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「夏バテで吐き気」を催す原因はご存知ですか?改善する食べ物・飲み物も解説!

 公開日:2025/08/04
「夏バテで吐き気」を催す原因はご存知ですか?改善する食べ物・飲み物も解説!

昨今、夏の暑さが年々厳しくなり、熱中症警戒アラートが発動する日が増えています。暑い日が続いて夏バテになっている方も多いのではないでしょうか。夏バテの症状は多様ですが、吐き気も症状の一つです。吐き気がありつらかったり、食欲が出なかったりすると活力が出ないことも多いでしょう。本記事では、夏バテで吐き気が出る理由や症状の特徴、治療まで解説します。最後まで読んで、夏を乗りきりましょう。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

夏バテによる吐き気の特徴

夏バテによる吐き気の特徴

夏バテで吐き気がすることはありますか?

はい、あります。夏バテによって自律神経が乱れることで、消化機能が低下し、吐き気が現れることがあります。特に暑さによる疲労や食欲不振が続くと、熱によるストレス、水分や冷たい飲料などの過剰摂取により起こりやすくなります。

夏バテによる吐き気の特徴を教えてください

夏バテによる吐き気は、胃腸の動きが弱くなることによる症状です。そのため、以下のような特徴があります。

  • 食欲がなくなる
  • 胃がムカムカする、重たい感じがする
  • 空腹でも吐き気が続くことがある
  • 冷たいものや脂っこいものを摂取した後に悪化する
  • 発熱や下痢を伴わないことが多い

夏バテの吐き気と胃腸風邪などの吐き気はどのように違いますか?

夏バテの吐き気と胃腸風邪の吐き気はメカニズムが異なります。したがって、以下のような相違点があります。

項目 夏バテによる吐き気 胃腸風邪による吐き気
原因 自律神経の乱れ、食生活 ウイルスや細菌感染
症状の出方 徐々に現れる 急激に吐き気・嘔吐が起こることが多い
発熱・下痢 基本的に伴わない 発熱や下痢を伴うことが多い
身体のだるさ あり 強い
感染性 なし あり

夏バテによる吐き気が治るまでの日数を教えてください

症状の重さやケアの内容によりますが、軽度であれば、多くの場合数日で改善します。ただし、無理をして回復が遅れると1週間以上続くこともあるため、早めの対処が大切です。

夏バテで吐き気がする理由

夏バテで吐き気がする理由

夏バテで吐き気がする理由を教えてください

夏バテで吐き気がする理由にはいくつかの原因があります。

一つ目は、熱ストレスにより、胃腸の表面を保護しているバリアが障害され、胃腸の機能を弱めるためです。腸の炎症を招くと考えられています。

二つ目は、急速に水分を補給すると自律神経失調を引き起こすためです。急速な水分補給は交感神経活動を急速に上昇させます。この急激な変化で自律神経が失調し、胃の中のものを消化する力が弱まってしまいます。
室内の冷房と外気の温度差も自律神経を弱らせる原因です。

三つ目は、高温により血流が消化器から皮膚にいきやすくなり、消化管への供給が減少するためです。消化機能が低下するため、食欲不振や胃の不快感、消化が遅れる原因となります。

四つ目は、上記の胃腸機能低下による食欲不振からくる栄養不足です。

上記4つの原因の組み合わせで吐き気が引き起こされると考えられています。

夏バテで吐き気があるときに、胃腸はどのような状態になっていますか?

夏バテでは、上記のように胃腸のバリアの障害、血流不足、機能の低下がおこっています。具体的には以下のような変化があります。

  • 胃の運動が低下し、食べ物の消化が遅くなる
  • 胃酸の分泌が不安定になり、胃もたれやムカつきが起こる
  • 腸の働きが鈍くなり、便秘や下痢などの不調が出やすくなる

夏バテによる吐き気の治し方

夏バテによる吐き気の治し方

夏バテの吐き気はセルフケアで治すことはできますか?

