「歯周病になりやすい人」の特徴はご存知ですか?年齢別の罹患率も解説!【医師監修】

歯周病は、初期の段階では痛みや自覚症状が少ないために、気付かないまま病状が進行し、最終的には歯を失う原因にもなります。しかし、歯周病は生活習慣や体質によってリスクが異なり、なりやすい方となりにくい方の特徴が存在します。本記事では、歯周病の症状と原因や罹患率、なりやすい方となりにくい方の特徴、そして予防のためにできることについて解説します。

監修歯科医師:
松浦 京之介(歯科医師)
目次 -INDEX-
歯周病の症状と原因

歯周病の症状を教えてください
中等度に進行すると、口臭が強くなるとともに、歯と歯の間にすき間が生じます。さらに進行すると、歯を支える骨が溶けて歯がぐらつき、最終的には自然に歯が抜け落ちることもあります。痛みを伴わず進行する点が特徴的です。
なぜ歯周病になるのですか?
歯垢は適切に除去しないと歯石に変化し、歯石の中に入っている細菌が歯茎の炎症を引き起こします。歯肉が炎症によってどんどん腫脹し、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)が深くなります。深くなったポケットの中は歯周病の原因菌の繁殖しやすい嫌気性環境であるため、歯周病原菌の繁殖はさらに進みます。
さらに、糖尿病や喫煙、内臓型肥満や妊娠なども歯周病を引き起こす原因ではないかと考えられています。
参照:
『歯周病検診マニュアル2015』(厚生労働省)
『e-ヘルスネット「歯周病とは」』(厚生労働省)
歯周病の罹患率を教えてください
日本歯周病学会が公表している、歯周病の罹患率は下記のとおりです。
| 年代 | 罹患率 |
|---|---|
| 15〜24歳 | 20% |
| 25〜34歳 | 30% |
| 35〜44歳 | 40% |
| 45〜54歳 | 50% |
| 55歳以上 | 55〜60% |
また、厚生労働省の『令和4年歯科疾患実態調査』によると、歯周病かどうかを判断する指標の一つである”歯周ポケットの深さが4mm以上”である方の割合は下記のとおりです。
| 年代 | 罹患率 |
|---|---|
| 15〜24歳 | 17.8% |
| 25〜34歳 | 32.7% |
| 35〜44歳 | 34.7% |
| 45〜54歳 | 43.7% |
| 55〜64歳 | 47.5% |
| 65〜74歳 | 56.2% |
| 75歳以上 | 56% |
歯周病は、中高年層のみならず若い世代にも広くみられる病気であることがわかります。
参照:
『歯周病を知っていますか』(日本歯周病学会)
『令和4年歯科疾患実態調査』(厚生労働省)
歯周病になりやすい人、なりにくい人の特徴

歯周病になりやすい人の特徴を教えてください
特に歯周病のリスクが高いのはどのような人ですか?
糖尿病の患者さんは、高血糖状態によって免疫機能が低下し、細菌に対する抵抗力が弱まるため、感染症である歯周病が悪化しやすいとされています。歯周病と糖尿病との間には双方向的な関連があるといわれ、糖尿病の治療が歯周病を改善するだけでなく、歯周治療を行うことは糖尿病のコントロールにも有効であると考えられています。
参照:
『e-ヘルスネット「歯周病とは」』(厚生労働省)
『e-ヘルスネット「口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連」』(厚生労働省)
歯周病になりやすい年代や性別はありますか?
特に40代以降は急激に増加し、40代半ばには抜歯の約4人に1人が歯周病によるものと報告されています。さらに、55歳以上になると歯周病がむし歯を上回って歯を失う一番の原因です。75歳を過ぎると進行した歯周病を有する方が急増し、85歳以上では多くの方が歯周病に罹患しているのが現状です。つまり、歯周病は中高年から高齢期にかけて特に注意が必要な病気といえます。
また、性別による明確な差は大きくはありませんが、生活習慣の違いが影響します。女性の方がフロスや歯間ブラシを積極的に使用しており、予防意識が高いことがわかっています。特に40~70代の女性では、半数以上が歯間清掃を行っていました。一方で、男性はセルフケアが不十分になりやすく、その結果歯周病が進行しやすい傾向がみられます。
参照:『歯周病罹患の現状と対策について』(厚生労働省)
歯周病になりにくい人の特徴を教えてください
さらに、定期的に歯科検診やクリーニングを受けて専門的なケアを取り入れていることも予防につながります。食生活においても栄養バランスを意識し、喫煙習慣を持たない方はリスクが低く、加えて全身の健康管理を行っている方は、歯周病の発症を大幅に抑えることができると考えられます。
歯周病になりやすい人が実践したい予防法

歯周病を予防するために自宅でできることを教えてください
歯科医院で行われる歯周病の検査方法を教えてください
歯科医院で歯周病予防に関して指導を受けることはできますか?
編集部まとめ

歯周病は、身近な病気でありながら、初期症状がわかりにくく、気付いたときには進行していることが少なくありません。しかし、日々の口腔ケアや生活習慣の改善、定期的な歯科受診によって予防や早期治療が可能です。日々の生活習慣を振り返り、今日から予防を始めることが健康な口腔環境を守る一歩です。




