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「夏バテ対策」するために「食事面」でどんなことに気をつけたらいい?【医師監修】

 公開日:2025/08/03

夏の暑さが続くと、身体がだるくなったり食欲が落ちたりする夏バテに悩まされる方も少なくないです。夏バテは日常生活の質を下げてしまうため、早めの対策が大切です。本記事では、すぐに実践できる夏バテ対策のポイントをご紹介します。毎日の生活に取り入れやすい方法を中心に解説するので、ぜひ参考にして健康に夏を乗り切ってください。

伊藤 規絵

監修医師
伊藤 規絵(医師)

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旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。

夏バテの概要

夏バテの概要

夏バテとはどのような状態のことですか?

夏の高温多湿な環境や、室内外の温度差などに身体がうまく対応できず、さまざまな不調が現れる状態のことを指します。

主な症状には、身体のだるさや疲労感食欲不振頭痛めまい立ちくらみ胃腸の不調冷えやむくみ肩や首のこり寝つきの悪さ気分の落ち込みやる気の低下などがあります。

自律神経の乱れや発汗異常、睡眠不足、栄養不足などが原因で起こります。特に、冷房の効いた室内と暑い屋外を頻繁に行ったり来たりするので自律神経が乱れやすくなり、体温調節や体内のバランスが崩れやすくなります。夏バテは熱中症のように急激に悪化するものではありませんが、放置すると長引くことがあるため、早めの対策が大切です。

夏バテの原因を教えてください

気温や湿度の高さによる体温調節機能の乱れと、自律神経のバランスが崩れることです。暑い屋外と冷房の効いた室内を頻繁に行ったり来たりするので、身体がうまく温度差に対応できず、自律神経が疲弊しやすくなります。

また、暑さによる発汗で体内の水分やミネラルが失われると、脱水や栄養不足に陥りやすく、体力や免疫力が低下します。さらに、寝苦しさから睡眠不足になることで、疲労が蓄積しやすくなります。これらの要因が重なることで、身体のだるさや食欲不振、胃腸の不調など、さまざまな夏バテの症状が現れます。

夏バテになりやすいのはどのような人ですか?

いくつか共通する生活習慣や体質があります。まず、生活リズムが不規則で、夜更かしや睡眠不足が続いている方は、自律神経が乱れやすく夏バテのリスクが高まります。

また、食生活が偏っていたり、食事量が減って栄養不足になっている方も注意が必要です。運動習慣がなく、普段から身体を動かす機会が少ない方や、デスクワーク中心で身体にむくみを感じやすい方も、代謝が低下し体温調節がうまくできなくなるため、夏バテを起こしやすくなります。

さらに、冷房を低い温度で長時間使っている方や、冷たい飲み物や食べ物を多く摂る方、湯船に浸からずシャワーだけで済ませることが少なくない方も、身体のバランスを崩しやすい傾向があります。このような生活習慣や体質に心あたりがある方は、特に夏バテ対策を意識して過ごすことが大切です。

夏バテ対策のポイント

夏バテ対策のポイント

夏バテにならないための食事面での対策を教えてください

まず大切なのは1日3食、主食・主菜・副菜バランスよく摂ることです。暑さで食欲が落ちると、そうめんやパンなどの主食だけに偏りがちですが、これでは必要な栄養素が不足しやすくなります。豚肉や魚、卵、大豆製品などの良質なたんぱく質、夏野菜や果物に含まれるビタミンC、豚肉やうなぎなどに豊富なビタミンB1、そして吸収を助けるアリシン(玉ねぎやにんにくなど)を意識して取り入れましょう。

また、冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎると胃腸に負担がかかるため、温かい料理や常温の飲み物を選ぶこともポイントです。食欲がないときは、香味野菜や酸味のある食品を活用して食欲を刺激するのもおすすめです。

夏バテを予防するために食事以外で気を付けることはありますか?