はい、軽度の症状であればセルフケアで回復する可能性があります。セルフケアの方法として、以下のような生活習慣の改善があります。

  • 規則正しい生活
  • 冷房との温度差を減らす
  • 消化によい食事を少しずつ摂る
  • 適切な水分、塩分補給

規則正しい生活により、自律神経の安定化が期待できます。

また、適切な水分補給のためには経口補水液が有効です。経口補水液はナトリウムとグルコースの比が優れているため、嘔気・嘔吐の軽減に寄与すると考えられます。
一度にたくさんの水を飲むのではなく、200ミリリットル程度の水を1時間~2時間おきに摂取するのがおすすめです。

高齢の方は特に以下のような特徴があります。

  • 水分保持能力の低下
  • のどの渇きを感じにくい
  • 食事量が少なくなり水分不足になりやすい

したがって、意識してこまめに水分を摂る必要があります。

夏バテによる吐き気があるときにおすすめの食べ物や飲み物を教えてください

夏バテで吐き気があるときには、症状に応じて少しでも食べられるようなら固形の食べ物を、食べ物を受け付けない状況なら少しずつ飲み物を飲んだ方がよいでしょう。冷水など冷たいものの摂取により胃腸の働きが低下しています。そのため、消化のよい食べ物がすすめられます。また、あたたかい食べ物、常温の水やお茶を摂るようにするのがおすすめです。
食欲増進のため、ほどよく薬味やスパイスを効かせたり、レモンや酢で酸味を効かせたりした食事も食べやすいでしょう。食べられないときには胃腸を休めることも重要です。以下のような食べ物や飲み物がおすすめです。

食べ物

  • おかゆ、うどん、雑炊
  • 温野菜
  • 白身魚や豆腐など脂肪の少ないタンパク質
  • 梅干し、しょうが(胃の働きを助ける)

飲み物

  • 常温または温かい麦茶、白湯
  • 経口補水液(脱水対策に)
  • スポーツドリンク(ただし糖分過多に注意)

夏バテの吐き気が治らない際の対処法を教えてください

夏バテの吐き気が治らないとき、以下の2つの点によって対応が異なります。脱水の程度と、感染症があるか否かです。水分が摂れないときや、嘔吐が続くときは、脱水が加速度的に進行すると予想され、危険な状態なので医療機関にかかった方がよいでしょう。

特に夏バテを超えて熱中症となっている場合は危険です。熱中症には、特徴的な以下のような症状があります。

  • めまい
  • 失神
  • 筋肉痛
  • 筋肉の硬直
  • 大量の発汗
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 虚脱感
  • 意識障害
  • 痙攣
  • 手足の運動障害
  • 高体温

上記の症状がみられる場合、熱中症と判断し、涼しいところで十分に経口補水液を飲み、身体を冷やしましょう。改善しない場合や水分を摂れない場合は病院を受診する必要があります。特に意識障害がある場合、重度の熱中症が疑われます。救急搬送の検討が必要です。

高熱や下痢を伴う場合、吐き気が夏バテによる症状ではなく感染症の症状の可能性があります。医療機関を受診する必要があります。
上記のような症状がなくても、2~3日たっても症状が続く場合は、自己判断せず医療機関の受診をおすすめします。生活習慣を見直し、無理に食べず胃腸を休める時間も大切です。

夏バテの吐き気で受診をする際は何科を受診しますか?

まずは内科が一般的です。消化器の不調が疑われる場合は消化器内科、または総合診療科でも対応してくれます。

編集部まとめ

編集部まとめ

夏バテで引き起こされる吐き気の特徴や対処方法を解説しました。一見消化管だけの症状に見えても、根本的な生活習慣から見直し、改善することで症状も緩和します。ますます日本の暑さが厳しくなり、気温の高い日が続くことが予想されます。上手に対策して夏を健康に乗り切りましょう。

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