます。

さらに、糖尿病や喫煙、内臓型肥満や妊娠なども歯周病を引き起こす原因ではないかと考えられています。

参照:
『歯周病検診マニュアル2015』(厚生労働省)
『e-ヘルスネット「歯周病とは」』(厚生労働省)

歯周病の罹患率を教えてください

日本での歯を失う原因の1位が歯周病です。多くの方が歯周病に罹患しています。
日本歯周病学会が公表している、歯周病の罹患率は下記のとおりです。

年代 罹患率
15〜24歳 20%
25〜34歳 30%
35〜44歳 40%
45〜54歳 50%
55歳以上 55〜60%

また、厚生労働省の『令和4年歯科疾患実態調査』によると、歯周病かどうかを判断する指標の一つである”歯周ポケットの深さが4mm以上”である方の割合は下記のとおりです。

年代 罹患率
15〜24歳 17.8%
25〜34歳 32.7%
35〜44歳 34.7%
45〜54歳 43.7%
55〜64歳 47.5%
65〜74歳 56.2%
75歳以上 56%

歯周病は、中高年層のみならず若い世代にも広くみられる病気であることがわかります。

参照:
『歯周病を知っていますか』(日本歯周病学会)
『令和4年歯科疾患実態調査』(厚生労働省)

歯周病になりやすい人、なりにくい人の特徴

歯周病になりやすい人、なりにくい人の特徴

歯周病になりやすい人の特徴を教えてください

日常の歯みがきが不十分でプラークが残りやすい方、喫煙習慣がある方、糖尿病や高血圧といった生活習慣病を抱えている方はリスクが高まります。また、強いストレスや慢性的な睡眠不足によって免疫力が低下している場合も、歯周病が進行しやすくなります。家族に歯周病患者さんが多いなどの遺伝的な背景を持つ方も注意が必要です。

特に歯周病のリスクが高いのはどのような人ですか?

特にリスクが高いとされるのは、喫煙者糖尿病の患者さんです。タバコに含まれるニコチンは歯茎の血流を悪化させるため、炎症が生じやすくなります。喫煙者は非喫煙者と比較し歯周病に3倍以上罹りやすいといわれています。

糖尿病の患者さんは、高血糖状態によって免疫機能が低下し、細菌に対する抵抗力が弱まるため、感染症である歯周病が悪化しやすいとされています。歯周病と糖尿病との間には双方向的な関連があるといわれ、糖尿病の治療が歯周病を改善するだけでなく、歯周治療を行うことは糖尿病のコントロールにも有効であると考えられています。

参照:
『e-ヘルスネット「歯周病とは」』(厚生労働省)
『e-ヘルスネット「口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連」』(厚生労働省)

歯周病になりやすい年代や性別はありますか?

歯周病は若い頃から少しずつ始まり、年齢を重ねるほど進行しやすくなります。20代後半から歯周病が原因で歯を失うケースがみられ始め、35〜69歳ではおよその7割で歯肉の異常が確認されています。

特に40代以降は急激に増加し、40代半ばには抜歯の約4人に1人が歯周病によるものと報告されています。さらに、55歳以上になると歯周病がむし歯を上回って歯を失う一番の原因です。75歳を過ぎると進行した歯周病を有する方が急増し、85歳以上では多くの方が歯周病に罹患しているのが現状です。つまり、歯周病は中高年から高齢期にかけて特に注意が必要な病気といえます。

また、性別による明確な差は大きくはありませんが、生活習慣の違いが影響します。女性の方がフロスや歯間ブラシを積極的に使用しており、予防意識が高いことがわかっています。特に40~70代の女性では、半数以上が歯間清掃を行っていました。一方で、男性はセルフケアが不十分になりやすく、その結果歯周病が進行しやすい傾向がみられます。

参照:『歯周病罹患の現状と対策について』(厚生労働省)

歯周病になりにくい人の特徴を教えてください

歯周病になりにくい方は、口腔ケアと生活習慣の両面で整った生活を送っているのが特徴です。毎日の歯みがきを丁寧に行い、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯間の清掃ができている方は、歯垢を効果的に除去できます。

さらに、定期的に歯科検診やクリーニングを受けて専門的なケアを取り入れていることも予防につながります。食生活においても栄養バランスを意識し、喫煙習慣を持たない方はリスクが低く、加えて全身の健康管理を行っている方は、歯周病の発症を大幅に抑えることができると考えられます。

歯周病になりやすい人が実践したい予防法

歯周病になりやすい人が実践したい予防法

歯周病を予防するために自宅でできることを教えてください

歯周病を予防するために自宅でできることは、正しく歯を磨くことです。毎食後、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目にあてて、小刻みに動かすことで歯垢を除去します。さらに歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯ブラシでは届かない、歯間の汚れも除去できます。また、バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレス管理も歯周病の予防に有効です。

歯科医院で行われる歯周病の検査方法を教えてください

歯科医院では、歯周ポケットの深さを測る検査、歯の動揺度の確認、レントゲン撮影などを行います。歯周ポケットとは歯と歯茎の境目の溝のことで、健康な状態では0~3mm程度ですが、歯周病が進行すると4mm以上になります。これらの検査により病状の進行度を把握し、適切な治療方針が決定されます。

参照:『e-ヘルスネット「地域歯周疾患指数」』(厚生労働省)

歯科医院で歯周病予防に関して指導を受けることはできますか?

歯科医院では、歯磨き方法の指導生活習慣改善といった歯周病予防に関する指導を受けることができます。また、歯石やバイオフィルムを歯科医院で除去してもらうことで、自宅での歯みがきで不十分な部分を補ってくれます。定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることで、歯周病の予防や早期発見につながります。

編集部まとめ

編集部まとめ

 歯周病は、身近な病気でありながら、初期症状がわかりにくく、気付いたときには進行していることが少なくありません。しかし、日々の口腔ケア生活習慣の改善定期的な歯科受診によって予防や早期治療が可能です。日々の生活習慣を振り返り、今日から予防を始めることが健康な口腔環境を守る一歩です。

この記事の監修歯科医師