日常生活のさまざまなポイントに気を付けることが大切です。まず、こまめな水分補給を心がけます。喉が渇く前に、少量ずつ定期的に水分をとり脱水を防げます。また、規則正しい生活リズムを保ち、質のよい睡眠を十分に取ることも重要です。寝苦しい夜は、エアコンや扇風機を上手に使い、快適な環境で眠れるよう工夫します。

さらに、適度な運動を日常に取り入れることで、体力や発汗機能が高まり、夏バテに強い身体を作ることができます。運動は朝や夕方の涼しい時間帯に行い、無理のない範囲で続けることがポイントです。加えて、室内外の温度差を5度以内に抑えるなど、身体の冷やしすぎにも注意します。これらの生活習慣を意識し、夏バテを効果的に予防できます。

夏バテを改善する食事面での対策を教えてください

まず1日3食を規則正しく摂ることが基本です。食欲が落ちている場合は、量より質を重視し、主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせます。特に、エネルギー源となる糖質や脂質、体力回復に役立つたんぱく質、発汗で失われやすいビタミンB1やC、ミネラル(ナトリウムやカリウム)を意識して摂ることが大切です。蒸し料理や茹で料理、さっと加熱する調理法を活用すると、消化に優しく栄養素も損なわれにくいです。

また、冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけるため、温かいスープや煮物などを取り入れるとよいです。食事の回数を増やして一度に食べる量を減らす工夫や、酢や柑橘の酸味を活用して食欲を刺激するのも効果的です。

夏バテの症状をやわらげる生活習慣はありますか?

生活習慣を見直すことが重要です。まず、生活リズムを整え、規則正しい睡眠を心がけましょう。夜更かしを避け、毎日同じ時間に寝起きすると自律神経のバランスが整い、体調が安定しやすくなります。

また、朝や夕方の涼しい時間帯にウォーキングやストレッチなどの軽い運動を取り入れることで、汗をかく習慣がつき、体温調節機能が改善されます。入浴はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお風呂に浸かることでリラックス効果が高まり、寝つきもよくなります。さらに、冷房の温度を下げすぎず、室内外の温度差を5度以内に保つことも大切です。これらの生活習慣を意識して、夏バテの症状をやわらげ、元気に夏を過ごすことができます。

家庭での夏バテ対策でも症状が改善されないときの対処法

家庭での夏バテ対策でも症状が改善されないときの対処法

夏バテ対策をしても症状がよくならないときはどうすればよいですか?

夏バテ対策をしっかり行っても症状がなかなか改善しない場合は、まず無理をせず十分な休息をとり、体力の回復に努めましょう。

消化のよい食事や水分、ミネラルの補給を意識し、冷たいものの摂りすぎには注意してください。生活リズムを整え、睡眠や入浴、軽い運動など基本的な対策を見直すことも大切です。それでも2週間以上倦怠感や食欲不振、頭痛、吐き気などの症状が続く場合は、自己判断せず早めに内科などの医療機関を受診します。点滴やビタミン剤などの適切な治療を受けることで、早期回復につながる場合があります。

病院では夏バテに対してどのように治療をしますか?

まず問診で症状や体調を詳しく確認します。夏バテ以外の疾患がないかを調べ、主な治療は点滴による水分やミネラルの補給が行われます。なぜならば、夏バテによる食欲不振や脱水で体内の栄養や水分が不足しやすいためです。また、必要に応じて経口摂取できるビタミン剤や漢方薬が処方されることもあります。これらの治療は、体力や免疫力の回復を助けるために有効です。

編集部まとめ

編集部まとめ

夏バテ対策は、毎日の生活習慣の見直しバランスのよい食事がポイントです。1日3食を規則正しく摂り、たんぱく質やビタミン、ミネラルを意識して取り入れます。こまめな水分補給や、冷房の温度差に注意が大切です。睡眠や適度な運動、ぬるめのお風呂で身体をリラックスさせることも効果的です。こういった方法はすぐに実践できるので、日々の生活に取り入れてください。

この記事の監修医師